Limbo(原題)の作品情報・感想・評価

「Limbo(原題)」に投稿された感想・評価

rbitkso

rbitksoの感想・評価

3.5

このレビューはネタバレを含みます

自主的には絶対に観ない映画だなと思った
大学の映画モジュールで鑑賞するように言われ
Saki

Sakiの感想・評価

3.5
最後の演奏シーンがとても良かった。家族の為、故郷の人々の為、そして何より自分の為に一心不乱で奏でるウードの音が心にしみた。
亡命申請の許認可で待ちぼうけを食らう難民の話。
シュールを狙ってる部分がことごとく外れで笑えない。
sonozy

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4.5
荒涼としたスコットランドの離島。
シリア等からの難民が、いつくるのかも分からない亡命申請の認可通知を待ちながら、与えられた最低限の生活環境で暮らしている。

家族と共にシリアからトルコに逃れた後、一人イギリスに亡命しようとやってきた主役のオマール。
既に32ヶ月以上待機中の、フレディ・マーキュリーを崇拝するアフガニスタン出身のヒゲ男ファルハド、兄弟を偽装しているアベディ(ガーナ出身)とワセフ(ナイジェリア出身)らと共に暮らし始める。

村に一つだけある電話ボックスで、故郷に電話する彼ら。
オマールは母に電話し、料理のレシピを聞いたりしているが、シリアで戦っている兄ナビルとの確執が見えてくる。

オマールはシリアでは祖父・父と同様、ウード(リュートに似た弦楽器)の演奏者として活躍していたようで、当地でもケースに入れた祖父譲りのウードを常に持ち歩いているが、弾くような気持ちにはなれない。

ヘルガ(女性)とボリス(男性)による亡命後の生活準備のための講義を受けるメンバーたち。
セクハラ講座や、仕事の面接のやり取り練習など。

一向に来る気配のない郵便を待つ4人の表情・・
特にファルハドのキャラが面白いですが、全編に流れる、エリア・スレイマンの作品に似た可笑しみ・空気感、好きです。

亡命認可を得たとしても、その後、どうなるのか、どうしたいのか…複雑な彼らの心情。

感情を抑え込んだような静かな男オマールの故郷、家族、兄、ウードへの複雑な感情が後半に向けて沁みます。

“Limbo”を調べると
中間状態・どっちつかずの状態/忘却のかなた/拘置状態/天国と地獄の中間の場所
といった意味がある単語ですね。

英国インディペンデント映画賞: ブレイクスルー・プロデューサー賞(Irune Gurtubai)
マカオ国際映画祭: 最優秀作品賞
サン・セバスティアン国際映画祭: Youth Jury Award
カイロ国際映画祭: Golden Pyramid Best Film, FIPRESCI Prize Best FIlm

Amazon Prime US
[自分自身を肯定すること] 80点

カンヌレーベル選出作品。スコットランドの架空の離島で亡命申請が許可されるのを待つ難民たちの姿をオフビートに描いたベン・シャーロックの長編二作目。彼らの暮らしは中々強烈で、平原の中にポツンと立つ一台の公衆電話を囲んでいる冒頭は強烈。皆が知り合いなので並ぶ必要もなく、ずっと一緒なのでそれぞれが近寄る必要もないので、ソーシャルディスタンスを完璧に守った布陣で別々の方向を向きながら電話の順番を待っているのだ。前半は"少し抜けた"感じのスタンスを保っている。少しだけいる地元の人々は彼らと絶妙な距離感を保っており、安い労働力として搾取したり、ステレオタイプ的な見方でシリア人の主人公オマールをなじった後で足として車に乗せてあげたり、有事の際は友人として助けに呼んだりと、閉鎖的な田舎にしては"友好的"に描かれている。ここでいう"友好的"は難民だから問答無用で排斥されたり奴隷のように働かされる状態以外を指しており、その静かな搾取的構造は都市部でも同様のことがいえることを考えると、本筋から邪魔にならない程度にそれを提示している点で優れていると言えるだろう。

中でも亡命申請が通った後のことを想定した英語訓練が強烈な印象を残す。講師を務めるのは恐らく元難民の男女で、"女性の微笑みはセックスへの誘いか?"や"used to"の使い方といった生活面での授業から仕事への電話応募の仕方など実務面まで網羅しているんだが、"used to"の使い方では"I used to be happy before I came here."と生徒から飛んできたり、電話応募の例が"掃除人"であることに一悶着起こったりするのだ。ここに前半同様の"少し抜けた"ドライな距離感と絶妙な間が融合することで、居心地の悪い空間が完成する。そして、それは国にも帰れずイギリス本土にも入れないこの島そのものの存在でもあり、距離感を保ちながらも亡命希望者たちの中に燃える炎のような感情が見え隠れしてくる。私は何をしにここへ来た?と。

映画は数多くいる亡命希望者のうち、主人公オマールを中心にアフガニスタン人のファラハド、ナイジェリア人のワセフ、ガーナ人のアベディの四人に着目する。ファラハドは役に立たなそうで地味に役に立つ物品を寄付センターから貰ってくる技に長けていて、本作品のボケ担当なんだが、本土に入ってやりたいことは"スーツを着てオフィスで働く"という"普通の仕事"なのが悲しい。ワセフとアベディはアフリカから出る船が沈没したときからの仲だが、イギリスに入っても掃除人くらいしか仕事が無いだろうことを受け入れられない。二人の挿話には、危機を前にした人間の脆さを思い知らされる。

そして、オマールにはトルコに避難した両親と、シリアに残った兄ナビルがいて、例の公衆電話で両親と連絡を取り合いながら、ナビルとの話し合いを避け続けている。彼はウード弾きだったため、故郷と唯一繋がるウードを肌見放さず持ち歩いているが、島へ来てからは一度も弾いていない。それは"ここへ来た選択は正しかったのか"という迷いと、"イギリスへ来たからには"というアイデンティティの喪失の二つの意味が掛けられており、彼はそれについて苦悩することになる。それと並行するように、雪が降り始めて景色から色が抜けていく描写が非常に上手い。そして、ひたすらドライだった距離感も、オマールが過去の自分と向き合うことで小さな暖かさが戻ってくるのも上手い。
マカオ国際映画祭にて。


スコットランドの離島に立ち往生状態のシリア難民の物語。

その島は難民や亡命希望者がイギリス政府からの許可待ちの間に滞在する場所っぽい。殺風景な宿、寒々しい景色、この設定から過酷か悲惨な話になったりしないだろうか?と心配したが、意外とコメディタッチ。
過酷な現実ではあるがあたたかい、カウリスマキの映画っぽい。

同じくイギリスを目指してやってきた人たちはフレディーマーキュリーが好きだったり、サッカー選手になりたかったり、悲壮感よりもこの先の希望や楽しみをそれぞれ持ってる。

主人公オマールもおおっぴらには出さないが家族と離ればなれになってしまい結構大変な状態、兄はシリアに戻って戦争に行ったりしてる。

そんな状況のオマールの葛藤が徐々に伝わってくる。自分だけ夢を追うのはどうなのか、家族とバラバラのままでいいのか、戦争に行く兄への罪悪感、シリアを捨ててイギリスにも認められない宙ぶらりんな自分のアイデンティティ…。

移民ドラマを軽いタッチで、悲惨すぎないテイストで描いているのが印象的。

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