ニーナ・シモン 魂の歌の作品情報・感想・評価・動画配信

「ニーナ・シモン 魂の歌」に投稿された感想・評価

ニナ・シモンの人物像をクリティカルに捉えた傑作やと思うが監督の分析力総合力が優秀すぎてドキュメンタリーを越えて伝記のようだ。捨象された多くの瞬間があると仮定して、ニナの音源、楽曲、歌唱とプレイ、フレーズを改めて自分なりに聴いてみたいと思った。ディスクユニオンでも行くかな!
今は亡き友人を思い出す映画。これを観てニーナ・シモンの本名と友人の名前が同じと知って震えた。歌やパフォーマンスがすごいのはもちろんなんだけど、彼女の稀有さって、なんていうか、存在から発せられるエネルギーが人間のものではない感じにある気がする。人間的な存在じゃないから、人間生活は苦手、みたいな。そんなところも友人に通じる気がする。
一度聞いたら忘れられない声。
想像よりはるかに政治的で、ときにスピリチュアルな? 感じの印象を受けた。
天才は普通じゃないって言ってしまえば簡単だけど。それ以上になんだか不安定な気がした。もっと元気な姿が見れるものだと思ってた。
ニーナ・シモンの音楽のすばらしさは予備知識を必要とするものではなく、たとえば渋谷の交差点で突然彼女のAin't Got Noが流れ出したとしても、老若男女の足をもれなく「え?」って止めるパワーが有る。と思うの。

ただ、テレビに出て大人気のアレサ・フランクリンを目にした時のニーナのイヤそうな顔。という人間くさいエピソードが紹介されていたのですが、「ローリング・ストーン誌の選ぶ歴史上最も偉大な100人のシンガー」1位アレサにさえ、才能で見劣るとは思わないものの(ニーナ29位は低すぎるという文句はあるけどそれはそれとして)やっぱりアレサとニーナの違いは明白で。
端的に言うとまずメディアに、次いで大衆に愛される。という前者でつまづいたのがニーナ。そういう話が映画では詳しく語られます。

いわゆるアンクル・トム的な存在にはなるまいと政治的に先鋭化したことが彼女の後半生を決定づけ云々、という部分は知ってたけど双極性障害の影響の大きさに気がつかされたのは今回が初めて。2度目のモントリオールの映像は見たことあったけど、その緊迫感の由来を真面目に考えてこなかったんですね。

近日公開のアレサ映画において、彼女の人生の凹凸はきっと描かれるんでしょうけど、本作ほどの「人間が覗き込まされる底の見えない淵」みたいなものは出てこないんじゃないか、そんな気がしました(ま、商業作品でそんなものを見せられてもね)(というかアレサがゴスペルに軸足を置き続けた意味はニーナの葛藤とパラレルだと思うので……いや、そういう話は『リスペクト』2021を見てから言えばいいことだな)。
碧

碧の感想・評価

3.5
『ハリエット』を見た時に、"Sinnerman"が使われていて、この歌を歌った人のことが知りたいと思ったので。

でも、このドキュメンタリーでは、"Sinnerman"は出てこない。と思ったら、エンドロールに使われていた笑

黒人のピアニストとしての苦労は、『グリーンブック』のドン・シャーリーとも重なるところがある。(同じ時代なので)

彼女のバックグラウンドや込められた思いを考えたら、"Sinnerman"も"悲しき願い"も、他のどんなカバーも軽いもののように思えてくる。
akiko

akikoの感想・評価

3.8

このレビューはネタバレを含みます

feeling goodのラストのフェイクには身震いするほど圧倒されてしまう
どんな人だったんだろうと気になっていたから観た

南部出身のまだ小さな彼女に起きた差別
元々目指していたクラシック音楽ができずにバーで歌ってお金を稼ぐ日々
その歌声や音楽センスが認められて徐々に売れていく
マネージャーを務める夫からの束縛や暴力
音楽家としても1人の女としても感じる抑圧
公民権運動にのめり込んでいったことから業界から干され、精神もついに病んでいくが
やっぱり歌しかない、と再び歌い始めるニーナ
波乱万丈すぎてつらかった
あんなにタフな声からは正反対に思えるくらい繊細な女性

