Citizen Ruth(原題)の作品情報・感想・評価

「Citizen Ruth(原題)」に投稿された感想・評価

tetsu

tetsuの感想・評価

4.8
京都みなみ会館の"ルーキー映画祭"にて観賞。

シンナー中毒でお酒が大好きのダメダメ女性・ルース。
何度も逮捕され、指導を受けてきた彼女だったが、その癖が治る気配は一向にない。
ある日、妊娠をしてしまった彼女は中絶を決意するが、ひょんなことから国家内の"中絶反対派" "中絶擁護派"の争いに巻き込まれてしまい...。

ルーキー映画祭、一旦の大トリ。
野球で言うなら9回裏ともいうべきタイミングでしたが、これは、まさかまさかの満塁ホームランでした!
(野球のルールはよく分からないけど、一回言ってみたかった。笑)
マジでこれは、これまで観たアメリカンコメディ映画の中でも、余裕でベストに入る傑作でしたよ!

恋人とヤってる主人公が部屋を追い出され、テレビを投げつけられるという衝撃的なオープニングで始まり、とにかく最初から最後まで全速力で突っ走る主人公の勢い。
タイル用密封材やシンナー入りの塗料をみつけるたびに吸入しちゃったり、お酒をみつけたらゴクリと飲み終えてしまったり、内容はいかにも アメリカのブラックコメディ という感じですが、魅力的な彼女によってドンドン進んでいく展開が圧倒的で、劇場内でも終始、笑いが絶えなかったです。
(逆に言えば、主人公の好みで好き嫌いが別れる映画とも...。)

ある登場人物の意外すぎる正体とか、主人公の個人的な問題が国を揺るがす大事件に繋がっていくとか、荒唐無稽な展開はコメディ映画として必ずしも珍しいものではないかもしれないのですが、やっぱりシンプルに面白い。

日本では中絶問題について重く扱いがちですが、それをあえてコメディとして描いている点も本作の評価すべき点。
「中絶は人殺しだ。」とか「無責任な行為だ。」とか、反対意見を描くのは簡単だけど、じゃあ、なんで中絶に踏みきらなければならないのかとか。
だいたい、妊娠することのない男性に限って、何を我が物顔で反対意見を唱えているんだとか。
コミカルに描いているようで、社会の理不尽に対する怒りを、皮肉で嘲笑しているような作風が、かなり好みでした。

また、どれだけ周囲に惑わされても、結局は自分の好きなことを選んでしまう主人公の姿には批判意見もあるでしょうが、人間の性だと感じたので、僕は嫌いになれませんでした。

結局のところ、ルースの選択は正しかったのか、果たして彼女はどうなっていくのか、物語の先は観客に委ねられる作品ではありましたが、学校の性教育で重たい映像を見せ続けられる中には、少しぐらい本作を観て、それぞれの立場にたって考える時間があってもいいのではないかなぁと思う、隠れた社会派コメディの傑作でした!!
Taul

Taulの感想・評価

4.0
『市民ルース』(1996)ルーキー映画祭@京都みなみ会館。アレクサンダー・ペインの長編デビュー作。驚きの完成度の風刺コメディ。キャリア中一番笑えるのでは。ホームレス女性の中絶を題材に米田舎市民の妄信性を茶化しまくる。ローラ・ダーンのビッチなリアクション芸を堪能。ラストの切れ味に唸る。
MAENOLI

MAENOLIの感想・評価

3.6
2019 148

中絶ネタのめちゃくちゃ意地悪なコメディ。映画自体はすごくおもしろかったんだけど、ルースがあまりにも無責任過ぎるんだよなあ😅
中絶反対派と賛成派のすったもんだとかは笑っちゃうんだけど、彼女の弟に預けてる子供のこととか考えてしまってあんまり彼女に肩入れできなかった。
茅

茅の感想・評価

-
大笑いできるのに社会派の、最高の映画だぜ。主人公が戯画的なのにリアル、魅力たっぷり。ラストもスカッとする。

このレビューはネタバレを含みます

やっぱコメディ映画って苦手なのかはいっていきにくいな。。。中身は結構ブラックな感じだったけど。
この映画主役がちゃんと映えていてよかった。こういう問題になるとついつい当事者の気持ちより問題についての自分の考えを押し付けがち。彼女の生きてきた環境なんかも考えたうえで答えを出したほうがいいよな。
結局何が大事であの賛成派と反対派は行動してたのかと疑問を感じた。あの2組のどちらにもルースの気持ちについて質問する人はいなかった。自分たちの正義のために彼女を利用しているようでなんだか気持ち悪い。あのまま金を受け取ったとしても彼女は子供のためには使わないだろう。子供が苦しい環境で育つのは薄々感じられる。その時あの2組のどちらかがその子供を救ってくれるとは思えないな…。てか片方は反対派か。
最後ルースはお金を持って逃げて行っちゃうけどあの時代のアメリカの背景もわからないし何とも言えない。
京都みなみ会館にて。グッチーズフリースクールさんのルーキー映画祭。終わり方、いいねえ。笑えるような話じゃないのかもしれないけど(妊娠中の行いとか女が全部背負わなきゃいけないような構造とかさ)、滑稽で滑稽で。人間、みんな愛おしいぜ。まあこの笑いの感じは好きだ。ネブラスカふたつの心をつなぐ旅?は吉祥寺で見た記憶がある。(母と見て、父と兄が一緒に見ればいいのに、と話した。)
TsutomuZ

TsutomuZの感想・評価

3.7
ローラ・ダーンの困り顔、眉間にシワをここまで魅力的に描くアレクサンダー・ペインの初監督作品。

手術当日の朝の出血はどっちなのだろうか?
私はてっきりダメだったほうと解釈したので、ラストの逃亡にスカッとできなかった。