ベッケルって、凄いんだ、といま知る。
冒頭、生きている様なマネキンを抱き抱えながら、夢見る様な顔で安らかに眠るフランス男。それを見つめる様な、見下す様な服飾会社の工員女たち・・・一体、何が起こった…
普段から女遊びをしていた天才ファッションデザイナーが、全てを捨てて友人の婚約者と恋に落ち、駆け落ちを目論む。良心に揺れて言行が不一致になる女や、服にまつわるフェティズムの猟奇的な描写、そしてなにより…
>>続きを読むベッケルにしてはイマイチ盛り上がらないと思って見ていたが、三角関係ドラマの輪郭がはっきりし始めると俄然面白くなる。意味ありげなマネキンの撮り方もちゃんとラストに効いてくる。クローズアップが印象的、絶…
>>続きを読む駆け落ちを全否定するのではなく「コレクションまではいてくれ」と頼むソランジュ、その一連のくだりが堪らない、長年の関係性による信頼と諦念が生み出す倫理とそれすらも乗り越えてしまおうとする主人公の妄執
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才能溢れる男性デザイナーが独りよがりな愛情で一人の女性を振り回す滑稽さを描く、ジャック・ベッケル監督の長編3作目。自信家の男と愛情に真摯に向き合う女のすれ違いや、身近にある本当の愛に気付けない男の愚…
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