希望のかなたのネタバレレビュー・内容・結末

希望のかなた2017年製作の映画)

Toivon tuolla puolen/The Other Side of Hope

上映日:2017年12月02日

製作国:

上映時間:98分

3.9

あらすじ

「希望のかなた」に投稿されたネタバレ・内容・結末

記録_20210615

希望にもいろんな側面・見方がある。

主軸のふたり、ヴィクストロムさんとカーリドがさくっと出会って、そこからドラマが生まれるのかな?と思ったけど、出会うまでが長かった!
始めにすれ違うだけでそこから一時間、各々の物語。けど、ここで各人の割りと鬱々した状況がとても丁寧に描かれてた暗いパートがあったから、ラスト30分の明るいパートが際立ったと思う。

出会ってからは冗談とか笑いの場面も多く挟まれるようになって観てる気持ち的にも明るくなってきて、カーリドと妹も再会して、ヴィクストロムさんも元奥さんと仲直りして、タイトルどおり希望が見えてきてやった~!

と思ったら、カーリドがフィンランド解放軍を名乗る男に刺されて…。
カーリドが最後に微笑んでいたけど、、、友達に言われたように明るく見せていただけなのかな。決して悲しいだけのエンディングではなかったと思いたい。

画がとてもすてき(すき)。感情や状況に応じた光と影の使い方とか…。物語的にも画的にも明暗がいい味だしてた。
(方向を見失った寿司レストランが失敗に終わったあとにおじさんが独りで酒をあおるシーンとか最高の画だった。)
偽装身分証作成の会話、わんちゃんの改宗ネタ、日本ネタ(エキストラが本物の日本人…?!)に笑った。
BGMがなくて単調だけど、過度なドラマチックさを演出してなくてそれがいい。そして切り替えの挿入歌が素敵。

英題がthe other side of hope.
これに希望の"かなた"って邦題あてたのが個人的にすき。
(かなた: goo辞書より
[代]遠称の指示代名詞。
1 話し手・聞き手の双方から離れた場所・方向をさす。また、現在から遠く離れた過去・未来を示す。あちら。あっち。「彼方の山」「忘却の彼方」
2 ある物に隔てられて見えない場所・側などをさす。向こうがわ。「山の彼方」「海の彼方の国」)
みんな笑わないから独特だった笑
お寿司のわさび!😂😂

「この犬賢い。少し話したら仏教からムスリムに変えるっていってた」とかかなり爆笑したんだけどなんで笑わんのよ!笑

おじさん優しいよ
いいな、すごく
淡々としているようで深い絆と思いやりがあってとても信じられる

難民のことは度々ニュースで目にするけど、警察はともかく、その土地に住む人たちが一番関心を持っていかないとなと当たり前のことを再認識させられる

スシ×銅鑼は何十年前の感覚なのよ笑
難民収容施設で知り合ったマズダックとカーリドがバーで飲んだあとにタバコをふかしながら語り合うシーン。イラク出身のマズダックは1年も施設で身動きが取れないままで発狂しそうだとこぼすが、そんな状況とは裏腹に満足しているように装っていると言う。その理由をカーリドが問うと、暗い顔をしていると真っ先に強制送還のえじきになるから、と答える。俺もニコニコしていた方がいいかな、とカーリドが訊くと、その方がいい、けれど変なやつだと思われない程度にな、とマズダック。あいまいな返答に対して、笑顔でいればいいのか下を見ていればいいのかわからなくなったカーリドに、そのうちわかるさ、とマズダックが続ける。自分と妹を苦境に追いやった信仰を曲げ(埋葬し)、俯き気味に歩くカーリドに対し、どんなに辛い状況に置かれても信心を捨てずに毅然とした態度で前を向いて歩く妹のミリアム。前者は殴られ蹴られ、あげくの果てには解放軍の過激派に刺されてしまう。妹が難民保護申請のために警察に向かうところを見届けたあと、カーリドは川のほとりの木にもたれかかり、ようやく自分の意志で前を向く。川をはさんだ向こう岸にあったのは、美しい街並みだった。前を向いて歩き続ける者には、未来の象徴としての光あふれる営みの街が見える。カーリドはそのときマズダックとのやりとりを思い出し、笑顔の先に、希望のかなたにあるものは未来であるということに気づいたのではないか。そして、妹の行く末に安堵を覚え、犬に微笑みかけたのではないかと思う。
シリアスなときほどコミカルに。ペーソスにはユーモアを。悪意にはやさしさをぶつける。影ができるということは、必ずそこに光もあるということ。"上を向いて歩こう 涙がこぼれないように"とは、まさにこの映画にあつらえ向きの詞ではないか、と思ってしまった。
重い映画かと思ったがそこまでじゃない。丁度良い尺の中にポリティカルを土台に据えてその上に音楽やコメディや人の繋がりを散りばめている。この素晴らしいバランス。最高だった。

日本では難民という概念が一般的ではないと思う。というか難民受け入れ自体やっているのか疑問に思い調べた。受け入れはしているがその認定率が他国と比較してかなり少なくて驚いた。まあ周りが海に囲まれており鎖国もしていた国であるため他者の受け入れはしにくいのかもしれない。日本では人種差別が少ないなんて言うのは幻想で難民受け入れを他国並にしていたら全然違う状況になっているかもしれない。
さらに日本では内戦というものがない。戦争自体を放棄しており平和な日本が僕は好きだ。しかし世界では内戦がなくならない。この問題に目を向けさせてくれたこの映画に感謝したい。平和ボケと揶揄されるままではいけない。

