偽れる装いの作品情報・感想・評価

「偽れる装い」に投稿された感想・評価

Ricola

Ricolaの感想・評価

4.3
久しぶりに良い意味で予想を裏切る作品に出会った…すごい…鳥肌が立った…。

至ってよくある不倫ものかと思いきや、、あることがきっかけで一気にこの映画の雰囲気がガラッと変わる。

けれどよく考えたら前半に後半の不吉さを感じる伏線が堂々と存在している…。

主人公は、モテるけれどやっぱりとことんプレイボーイなフィリップ。
しかしプレイボーイでも真剣な恋もするのである…。

卓球のラリーの球を目で追いながら気まずそうに観ているのがシュールだけど揺れ動く心情が明確に表されていたと思う。音と目の動きだけでドキドキした。

前半ちょっと個人的にはダレてしまったが、粘ってちゃんと観てよかった。

人間って誰にも弱点があるけど、その中でも本当につっかれたら脆くてだめになってしまうポイントもあると思う。

そんな怖さが描かれた映画。

最初の方は?だったが、観終わってから「偽れる装い」という邦題、納得である。
scarface

scarfaceの感想・評価

3.9
オートクチュールのデザイナーが主人公。彼はプレイボーイで女たらし、付き合ってる女を軸に服作りをしている。コレクションに向け、製作に奮闘している最中、素晴らしい女性に出会ってしまう。彼女に心が捕らわれて…
この話、どこかで聞いたことありませんか?笑
さらに共同経営している助手的なおばさんが出てきたり、ウエディングドレスが鍵になっていたり。

ただ、この映画最高です。ベッケルのキレキレの表現にやられます。
SN

SNの感想・評価

4.6
実に恐ろしい。
オートクチュールを題材にしたベッケル最初期の作品。いちいち怖い。もう冒頭から背筋が凍るよう。無表情のまま、下の見つめながらボソボソと話す女たち。状況の深刻さ(これはラストで明かされるのだが)にもかかわらず、一様に下を見つめながら語り合う無機質さ。そのイメージはすぐさま華やかなファッション業界を彩るマネキンへと移り、様々なモチーフへと姿を変えながら横滑りをしていく。マネキンは時に正面に、時に後景に退きながらもこの映画のいたるところに散在する。その反復がやがて、マネキンと生身の人間の境界をだんだんと曖昧にしていく…。
主人公のクチュリエ・ルーローは女ったらしで移り気な色男。彼は友人の許嫁(ミシュリーヌ)に一目惚れをし、つまみ食いをしようとする。彼女のためにウェディングドレスを仕立てるのだが、それが元で彼の運命は破滅の一途をたどる。ルーローに惹かれていくうちにだんだんと人間らしさを失われていくミシュリーヌ(卓球のシーンの失神に至るまでの首振りは薇人形のよう)。そしてミシュリーヌと離別したことによって魂を抜かれるルーロー。
有名なクライマックス前のこのシーンは奇怪この上ない。ミシュリーヌ→ジャン→ルーローの順に1秒に満たないクローズアップの連続。ミシュリーヌの別れの言葉に膠着してしまったルーロー(素晴らしい演技)を、憤慨したジャンは三度にわたって、物を捨てるかのようにぞんざいに扱う(放り投げるかのように)。この間、わずか15〜20秒なのだが、ここでルーロー自身が偶像崇拝の対象であったマネキンと化してしまう。ミイラ取りがミイラになってしまった瞬間である。そして、ミシュリーヌのために仕立てたウェディングドレスをマネキンに着させ、心中をする。
服飾を基調とする映画なので、映画空間のほとんどを工房やサロンといった建物内で完結させている(チュイルリーは別として)。冒頭の部屋と部屋とを繋ぎながらの長回し移動ショットは素晴らしいし、建物の特性を生かした演出(盗み聞き・ドアの用い方)も光っている。なによりも、ラストの心中シーンは建物からの解放という意味でも、ひとつの自殺以上の意味合いを持つ。
ただのメロドラマかとたかをくくっていたら、思った以上にニューロティックで病んでて最高
pika

pikaの感想・評価

4.5
すげー映画!
前半は主人公のデザイナーとしての潔いまでの姿勢と、女癖の悪さを奔放な軽やかさで帳消しにしてしまう魅力を中心に、随所に挟まれる主人公のユニークなキャラクター性を味わいながらグイグイとテンポよく楽しんでいくのだけれども、段々とオオカミ少年よろしく「真実の愛に今更目覚めました」と言われても「知らねーよ!」とイライライライラしてブチ切れそうになる中盤、卓球試合の緊迫感から一気に表面の軽やかさとは裏腹に「こういう人」というレッテルめいた思い込みを壊さんばかりに迷い、決意し、文字通り全てを賭けて愛を貫こうという姿勢にガクガクと感情を揺さぶられ、次に誰がどんな反応をするのだろうかという映画体験の醍醐味を堪能する。


ファッションデザイナーにマネキンというアイコンで魅せ、ショーをクライマックスに鬱屈とした展開を華やかに彩った雰囲気が素晴らしく、表情を満遍なく捉え表面的な感情を、展開で奥底の情熱を表現する差異に「あー、そうだったのかぁ!」などとドラマに没頭させ、冒頭のシーンによって結末がわかってるからこそ逆に「どう行き着くのか」という緊張感が持続する。
フランス人は愛と死を天秤にかけられるからこそ情熱的で人間臭く、ドラマに説得力があるので恋愛ドラマはなかなかに味わい深い面白さ。
Yuki

Yukiの感想・評価

3.8
オートクチュールのシステムと主人公の人生が連動している(女性関係)。
「私はあなたと違って,人生を演じたりしないわ」

ファッション界を通した映像表現

創造活動(ドレス)と恋(女性の身体)が分かちがたく結びついている