トリュフォー自らが俳優として主演しているのでたっぷりと彼を眺める事ができるのだから、それだけでも嬉しい
ところが、始まってみると死者との愛、裏切りと一風変わったテーマが語られているのでした。
ト…
死者に対する想いが強すぎるトリュフォーの映画。
基本的な場面の作り方とかは普遍的だったけれども、アルメンドロスの長回しが良い具合に効いたシーンも多く、死者を悼む場面では全て異常な程に厳粛さが感じら…
このレビューはネタバレを含みます
改築した礼拝堂のシーンは息を呑むほどに美しかった。写真に反射するロウソクの光が、2人が通る度に影に遮られるのは、生と死の境目を記しているようでもあった。
ラストシーン、彼は彼女の愛する人になれたのだ…
至高の愛とはこのことか。ここまで全て「愛」をテーマに様々な角度から描いて見せたトリュフォーの行き着いた、一種の到達点のような究極の愛があった。
一貫して突き詰め自身の全てをかけて貫き通し、映画的な劇…
崇敬するIホール初代総支配人様㉑
本作品の初鑑賞も40年近く前。
きちんと内容を理解できる年齢ではなかった。
年月は流れ、他の作品や自身の体験から観る方向によって全く形が異なる立体化されたいびつ…
第一次世界大戦から10年後。愛する妻や多くの友人を亡くし、生きている者を愛せず思い出の中に閉じこもってしまっているトリュフォー演じる主人公。死者を忘れずに思い続けることも大切だけど、自分が今生きて…
>>続きを読む“緑色の部屋”とは、若くして死んだ奥さんの遺品や肖像の飾られた部屋。死者との思い出の部屋。
それだけでは飽き足らず、礼拝堂を作り自分の愛した人たちを祀り、どんどん閉じ込もってしまう…
最後まで男の業…
死者を忘れず、自分の人生を忘れてしまったら、ちょっと辛過ぎる。
全体を通して感じる気配が、死を扱っているのに、不穏ではなくて、どこか甘い感じがする。
この雰囲気は嫌いじゃない。
危険な事なのかもし…