いぬむこいりの作品情報・感想・評価

いぬむこいり2016年製作の映画)

上映日:2017年05月13日

製作国:

上映時間:245分

3.1

あらすじ

「いぬむこいり」に投稿された感想・評価

Marrikuri

Marrikuriの感想・評価

2.0
よほど暇な人以外はこれ観るべきじゃない。
アテ書き作品としては成功してる方。「監督が有森也実さんに演じさせたかったもの」と「有森さんが演じたかったもの」と「観客が有森さんに期待してたもの」がほぼ一致だから。
彼女自身が推してる第3章が良。キャラ的にも性的にもやっと弾けて映像美も高まって。でも、それ以外の章(1・2・4)は要らなくない?
つまんないんだもん! 脚本書いた人の、いわゆる初期衝動がたぶん小粒で低級(反知性的)だからね。そのわりに、匠気(大作みたいなもので驚かそうっていう野心)プンプン。
これは褒めになる? 途中で私アクビ一回も出なかった。怒りも呆れもせず最後まで観れたよ。選挙ネタや内戦ネタに洞察を織り交ぜていくために必要な知性愛(例えばリベラリズムのようなもの)がそもそも希薄なぶん、ストーリーはわかりやすいんだ。

有森さんと準主役の武藤昭平さん以外の俳優は、意欲的じゃなかったっぽい。柄本明さんは不機嫌顔つくるばかりの省力演技だし、緑魔子さんはもろに体力落ちてる感じ。眼帯の女子は若いくせに蹴りや銃構えのスピードがなさすぎた。
そんななのに、全員もれなく(片嶋監督をきっと筆頭に)「いいのを作り上げたぞ~~」の達成感で画面満たしてる感強いんですけど(笑)。
監督と有森さんの二人にチョイまじめに訊きたい。「こんなのがもしも人生最後の映画だったら、納得・満足・自画自賛できる?」


ところで、邦画の最高傑作『パイパティローマ』(1994年 中江裕司監督・プリンセスプリンセスの今野登茂子さん主演)の悪いパロディーが本作だ。「自分を捨てた男を捜し回る」が「理念の上での宝探し」に変わった。テーマごと漠然化?
類似点は───
❶オーラもバストもないもののまあまあ美人な方である女優を“冴えなさを持ったヒロイン”として起用
❷南国に“固有の目的”に導かれて乗り込んでゆく彼女が島から島へと移りつつ、いろんなモノゴト(特に男たち)に翻弄されるも(エッチなチョッカイ受けをふくめて)体当たり的にガンバりつづける
❸丼の麺をすする正面バストショット長め
❹お面かぶった男の過度な勇躍
❺三角関係で女二人の掴み合い喧嘩
❻ピストル
❼島の子供たちとの交流
❽島の巫女的な人との遭遇

それと、同じ沖縄映画『ウンタマギルー』(1989年 高嶺剛監督)のテイストも。
❶異種間セックス
❷ハダカ
❸ゲリラ戦。撃ち合い

こんなふうにさんざん沖縄を意識してるくせに、、、、沖縄じゃなく鹿児島県内を低俗劇の主舞台にすることで、沖縄県が日米両政府によって持たされてる不幸な“今日性“からこの映画は目を逸らしきってる。
まったくもって今の日本人に必要なストーリーのわけない『いぬむこいり』は、90年代的発想が主のようだからかスマホとかは全然出てこない。「イモレ島」について知りたかったらまずネット検索しろよ~とツッコミたかった前半、2章になっても3章に入っても「え、まだイモレ島に着いてないの?」とたかがイモレで引っぱることへの疑義あった。

むりやりまとめれば、“有森さんを嫌いにはならない映画”と言ってあげられるだけかな、やっぱり。
神からの啓示を受け、自分にとっての宝物を探す女性の姿を追う、全4章構成で4時間超えの物語。

ダメ女教師の主人公(有森也実)が神のお告げで仕事を辞めて、自分探しの旅をするために南の島へ行くプロットは、シニカルな風刺やコミカルとエロスが入り乱れる現代的絵巻物で、アートに特化しなく、人間味や人間模様をカオスに描写した世界感に好感。

低予算でチープな演出や造形と作風のコミカルさが意外と調和しており、煩悶と挫折を繰り返しながらも進んでいく。特に2章終盤からのロケーションの背景の凄さに感心させられる。

1章の東京での日常を捨てて猪突猛進する展開は短くてよく、非日常が訪れる前触れに。2章の島の選挙闘争が冗長に思えていたが、後に監督の描こうとする世界が理解し、その長さに納得する。
3章の無人島で緻密に考え抜かれた自然のロケーションを背景に身も心も解放されて直情径行していく模様に作品の熱量が上昇し、4章のイモレ島の戦争でこれまでの虚構と神話が集約する。
大きく分けると前半(1・2章)と後半(3・4章)に分けられるが、1章と3章、2章と4章が対にもなる構成に。

