フェアウェル さらば、哀しみのスパイの作品情報・感想・評価

「フェアウェル さらば、哀しみのスパイ」に投稿された感想・評価

ソ連崩壊のきっかけとなった「フェアウェル事件」が題材。ソ連の実情を嘆くKGB幹部が、息子の将来・国の未来を考えて国家機密をフランスに流す。なぜここまで彼は自己を犠牲にしながら動いたのか。亡命という選択をとらなければ家族にまで危害が及ぶ。が、それも短期的なこと。急激な大きなうねりを予見していたとしか思えない。歴史はこのようにして動いていく。
mikoyan358

mikoyan358の感想・評価

3.5
2016/5/8鑑賞(鑑賞メーターより転載)
東西冷戦の真っ只中、ソ連側の中枢にいたKGBの幹部が決死の覚悟で西側に情報を流し、社会主義崩壊の序曲となったともいわれる「フェアウェル作戦」を再現。私も大好きな大監督エミール・クストリッツァが俳優として終始しかめっつらで画面に現れるが、思いのほか演技も巧くて驚く。007なんかとは対極にあるような極めて地味な行動が積み重ねられるので退屈する人もいるだろうが、自分にはかえってその繰り返しが止まらない緊張感につながった。結局は二大大国の間で行なわれる軍人チェスの駒だったのか...後味は非常に良くないが。
☆☆☆

2010年8月22日 シネマライズ up theater
さち

さちの感想・評価

4.1
俳優としてのエミール・クストリッツァがみたくて。
最近観たスパイものではかなりよかったなぁ。渋い静かなる緊張感。緊張感が絶えないということはイコールどこも大事で無駄がないということでもある気がする。
LIMONE

LIMONEの感想・評価

3.0
ソ連系の白い画像はどうしてこうも…
ただ、セルゲイ・グリゴリエフ大佐の動機がよくわからないんだけど。
「車の鍵を閉め忘れたかもしれない」と妻に告げ、男が劇場から出る。車に戻り、おもむろに運転席に座って、ふぅと一息。
対向車のライトに照らされたその時、後部座席に座る黒い人影が…!後ろ…後ろ…!やっぱ鍵開いてたんじゃん…!
となる最初のシークエンスだけで心はガッツリ鷲掴み。

それ以降は、今回は監督業ではない俳優・エミール・クリストリッツァの強面に釘付けになる。目つきが悪いしデカくて恐いが、どこか懐の深さを感じる人だった。

クリストリッツァ扮するKGB幹部の男(コードネーム:フェアウェル)と、それに協力するフランス人青年の物語を中心とし、ソ連崩壊のきっかけを作ったと言われる“フェアウェル事件”を描いている。

来るか…来るか…!のスリラー的なタイミングでは決して来ず、意外なところでバツっとシーンを切ってハッとさせたりして。じりじりと青い炎を燃やす静かなスパイ映画でした。

長回しによる「緊張」と、気を抜いた頃の「不意打ち」の緩急を作るのがうまい監督です。
新作を求む!クリストリッツァ監督も!
 リアル志向のスパイ映画。緊張感のある佳作であり、このジャンルのファンならお勧めできる。
 「アンダーグラウンド」の監督エミール・クストリッツァが役者にまわり、ソ連側の内通者を演じる。上半身はデカいのに足は細いのが不思議だった。
スパイ映画はアクション系が多いがこれは人間味のあるスパイ映画。
この映画を作るにあたりロシア人俳優のキャスティングをしていたが、ロシアからの何らかの圧力により降板したりしている。
スパイに憧れる私としてはとても気に入っている映画。
Ryoko

Ryokoの感想・評価

4.0
ジャケットの右側の人の面構えがインパクト大で気になっていた作品。この右側の人は、冷戦末期のKGB大佐グレゴリエフ、通称フェアウェル。このお顔からして失礼ながら悪い役かと思っていたら、息子の将来を憂う家族思いの良き父さんでした。
彼が西側諸国に機密情報を流したことにより、ソ連の諜報活動が弱体化、さらにはソ連崩壊へと繋がったとされている「フェアウェル事件」を描いた作品です。
歴史を動かした事件ながら、その主役となった人物たちは、ごくごく普通の人間に描かれている。情報を受け取る役のフランス人技師(ジャケ左側)は諜報活動に関わっていることにさえはじめは自覚していなかったというのにも驚かされる。そして、スパイ活動の成否が国家の行く末を左右していたことがよくわかり面白かった。
時の権力者、レーガン、ミッテラン、ゴルバチョフなども少しだけ登場します。けっこう似てる。
待望の日本公開を果たしたトーマス・アルフレッドソン監督、ゲイリー・オールドマン主演の映画【裏切りのサーカス】を観て
この映画の事を思い出した
【裏切りのサーカス】では東西冷戦時代、ソビエトのスパイ網に翻弄されるイギリス諜報部「サーカス」の姿が描かれていましたが
実際のところ、ソ連のスパイ網ってどんな感じだったの?というのがこの映画では描かれているんですね
一人のKGBスパイがフランスの諜報機関へ情報を流し、祖国を裏切った罪で処刑される
なぜ彼は祖国を裏切ったのか?亡命するため?金のため?
この理由がジワジワと伝わってくるのが堪りません
そして、アメリカのロナルド・レーガン政権が構想し「狂気の沙汰」と評された「スターウォーズ計画」の内幕もまた見所の一つです
史実を正確に描写しているかどうかは、これは映画の話しなのでアレですが
その内幕は興味深い、有り得るなという話しです
ソビエト共産主義を崩壊に導いた裏切り者、彼の家族を思う気持ちに泣かずにはいられない
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