希望のかなたの作品情報・感想・評価(ネタバレなし)

「希望のかなた」に投稿された感想・評価

方眼

方眼の感想・評価

4.1
2017年”Toivon tuolla puolen”。フィンランド。シリア・アレッポからの難民カーリドが、ポーカーで大金を得てレストランオーナーになったヴィクストロムの店にかくまわれる。世界で二人きりになった、シリアの炭治郎と禰豆子の話。難民事務所でタバコをもらい、レストランで食事をもらい、オーナーに金をもらい、ネオナチに欲しくないものまでもらう。アレッポが破壊されていても、難民申請は通らない。犬と同じように保護する人たち、無表情だが心は温かい。寿司のくだり、これはずるいわー、観てるこっちのツッコミ待ち。篠原敏武さんのナゾ演歌。要所で渋いおっさんの演奏、カーリドもちょっと演奏するシーンあり映画的。
po

poの感想・評価

4.2
メランコリックユーモアという言葉があったらそんな感じ!
個性的な人たちがみんなゆるやかに助け合ってて今まさしく必要な共助の形だ〜と思った
妹さんが助けに感謝しながらもお兄さんと離れて自分の道を貫くのが格好よかった、必ずしもその人のそばにいることだけが恩返しじゃないものね
アンドワンチャンが良い味を出していた!
シリア難民の過酷な逃避行、難民申請の難しさを興味深く観た。
救いの神がいる反面、付き纏う差別と暴力が嘆かわしい。
妹の幸せを願う利他的な兄。兄妹の行く末を案じずにいられない。

ワサビのてんこ盛りには笑う。
サーフ

サーフの感想・評価

4.1
「希望のかなた」というタイトルの通り、レストランを経営しようとするフィンランド人と内戦から逃れてきたシリア人、2人の持つ希望の先を描いた作品。

現地の「右に重心を置いた人」が持つ難民に対するヘイト感情や彼らが置かれている現状を鑑みずに難民かどうかを裁量する現状など国が抱える難民問題に対して切り込みつつ、さり気なく挿入された笑いが非常に心地よい。
題材は社会派だが、そう感じさせないのはやはりこの独特な空気感によるもの。

寿司の下りは普通にコメディ映画として面白い。ありえない程のワサビの量やシュールストレミング寿司。
書店のショーウィンドウに明らかに紀伊国屋書店のブックカバーがかかったままの文庫本があるのもちょっとツボ。
見せ場がないから、たぶん一作98分通して全て見せ場なんだね。ラストに希望があったかは疑問だな、、、。劇を見てる気分になれた
Ryoma

Ryomaの感想・評価

3.7
アキ・カウリスマキ監督。よく耳にするけど今回が初鑑賞。『花束みたいな恋をした』の麦(菅田将暉)と絹(有村架純)のウォッチリストに含まれていたことから興味が湧いた。『花束…』まだ観てないけど笑。被写体の撮り方や会話の間などが独特だなあと感じた。流行りに左右されず、自己流を貫いて制作に携わっているんだとそういう気がした。
難民問題が顕在しているまさに今観るべきだと思った。亡命先の国でもなかなか理解されないことが多々あるし、現地で暮らすことが許されず追放されることもあるんだなあ。少しでも理解してくれて手を差し伸べようとする姿勢が大事だと感じた。
ちくわ

ちくわの感想・評価

3.2
久々のアキカウリスマキ

派手な物語展開はないけれど、どこか引き込まれる映画です。
フィンランドの人たちの優しさといったらスッと懐に入ってきますね。
いい人たちだ。

個人的には犬絡みのシーンが好き
静かな映画だったな。大変で過酷な状況だけどユーモアの感じや衣装やセットが綺麗だったり優しい人もいたりでそのまま終わっていくのかと思ったらハゲ野郎伏線回収すな
シュールな笑いが笑えない

コメディ路線に行きたいのかシリアスな問題として訴えたいのかどっちつかずの中途半端なもやもや感が残る後味の悪さ。シリア人の青年以外の人物背景が全く見えてこないのでまるで感情移入できない。
故郷シリアで起こった内戦で家族を失い、逃げ延びたフィンランドのヘルシンキで難民申請を行った青年カーリド。生き別れとなった妹との再会とフィンランドでの生活を願うも申請不認定となり当局やネオナチから追われる彼が、妻と別居して脱サラでレストラン経営を始めたヴィクストロムと出会って匿われる様を描いたコメディ映画です。

2002年公開の『過去のない男』で、共にフィンランド映画では初となるカンヌ国際映画祭でのグランプリ受賞とアカデミー賞外国語映画賞へのノミネートを果たしたベテラン監督アキ・カウリスマキが監督引退前のラストとして作り上げた作品で、持ち味のユーモアが評価されてベルリン国際映画祭で銀熊賞を獲得する有終の美を飾りました。

2015年にピークを迎えたヨーロッパの難民危機を受けて制作された作品ですが、あからさまな説教臭さは皆無で、物語は決して派手ではないささやかなものながら確かに希望を描いていて、そのかなたでは監督らしいバカバカしいユーモアを巧みに入れ込んでいて笑わせます。さりげない他人への思いやりが心を温かくするキュートな一作です。
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