全編通して印象的だったのは楽器を演奏するシーンが多く、しかも演奏者がみんなカッコいい。音楽(数多あるカルチャーの象徴的なもの)は国民や難民の差別なく全てを受け入れている印象を受けた。特にカーリドが楽器(あれマンドリンかなー)を弾くシーンが素晴らしかった。

カーリドの登場シーンが凄く印象的だった。石炭の中に隠れて不法入国する訳だが、初め僕は爆撃を受けたカーリドが生還したシーンなのかと思っていた。でも実際に内戦の只中では爆撃を受けているわけである。その凄まじさは劇中のテレビに映る報道でも確認できた。あの冒頭のシーンはそんな内戦という瓦礫から這い出してきたメタファーとも考えられるだろう。
カーリドの眼力が凄かった。そして常に堂々としていた。めちゃかっこいい。自分を卑下しない感じ。見習いたい。

ヴィクストロムも素晴らしい人物であるが、カーリドに比べるといまいちやりたいことが視聴者に伝わってこない印象だった
。カーリドが国から逃げた難民であるのに対してヴィクストロムは家庭から逃げたダメ亭主ではなかったのか。レストランを経営してからの彼は聖職者のように素晴らしいのだが、妻との結末も結構ご都合が宜しくてなんだかなーという感じ。結局カーリドに親切にしてくれる役のためのポジション感が否めない。
しかし寿司のシークエンスは本当に秀逸で。ポリティカルな映画に急にコメディ要素がぶち込まれたときのあの感動は筆舌に尽くし難い。あのシーンの面白さって日本人が一番感じ取れるはずなので得した気分。いやでも冷静になると難民受け入れを全然していない日本のネタをぶっこむのはもしかしたら何周か回った皮肉なのかもしれないので馬鹿みたいにはしゃぐのは気をつけたい。でもあのシーンまじ最高!!大好きだ。

この映画の欠点を挙げるならそれは煙草吸いすぎ問題であろう。多少なら全然良い。でもカーリドさん、あなたちょっと吸いすぎてたねー。いや他の人もだけど。

カーリドのラストに関してはそこまで劇的な印象を持たなかった。彼は終始、妹のことだけを心配していた。彼にとって妹のこれからの人生は自分の命よりも大切なものと考えている印象を受けたためあの最後でも胸くそ悪くはならなかった。

とにかく素晴らしい映画だと思う。
『希望のかなた』なら、最後に明るいものが見せてもらえるだろうと勝手に期待していた事に気付いてショックだった。見たいもので世界は出来ていないことを、柔らかく冷たく諭された。最期の至福の表情が忘れられない。
アキ・カウリスマキということで期待していたけど、『ル・アーブルの靴磨き』ほどの感動を得られなかった。綺麗なカットとかがちょいちょい挟まれるのだけど、登場人物との距離を感じてしまった。

日本料理屋にするシーンは完全に監督の趣味だろう 笑
一人ひとりの善意が希望を繋いでいた。

妹さんを運んでくれたトラックの運転手も「お金なんて取れないよ」と言っていたし、見返りを求めていない優しさというか、当たり前の行動みたいな善が温かく優しかったです。

わさびのインパクトが強かったです!
レストランのみんなも好き。
音楽もとても素敵でした。
プライムビデオにあって小躍りしてしまった
序盤はずっと「つら……」ってしょんぼり見ていたけれど
中盤からはじわじわ笑いも交えてくる。じわじわっていうか、前触れなく来るからその都度声出して笑ってしまった、自宅でよかったw

レストランのみんな愛おし……😂🍣🍣🍣
悲劇、皮肉、人情、そして合間に少しずつの笑い。
ふしぎなテンポだけど良いバランス。
好きだなあ

最後をどう捉えるにせよ、彼が笑顔でよかったな……
難民に対するヨーロッパの偏見を打ち砕くことを目指したとする本作。監督特有の描き方でもあるけど、暴力や差別があまりに淡々と起こるがゆえに、かえって現実味が増して伝わってくる。難民認定のあの感じとかもかなりリアルかつ日本でも似たような感じなのかもと思わせる。

主演のシェルワン・ハジさんいわく「特定の場所から来た人物でなく、ある一人の人間として演じたい」ということだけど、彼らが酒を飲んだり、宗派に対する言及だったり、妹ミリアムの格好なんかにそれが現れている。

日本愛のあるシーンは嬉しい。スシバーのあの感じとか、全世界向けのスシギャグのクオリティは日本をよく知るの監督ならではの力加減という感じで笑った。そして監督といえば愛犬がまた健気でいい。

妹ミリアムが、お前もIDを作ってもらえと言われたときに「私は 私よ」と迷わず主張するシーンが印象的だった。世界的な問題を描くときに「一人の人間として」という視点はとても大切と思う。

余裕があるわけでもないのに、困っている人に自然と手を差し伸べる、あるいは温かい食べ物を用意する。そんなキャラクターがよく登場する。愛せざるを得ない。

やっぱりジャガイモは欠かせないんでしょうかね。愛ジャガの国。
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