小さな橋での作品情報・感想・評価

小さな橋で2017年製作の映画)

上映日:2017年11月18日

製作国:

上映時間:95分

あらすじ

父・民蔵が姿を消してから4年、十歳の少年・広次は母・おまき、姉・おりょうと3人で暮らしている。飲み屋で懸命に働きながらも自分の元を去った父に恨み言をこぼす母。広次はそんな母を複雑な思いでみつめていた。  そんなある日、母とのいさかいが絶えなかった姉・おりょうも、妻子持ちの男と駆け落ちしてしまう。姉をも失った母は心身ともに疲れ果て、飲み屋の常連客にすがろうとする。そんな母の様子に、広次は嫌気がさ…

父・民蔵が姿を消してから4年、十歳の少年・広次は母・おまき、姉・おりょうと3人で暮らしている。飲み屋で懸命に働きながらも自分の元を去った父に恨み言をこぼす母。広次はそんな母を複雑な思いでみつめていた。  そんなある日、母とのいさかいが絶えなかった姉・おりょうも、妻子持ちの男と駆け落ちしてしまう。姉をも失った母は心身ともに疲れ果て、飲み屋の常連客にすがろうとする。そんな母の様子に、広次は嫌気がさし、家の仕事を放り出して葭原で寝転んでいると、男たちに追われている父と偶然再会する…。

「小さな橋で」に投稿された感想・評価

あさみ

あさみの感想・評価

3.7
時代劇、、、映画館で観るほど興味ないなぁ、なんて思っていたけれど、原作の面白さとキャストの豪華さに惹かれて鑑賞。

なかなかヘビーな家庭環境に居ながらも健気に、家族の中の男として生きる少年の気持ちを考えると応援したくなる。
まだ少年なのにその葛藤は辛すぎるのでは、なんて引き込まれていたところに、、、最後のオチ!

コミカルな演出に救われました。笑

時代劇、おもしろいかも。
三部作、全部観たくなった。
本作は、没後20年、生誕90年を迎える藤沢周平さんの短編集「橋ものがたり」の一編を、松雪泰子さん主演で杉田成道監督が映像化したもの。
既にBS放送や時代劇専門チャンネルで放映されたが、改めて映画館で上映されている。
「橋ものがたり」は橋を舞台に江戸の市井の人々のドラマを人情味豊かに、時に切なく描いたものだが、「小さな橋で」は杉田監督の代表作「北の国から」を彷彿させるような家族物。
この家族物の時代劇のユニークなところは、10歳の少年・広次が狂言回しとなって物語を展開させている点。
それにしても広次の置かれている状況は子供にしては辛過ぎるもので、幼い時に父・民蔵は博打がもとで働いていた店の金に手を出し、挙句は出奔して行方知れず、この父の愚行で母・おまきは父の借金返済と生計を立てる為、飲み屋で酔客相手に酌婦をしている。
そして姉・おりょうは店に奉公しているものの、道ならぬ恋に走り、それを咎めるおまきとの諍いが絶えない。
母と姉に囲まれ、一家の唯一の男手とはいえ、所詮10歳の子供、大人の世界もよく分からず、やれることにも限りがある。
細い糸で辛うじて繋がり、家族の体裁を保っていた一家は、ある事が切っ掛けでバラバラになりそうになる。
悲惨としか言いようがない広次の家族の物語だが、不思議と観ていて暗くならないのは、広次の少年らしいあどけなさや、辛い状況を笑いに転化するようなバイタリティにあると思う。
「橋ものがたり」の一編として本作での「橋」は、渡ってしまったら元には戻れない、“越えてはならない一線”のメタファーになっている。
この作品は時代劇ではあるけれど、子供の視点で描いた一線を越えてしまった家族の危機という点で、現代社会にも通用する物語だと思う。