女の中にいる他人の作品情報・感想・評価

「女の中にいる他人」に投稿された感想・評価

門田

門田の感想・評価

5.0
傑作、先日「女が階段を上る時」で成瀬作品におけるノワール事象について少し触れたが、これは本格的に系統づけて観るべきかもしれない。
成瀬監督のサスペンス映画と期待して観たが、やや平坦な仕上がり。しかし昭和の生活感が彼是と楽しめ、新珠三千代さんの妖精のような可愛らしさが華があって結果として観てよかった。後半の花火が始まった頃からが見頃でした。
mat9215

mat9215の感想・評価

3.0
小林桂樹と新珠三千代の夫婦は、まるで『江分利満氏の優雅な生活』の後日譚。モノクロならではの黒の深さが際立っていて、闇に沈む背景、顔にかかる影、逆光で黒く沈む表情など、繊細な光の表現に見とれるばかり。1960年代後半は一般映画のモノクロ作品が激減する時期で、鈴木清順の『けんかえれじい』や『殺しの烙印』、岡本喜八の『殺人狂時代』などのモノクロ作品が輝きを放っています。
成瀬では異色ながらトップクラスに好き。
冒頭の夜の雨からもう感激する心理空間。
ミステリーというべきか、サスペンスというべきか。
ガッツリと組まれたセットと抜群の照明による陰影と。
落ち着いたカメラワークで画作りは完璧。
その中でじっくりと物語を見せていく。

「殺人」という出来事から、いわゆる平坦な喜怒哀楽は描かれない。
感情があるのか、ないのか、ひとまず他人事のような出来事に。
まずは当事者である小林桂樹が壊れだす。

まるで、ヒビ、のように少しずつ少しずつ壊れていき、妻の新珠三千代が乱れ始める。
告白された三橋達也も。
許しという十字架を与えるが故に、小林桂樹は完全に参ってしまう。

からの新珠三千代による伏線の回収。
そして、ナレーションによるラスト。
誰にも打ち明けない心の中を語るが…嘘つけ!おめぇ、墓場まで持って行けるだろ?

っていう後味の悪いラスト。
女の中にはいつも現実とは違う、他人がいる。
そうさせている男の弱さと不始末か、そもそも女が性悪なのか。
そこに答えはないけど。
恐ろしい。
新珠三千代最高ですね。ただ、話自体はわりといらついてしまいました。
jack

jackの感想・評価

-
おもしろいことには違いないが、始終良心の呵責に苦しむ小林桂樹の表情が出てきて重苦しい。
初見は、2014年9月19日、池袋・新文芸坐。
新珠三千代の名演が光る成瀬巳喜男監督の大傑作!

この映画、3年ぶりに観た。(前回観たのは池袋・新文芸坐での成瀬監督特集)
やっぱり面白い。素晴らし過ぎて、ぞくぞくする。

映画館で観た時は、冒頭テロップをじっくりとは見れなかったが、この映画、「エドワード・アタイヤ原作『細い線』(早川書房刊)」とのこと。
今回は、これを頭に入れて観たら、小林桂樹が「僕は、日常と非日常の『細い線』を超えてしまったんだ!」というセリフの持つ意味が重要であることを認識できた。

映像処理も素晴らしく、相変わらず新珠三千代の怖さが凄い!

また、成瀬巳喜男監督らしからぬ点としては、お金の話が無いこと(笑)

更にDVDには「予告編が収録されていて、本編に無いシーン」が予告編にはある。
吊り橋での夫婦の会話など。

何度観ても良い傑作。

<映倫No.14043>
あらき

あらきの感想・評価

4.5
なんて禍々しい
成瀬巳喜男のフィルムノワール
人間の懊悩撮らせたらピカイチだな
音楽がメロドラマらしくてよかった。新珠三千代のはっと息を呑むほどの美しさ。
にしてもさぁ~、ベッドでランニングってどうなの……愚鈍とか情けないとか通り越して、もはやキモいの域ですよ!
>|