作品を通して生物にとって、食・愛・性交は繋がれているように思え、更に支配することと支配されることの権力構造の闘争が殺すことも含めて繋がっていくことを次第に焙り出していくプロットに唸らされる。

終盤のシーンは冒頭のシーンとリンクして、悪人を嗅ぎ分ける嗅覚の能力が伏線となると思いきや、全く予想外の展開になり理解不能に。

最後や所々で理解できなかったが、監督や役者の熱量が伝わる心地よさと、人間の本能や関係性や関連性を描写したことに考えさせられる。

実写映画が蔓延する映画界での、監督の果敢なチャレンジ精神を賛えたい。
4時間超えとはどんなものか!という興味となんとなくおもしろそうな話だったので鑑賞。いやぁ、長かった。ぶっ飛んでるけどきちんと説明もしてくれておきざりにされることなく観終えることができる親切設計に感謝。ただ、長かった。個人的には4時間のペース配分を三章までで2時間、四章を2時間にして、もうすこしイモレ島にスポットをあててほしかった。
sci

sciの感想・評価

4.3
ところどころ粗さはありつつも、作り手の愛が伝わってきて観ていて気持ち良かったー!

#Filmarks2017
miyabi

miyabiの感想・評価

3.0
4時間は、長い❗昔、観たナポレオンも 確か4時間くらいあった様な。
途中で飽きちゃうんだよね。長いと!

前半が、長すぎて。あれ、選挙必要?
後半は、有森也実が 魅力的で。
無人島に若い男が、3年も独りでいたら、いくら歳上でかなり離れていても、あんな下着姿で 隣で寝ていられたら、変な気持ちになっちゃう❗

沖縄の方なんだろうけど、70年も その島だけで 戦争しているって、かなり 無理があるだろ!しかも、ただの隣組との抗争!
ゲバラだとか ファシズムだとか 共産主義だとか、 かなり 現実とかけ離れてる。
昔話で、先祖代々伝わる物語って、犬が 娘を欲しくて 犬人間って、そして、最後は、ドクターモローの島かよ‼️

このレビューはネタバレを含みます

ともかく、熟女・有森也実がめちゃカワイイ


映画の大切な魅力のひとつに「女優の輝きをフィルムに収めること」がある。
上映時間、4時間5分の『いぬむこいり』、内容はともかく、主演女優・有森也実の魅力が炸裂している点は秀逸だ。

片嶋一貴監督作に、4度目の起用らしい、監督は、よほど惚れているのだろう。
有森也実のカワイイ姿、はずかしめられる姿、いじめられる姿…いろんな有森也実を撮ろうと、あの手この手を使っている。

まず、なにより、49歳・熟女の美しいオールヌード。
犬男との“獣姦”までしてしまう。
背中をのけぞらせ喘ぐ絶頂の姿。
色っぽい「艶技」が堪らない。

小学校では生徒にカンチョーされ、去勢した変態男には中指チ○ポでレイプされそうになる。

市長選挙に出馬すると、その街頭演説を、なぜかビデオカメラで体を舐め回すように接写する。
本筋とまったく関係ない、異質な映像を挿入してしまうあたりに、監督の変質者ぶりを感じ、好感を持ってしまうw

そして、低予算映画なのに、有森也実の衣装は、たくさん用意されており、コロコロよく着替える。

街頭演説の、ピンクの水玉ワンピース、ポニーテールに巨大なリボン。
ランニングの汗がしたたるスポーツウェア。
よく似合う、まとめ髪の浴衣姿。
雨がっぱで雨に打たれ、ワンピースやTシャツの胸のラインが強調される。

どのシーンにも、フェティッシュな視線の欲望が写し込まれている。

最終的には、半人半獣の赤ん坊を産ませるのだから、監督は本当に変態である。
(↑すべてホメ言葉)


このままでは、有森也実は、監督の妄想の対象にされているだけのようである…。

いやいや、彼女のコメディエンヌとしての才能に刮目すべきだ。
間のぬけたキャラクターの主人公が、周囲からヒドい目に合い、沖之大島の三線屋に流れ着くまでの序盤。
彼女のコメディエンヌとしての表情の魅せ方が、映画の「スタイル」と「テンポ」を作り出している。
(それゆえ、彼女の登場シーンが減ると、一気に映画が弛緩し始めるのだが…)

