水槽と国民の作品情報・感想・評価

水槽と国民2015年製作の映画)

L'Aquarium et la Nation

製作国:

上映時間:31分

4.0

「水槽と国民」に投稿された感想・評価

ryom

ryomの感想・評価

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水槽が置いてある場所や水槽の音はない。水槽は流木や酸素を出すエアーは付いていた。
この日は他に

「レナートに」
「目下の進捗状況は? ジャン=マリー・ストローブ」
「湖の人びと」

も見る。

プロデューサーでありパートナーでもあるバルバラ・ウルリヒもやってきて、トークや質疑応答をした。
Risa

Risaの感想・評価

4.0
ストローブ=ユイレの軌跡@アテネ・フランセ文化センター にて鑑賞。
水槽の中で泳ぐ金魚たちを眺め、『アルテンブルクのクルミの木』を朗読する声を聞き、映画「ラ・マルセイエーズ」の抜粋映像を見て、この作品の意味が分かったつもりになりました。
冒頭に出て来る金魚たちが一生懸命泳いでいるように見えて、かわいかったです。
水槽の長回しの途中でいきなり音楽ぶっこまれると、ちょっと油断してたこともあってめちゃビビる。

あとはストローブ自身の朗読ってのは今までなかったから新鮮だった。

あとルノワールの30年代の映画って同時代の作品の一歩先を行ってる感がやはり凄い。
水槽:金魚=国家:国民という関係性をエネ・マグネルによるマルローの小説で明示するといわれれば非常に分かりやすく形式的だけど、水槽の金魚を観るというたわいもない行為が映像のフィルターを通すことでなんらかの強度を持つ特異な体験になることの不思議を考えてた。映画におけるアンビエント。
『レナートに』『目下の状況は?ジャン=マリー・ストローブ』『湖の人びと』も合わせて鑑賞。
Ryosuke

Ryosukeの感想・評価

3.6
水槽を固定カメラ長回しで捉えるカットから始まる。美しいカットだが、とにかく長いので正直楽しめはしなかった。何せ長いので画の細部まで見ることになり、普段の映画鑑賞では映像の一部分しか見られていないことを実感する。また、音楽がかかると途端に見やすくなることから、無音への耐性が弱まっていることも改めて認識させられた。
カメラが水槽に映りこんでしまっている点などは、シネマ・ヴェリテ的。
朗読パートでは純粋に編集のための、休憩のためのジャンプカットが行われる。ぶつ切りの編集のたびに光の具合が一気に変わることに驚く。我々は自然光の変化を連続的には捉えられないということを実感する。突然撮影側が話しかけるのも、これまたシネマ・ヴェリテ的。

併映
「レナートに」 3.0
「オトン」からの引用(手持ちカメラ長回しの部分)と写真、ナレーションで構成される。彼らの撮影現場が和気あいあいとしたものであったことが分かる。
「目下の進捗状況は?ジャン=マリー・ストローブ」 3.2
猫がいると画がもつ。
ジャンプカットで唐突に現れる人や猫が面白い。画の中の絶妙の場所に現れる窓の外の船を見ていると考え抜かれた構図であることが分かる。
撮影者側がカメラの話題を出すのは、やはりシネマ・ヴェリテ的。
まずは固定ショット&これでもかの長回しで金魚の泳ぐ水槽を間近から延々と映す。この間無音、水槽にカメラが写り込んだり水槽の後ろには人が通ったりする。5〜6分くらい経過しただろうか、いきなりハイドンの『十字架上のイエス・キリストの最後の言葉』(弦楽四重奏版)から序奏が流れ出してまた数分後に突然のクレジットタイトル。その後画面は大きな窓のあるなんの変哲もないとある簡素な部屋を映し出し、テーブルにはマイクが置かれている。その部屋で精神分析家エメ・アグネルがアンドレ・マルローの『アルテンブルクのクルミの木』なる小説を読み上げるが、これまた晦渋で難儀な代物。普通の意味で上手いとは言えないエメ・アグネルの朗読はしかし確固たる存在感と物質的な肌理を示し、一語一語がややゆったりと明確に発音されて行く。間に黒味が何回か入り、窓から差し込む光も時間に応じて変化する。声の微妙なかすれや揺れもまた味わいに繋がるその朗読は「魚には水槽は見えない」との文章を読み上げ、マルローのテクストと本作の作品名ゆえここで金魚と水槽は国民と国家の比喩だと察しがつく。然る後にこれまた唐突にルノワールの『ラ・マルセイエーズ』の一場面がそのまま引用されるに至ってその見立ては多分正しいのだろうと思うのだが、齢80を超えてもストローブはやはりストローブで、依然として「大きな物語」と言うか近代の根源にこだわり続けるしつこさがすごい。100歳まで撮り続けてくれ。

※併映
『レナートに』(2015年/8分)
『目下の進捗状況は? ジャン=マリー・ストローブ』(2016年/9分)
後者にはストローブ御大も登場。一瞬カメラを向く際の対象をしかと見据える射抜くような眼光の鋭さ、あくまで真面目な猫との戯れぶりはいかにもストローブ。
2018/1/25
アテネフランセ文化センター
併映
『レナートに』2015
『目下の進捗状況は? ジャン=マリー・ストローブ』2016
hiromi

hiromiの感想・評価

4.0
水槽を映すカメラ位置の正しさよ。後日観たリュミエールの金魚との繋がり。