コロンビアと言えばコカインの産地、世界最大の売春宿、みたいなイメージがあると同時に、美女の多い国とも言われるらしい。特にムラートと呼ばれる白人と黒人の混血は容姿端麗な方が多いことで有名。
さて、そんな国で作られた風変わりなショートフィルム。
「ティファニーと朝食を」なんて人を食ったタイトルのせいで、オードリーヘプバーンと間違ってレビューしている人も多く、そのためフィルマのスコアも高めになっている気もするけれど、内容はともかく短編としての映像の面白さは確かに手堅い感じがした。前半、眠る彼女を起こさぬよう朝食を作ってあげる主人公の健気さはとても気持ちの良いものだ。
それだけに、後半のネタバラシ、そしてハッピーエンド風の結末にはなんとも複雑な気持ちになる。こういうお話でしたねん、というブラックコメディなのか、それとも現実こんなですよ、という社会風刺なのか。どちらでもお好きにお楽しみください、というシャレの効いたエンタメなのか。
彼女の言動が最初から最後までフワフワして掴みどころがない、というか、つかまえさせてくれない。最後に聞こえるように窓を開け声を張って伝えたセリフは真実の愛か、それとも巧みな商売か。
なんともイヂワルな映画だな。
(ショートフィルムスコア 3.2)