主人公の屋敷で度々使われる鏡。
死者を見つめることで反射してくるのは、結局は見つめている自分の鏡像。
鏡の中で動くその像は紛れもなく生きている証拠。
死者は見つめられてはいない。
再生したあの場所で…
再見。私的トリュフォーのベスト。
人間が他者に対して一方的であることの極限には、死者たちとの関係があるのかもしれない。死者たちに対して生者はつねにこの一方的であることから逃れることはできないとして…
「ロウソクの三部作」最終作。イギリスの作家ヘンリー・ジェイムズの小説を下敷きとしたトリュフォーの中ではマイナーな作品。
若くして最愛の妻ジュリーを失い、以後40代になった今も独身を続け、…
これもある種のPTSDであろうか。死者への執着がいきすぎる男はマイ祭壇を作ってしまうのであるが最も愛した嫁と最も憎ったらしいおっさんを一緒に合祀する事が解せず、可愛い現世女子(このナタリー・バイは田…
>>続きを読むフランソワ・トリュフォー監督作品。
ネストール・アルメンドロス撮影。
1928年フランス東部の小さな町。フランソワ・トリュフォー演じるジュリアンは、新婚早々に亡くなった妻ジュリーに愛情を抱き続け、家…
これを観て真っ先に思い出したのが只今絶賛開催中のクリスチャン・ボルタンスキー展で見たモニュメントシリーズだったりするわけで。ボルタンスキーが不特定多数の見知らぬ人々の「不在」を表現する事により、その…
>>続きを読む若くして亡くした妻や戦友のことを片時も忘れることができない中年の男をトリュフォー自らが演じる。小さな新聞社で死亡欄を担当するジュリアンは妻の遺品の保管と戦死した友人たちへの追悼のため、廃虚となってい…
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