すばらしかった。
『ROMA/ローマ』は、固定カメラによる静謐な映像が、まるで家政婦クレオの視点と重なり、観る者をその世界に引き込みます。時折映し出される空や飛行機は、遠くからの視点で物語を俯瞰し、…
言葉を言葉として信じないように、映像を映像として信じない。それらは、いったん解体されたうえで、再統合されている。
アルフォンソ・キュアロンの作品を根底から支えているのは、こうした距離のように思えて…
モノクロで表現される陰影、光の反射や水の透明さがすごく繊細できれい。
横スクロールの長回しで映される人々の活気がすごかった。
一人一人の人生が想像できてしまいそうなそんな生きの良さがそれぞれにあって…
〝生まれて欲しくなかった…〟
これからの生活を思えば、生物学上の父親の最低さを思えばそうだろう。
それが誰のためにもなるだろう。
命の尊さをもってしても。
でも本当にそれが失われた時、願いが叶っ…