-自由とは恐れがないことよ-
彼女がインタビューで言っていた言葉がとても心に残った

生涯、自由を求め続けたニーナ
一度聴けば忘れられない魅力がある歌声です
mmmu

mmmuの感想・評価

4.2
ニーナ・シモンの人生を追うドキュメンタリーだけど、音楽映画としてもすごくよくできていた(多分曲がめちゃくちゃいいから) 『ボージャック・ホースマン』でもエンディングに使われているエピソードがあるんだけど(3-12) ニーナ自身も「race horse(競走馬)のようだ」と言われていた "What happened, Miss Simon?"(ミス・シモンに何が起こったの?)という原題はマヤ・アンジェロウのエッセイから来ているみたいでこっちも読みたい。
『サマー・オブ・ソウル』でみたニーナ・シモンの曲と姿がとても良かったのでこっちを見てみたんだけど、一部そのカルチュラル・フェスティバルの映像が使われていた。"Are you ready to smash white things, to burn buildings, are you ready?”という挑戦的な曲を歌った頃はまさに公民権運動のただなか「政治的な歌しか歌わなくなった」ときで、ニーナを殴っていた夫は過激派に傾倒しはじめた的なことを言うんだけど、その夫がニーナに「音楽がお前の武器だ」と言ったらしいのもまた印象に残る アラバマ州のヘイトクライムで教会が燃やされて子供が亡くなった事件の後に歌った"Mississippi Goddam"の歌詞「誰もが知っているミシシッピ」はエメット・ティルのことだよね
才能のある黒人女性として南部に生まれ孤独が強調されていて、キャリアの後半では躁鬱病の診断を受け薬を飲みながらも音楽を続けるところは駆け足だったのでもうちょっと知りたかった
娘のリサ・シモン・ケリーがでて色々話してるんだけど、父親は言わずもがな不安定な母親からも暴力を受けたことがあって複雑なんだろうけど一番幼少期の思い出を話す頃の笑顔が印象的だった
「政治的な曲」というよりは、本人も言っていたけど必要に駆られて歌った曲なんだなぁと思ったし彼女の曲につきまとうそういう悲しさが人の心をうったんだなぁというのも良くわかる。ドキュメンタリーにしては重いかもしれないが良かった。
鷲尾翼

鷲尾翼の感想・評価

4.0
【まとめシネマ】#464

【まとめ】
* 壮絶な裏側を訴えるソウル!
* ボロボロになったラストは悲しい
* 自由を求めて闘い続けた歌姫

本作は1950〜70年代に活躍し、当時の黒人公民権運動に参加するなど社会運動にも積極的に活動したニーナ・シモンの人生を振り返るNetflixオリジナルドキュメンタリー作品。

彼女は、ソウルやゴスペル、R&Bなどのブラックミュージックを歌い、黒人差別に対する社会運動に参加したりと、当時の黒人にとってヒーローのような存在だったが、その裏側では夫でありマネージャーだったアンドリューのDVに耐え、双極性障害(躁うつ病)と戦う様を殴り書きされたメモと共に語られている。その壮絶な裏側を知ると、彼女の歌に込める意味や深みがガラッと変わる!

後半は、低迷期を迎え家族も、家も、金銭も失ってホームレス状態になった彼女が久々のライブに客前に立つ。しかし、その姿は死んだ目で観客を眺め、観客の拍手や優しい歓声に「うるさい」「やめて」と指を差して、静まった中歌を歌う。その姿は音楽に真剣な姿とも思えるが、極限の精神状態の中でのライブとも思える。

本作は、彼女が訴える様々な「自由」を知り、それを求めて貧しく厳しい社会のために必死に闘い続ける姿を噛み締める作品。これを踏まえて「サマー・オブ・ソウル」を観ると、黒人問題に対するメッセージが変わる。
yusaku

yusakuの感想・評価

3.5
feeling good の歌声にくらってから気になっていた。

人生の紆余曲折が凄すぎて、再復帰してからの、自由な彼女は輝いているように感じた。

また、冒頭の「自由になったものにしか意味は感じれない」は、彼女の人生を通して感じた価値観であるように感じた。
何度も彼女の歌に 、救われた 。

ずっとこの作品観たくて、でも後回しにしていたな。

「Ain’t Got No, I Got Life 」がいちばん好き。
この歌でニーナを知った。
今日は、苦悩も知った。

本能的に惹かれる歌声なんだろな。
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