そして、その後の、気合いの入った一糸まとわぬ見事な「脱ぎっぷり」には、ただただ、敬意と感謝を送るのみ。

柄本明、石橋蓮司、ベンガルなど、大ベテランの豪華俳優陣の「いつもの役割」も、もちろん楽しいが、有森也実の持つ「素材」と「演技」の力は、もっと賞賛されるべきであろう。

____

音楽について、ラヴェル『ボレロ』が、何度も何度も使われる。

この曲は、園子温『愛のむきだし』でも、重要な音楽として使われている。
同じ長時間の邦画であり、作品のコメディ感・ヘンタイ感・トンデモ感が似ているため、どうしても印象がかぶってしまう。

しかし、この曲が、映画のコメディ感を強め、ストーリーが飛躍するシーンに、ピッタリな効果をだすのは不思議なものだ。

____

「千年のカオス、解き放たれん。」という大仰なキャッチコピーに、4時間超、4章構成。
思いきり大きく振りかぶった作品だが、あきらかに低予算まる出しな映像のルック。

アート映画ファンとしては、こういう作品は、やっぱり気になって観てしまう。

でも、さすがに、「上映時間、もっと短く出来るだろ〜」というのが本音だ。
4時間も必要な「内容の密度」や「語り口」とは思えないからだ。
(『愛のむきだし』と比べると解りやすい)

早いテンポでカットを繋いでいた冒頭の1章は、小気味良いコメディとして楽しく、期待が高まったのだが…。
2章以降、湾岸のクレーンをなめるようにパーン撮影する意味不明なカットなど、無駄な時間が増えていく。
往年のヒット作『流されて…』のような3章は、無駄な人物移動カットなどは出来るだけ省略し、「無人島漂着もの」として、男女関係が微妙に距離を縮めていく、まったりとした描写に、時間を割くべきだろう。

無用な会話や移動のカットを省き、さらに、各カットも短く編集すれば、半分の2時間にすることさえ可能ではないか?

_____

犬のかぶりものや、犬人間の赤ん坊など、現代の映画では、さすがにチープに感じてしまう点は、数えきれないほどある。
しかし、とにかく低予算で、ここまで頑張っているのだと思うと、それはキュートな点でもあり、とうてい否定はできない。


73才、緑魔子の網タイツとハイレグの尻まで拝める、ホントすごい。
あーる

あーるの感想・評価

3.5
一夜限り凱旋上映&舞台挨拶

観終わって、凄いものを目撃してしまったような(笑)そんな説明のつかない映画。まさしく伝説。

柄本明さんと石橋蓮司さんの安定の凄さと、勝手の武藤さんが武藤さんじゃなくアキラだったこと。江口のりこさんの徹底ぶり、そしてなんといっても有森也実さんの存在。他にもPANTAさんや緑魔子さんの濃すぎるキャラと設定…

カオスな世界と不思議な現象の中に迷い込んだ気分、でも、もう一度観たいと思った。
丘

丘の感想・評価

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2017.6.5、第1・2章観賞。2017.6.12、第3・4章観賞。
4時間超えの超大作。

前半は石橋蓮司と柄本明の芸達者無双、後半は有森也実と武藤昭平(プラス犬男)オンステージで、飽きません。

監督キャストらの舞台挨拶で「こういうわかりやすくない作品があってもいいんじゃないか?」という話もありましたが、そんなに難解でもなく、同じ映画館で上映されているキム・ギドク監督の「STOP」なんかと近い話だと思いました。さらに言えば、PANTAさんが「これはエピソードゼロで...」とSW喩えをされていましたが、民間伝承を元に話を構成したという点ですでに「神話的」というかそもそも神話の映画化で、実はわかりやすいのではと。
個人的なあたり映画って、芝居やってなかったあたらしい俳優と出会う映画で、この映画でいえばミュージシャンの武藤昭平。やー、ペテン師の純愛。根拠のない父性。色っぽい人だった。

そういえば、つい映画に何かを求めている気がする。何かを求めて、何かを得られることを楽しみに、映画を観ていた。新しい考え方、新しい関係性、新しい世界。でも、それは、あらかじめ求めるものじゃなく、出会ってしまうものなんだよな。
この映画をみてると、お前は映画ごときに何を教わろうとしているんだ。何を得ようとしているんだ。教訓どころか意味もあるか!といわれてるみたいで、みてる間、4時間きっちりおもしろかったが、終わったら、そういや(武藤昭平以外)なんにも残ってなかった。

それでも、反芻してみれば、おじさん、おばさん、おじいちゃん、おばあちゃん怪俳優たちによるスーパー老人映画になりそうなところ、まるで学生映画みたいに瑞々しい。
実際、後半はほんとに学生映画みたいで辛いといえばつらかったのだけど、ヒロイン有森也実のおおらかさというか生々しさ、たくましさに惹かれて、もう何がきてもいいよって気で観ていたな。
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