女の中にいる他人の作品情報・感想・評価

「女の中にいる他人」に投稿された感想・評価

この映画、3年ぶりに観た。(前回観たのは池袋・新文芸坐での成瀬監督特集)
やっぱり面白い。素晴らし過ぎて、ぞくぞくする。

映画館で観た時は、冒頭テロップをじっくりとは見れなかったが、この映画、「エドワード・アタイヤ原作『細い線』(早川書房刊)」とのこと。
今回は、これを頭に入れて観たら、小林桂樹が「僕は、日常と非日常の『細い線』を超えてしまったんだ!」というセリフの持つ意味が重要であることを認識できた。

映像処理も素晴らしく、相変わらず新珠三千代の怖さが凄い!

また、成瀬巳喜男監督らしからぬ点としては、お金の話が無いこと(笑)

更にDVDには「予告編が収録されていて、本編に無いシーン」が予告編にはある。
吊り橋での夫婦の会話など。

何度観ても良い傑作。

<映倫No.14043>
あらき

あらきの感想・評価

4.5
なんて禍々しい
成瀬巳喜男のフィルムノワール
人間の懊悩撮らせたらピカイチだな
音楽がメロドラマらしくてよかった。新珠三千代のはっと息を呑むほどの美しさ。
にしてもさぁ~、ベッドでランニングってどうなの……愚鈍とか情けないとか通り越して、もはやキモいの域ですよ!
あなたの中にいるわたしは、わたしの中にいるわたしではないし
わたしの中にいるあなたも、あなたの中にいるあなたではないかもしれない。

家内や親友でさえ、その人の中にある像で自分を語り、自分の犯した罪さえも許そうとする。
この主人公にとっては犯した罪自体よりもそのことが苦しくてたまらなかった。

と、ラストまでは見ていましたが、、、
新珠三千代、まさかのラストでのタイトル回収しにきて唖然。

「この人がそんなことするわけない」
しかし人間、置かれた状況によっては
全く他人のようなその人が現れる。
ネット

ネットの感想・評価

4.0
手堅い。
自己罰映画。その感覚が痛いくらいにわかる。増幅する自己嫌悪が自分を蝕んで行き、誰かと共有したら楽になるような気もするが、しかしそれは、自分が背負う地獄を相手にも一緒に背負ってもらうことであり、そんな酷なことはしたくない…けど話しちゃうんだよな。そんで自分はもっと痛い目にあう、と。
理解されない地獄を背負い続けること。
みんな無関心すぎやしないかね?
会話を遮る音。電話ベル、チャイム。
ダメ男っぷりは軽め。
闇=秘密の共有を果たしたものは「細い線」も共有することになる。
川辺のデートが良い…そしてトンネル!
なんとまあくだらない真相。そして、そのクソくだらない罪を背負って生き続ける地獄への道連れ。
SH

SHの感想・評価

4.0
やっぱ好きです成瀬映画。
サスペンス。といってもトリックどーのというお話ではないです。
人間の話。
ほし

ほしの感想・評価

5.0
「一家の団欒に加わることのできない小林は、ただ一人隅の暗がりでまたしてもキャメラに背を向け、一度電灯のスイッチを入れるが思いなおしてすぐに切り、決して家族と同じ光を浴びようとしない。「事件」があった、といいかけてあわてて「事故」があったといいなおす小林は手前の暗がりで煙草に火をつけ、それを聞いた新珠は奥のあかるみから手前の暗がりへと入ってくる。煙草を吹かす小林が逆光でかろうじて浮かび上がるのに対し、ここで新珠の顔はほとんど陰に塗りつぶされてしまうが、この瞬間、起こったことがなんであったにせよ、新珠三千代はすでにして夫の共犯者へと変貌しているのだ。」(藤井仁子「シネマの中にいる他人ー最後から三番目の成瀬巳喜男」)
Toku

Tokuの感想・評価

4.1
嫉妬心は怖い。平和に暮らしていた人を殺人者にする。誰もが殺人者になる可能性があるというスリラー映画。
324

324の感想・評価

4.0
サスペンスなのに転々とせずとも緩めのテンションが張りっぱなしで成立している。すごい。これもまた俳優陣が皆良い。特に数カットで充分過ぎる説得力を放つ若林映子の悪魔的魅力。
初めのバーからカメラがかなりいい。ただ台詞と演技がかったるい。けものみちの福沢康道。
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