自由の作品情報・感想・評価

「自由」に投稿された感想・評価

roland

rolandの感想・評価

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すべてが等しく映されるから好きだ。人も動物も、大気や水も。「空のショット」などここには存在し得ない。

始まりはやはり三人。横と上下。自由に上昇する鳥と、砂地に沈んでいく人間。

もはや一つのフレーム内に二人以上同居していることすら違和感があるし、コミュニケーションの片鱗が垣間見られるとなるとまともには信じることができない。

バルタスの映画を観るとき、何を期待しているわけでもない。そこに映る人が皆そうするように、ただじっと見つめ続けるのみ。
「はなればなれに」で思い出し(地下鉄の看板文字)

圧倒的絶望感を圧倒的な自然の映像と登場人物の表情のみで体現した傑作(正確には、ほんの何言だけの台詞アリ)。
10年以上経った今でも、大胆かつ繊細な映像が目に焼き付いています。
特に、打ち寄せる波の映像(何種類かあった)が凄まじかった。
構図に関しても、アンリ・カルティエ=ブレッソンに近づく勢い。
今のところ、鑑賞した「Few of Us」「家」「三日間」の中では本作がバルタス・マイベスト。
彼が表現した【自由】とはまさかの……なのか…

個人的に作風が近いと感じる監督としては、ビクトル・エリセ、アンドレイ・タルコフスキー、タル・ベーラ、アレクサンドル・ソクーロフ…などでしょうか。
ただ、作品として優れているという意味ではなく、バルタスは彼らの作品を突き抜けています。
前記した4人のタイプの監督がお好きな方は必見。
可能であるなら全作品を制覇したい気にさせる数少ない監督の1人。
spacegomi

spacegomiの感想・評価

4.2
台詞や説明はほとんどなく、不法移民?で追われる身の男女の姿。カメラが自由を求める彼らの動線を追いかけるだけで物語が生まれる。
広大な砂漠は一見空間的に自由に満ちているようだが、その実はどこにも逃げ場のない、追われる彼らを縛り付ける極めて不自由な存在として機能する。
海辺や砂漠といった広大な自然の風景をロングショットで挟みながら、登場人物の移動と顔だけで語りを進める。
「自由」を追い求める彼らの内面に迫ることはほとんど見せることがなく、観客に想像する自由が与えられていたり。