いやぁ、よかった溝口健二。ネオン輝く街にて売春で食べていく娘たち。
オープニングの不気味な音楽がなんとも印象的。不快音を並べたあの曲が、華やかな吉原と素朴な夫婦生活やど田舎との間を行き来している。…
吉原の遊郭「夢の里」。そこに生きる女性たちは、単なる被害者としてではなく、それぞれの欲望と希望、傷と戦略を持った個人として描かれる。
溝口の視線は決して彼女たちを断罪も美化もせず、ただ凝視する。
そ…
母を拒絶する息子、父を拒絶する娘、男を拒絶する女。母であること、娼婦であること、女は所詮、社会的役割や関係性のなかでしか生きられない弱い生き物。なかでも特に母親が弱いのは、彼女が母であり女であるとい…
>>続きを読む幸せの形は似たり寄ったりで、不幸の形は千差万別だというが、この映画には本当にさまざまな境遇の女性たちが描かれている。なぜ彼女たちは春を売らねばならなかったのか。その背景や社会的構造に、彼女たちの日常…
>>続きを読む©KADOKAWA1956