ふたつのカタルーニャの作品情報・感想・評価・動画配信

「ふたつのカタルーニャ」に投稿された感想・評価

MACHI

MACHIの感想・評価

4.0
2021年も現在進行中のスペインのカタルーニャ独立運動のドキュメンタリー。内容はカタルーニャ独立賛成派・反対派双方の意見の人々のインタビューを中心に行われる。

現在のヨーロッパの一面を理解するために興味深い内容だった。この映画にはTV番組のように意見を整理してくれる司会はいない。わたしの勉強不足もあり、かなり分かりづらい内容だった。

また、フラットなドキュメンタリーにしようと反対派の議員の意見を聞いたりもしている。しかし、国家警察が民衆に暴力をふるった映像もあるため、どうしても独立賛成派の主張にクローズアップしがちになってしまっている。しかし、双方の当事者たちの生々しい声を記録できたことに、制作側の強い熱意を感じた。

大都市バルセロナを含むカタルーニャ州。ここは独自の言語等を持つカタルーニャ文化が存在し、スペイン文化とは異なると主張する機運が高かった。
とはいえ、フランコ独裁政権の終焉により民主化と文化規制の緩和が進み、2000年代には独立に賛成していたのは住民の15%ほどだった。

しかし、2010年代に独立賛成派が急増する。大きな理由は、スペイン政府がカタルーニャ自治憲章の制定を憲法違反としたこと、その中でカタルーニャ民族を軽視するような言動を繰り返したこと、またカタルーニャ州が税金として納める金額とスペイン政府から還元される金額の差が大きいこと、などがある。

ついにはカタルーニャ自治州政府が住民に対し「独立住民投票」を行う。2017年、この投票にスペイン政府が国家警察を動員し、投票所を封鎖した。(カタルーニャ州警察は投票阻止命令に従わなかった)
この投票阻止でおこった市民への暴行が、「国家警察による住民投票阻止」と世界に大々的に報道され、カタルーニャ州内の独立賛成派は増えていく。

反対派の「300年間、他民族国家としてやってきたのに今さら」という意見も分かるし、賛成派の「カタルーニャ文化は抹消されようとしている、カタルーニャ大きな州なのにスペイン首相も出ない」という意見も分かる。
イギリスのEU離脱により、欧州は「ひとつのヨーロッパ」から民族自決権の見直しが広がっていくことを感じた。
rick

rickの感想・評価

3.5
17年のカタルーニャ独立住民投票を中心としたドキュメンタリー。あの投票時にスペイン政府が機動隊を投入して市民に暴力を振るったのは本当に悪手だったんだなと思う。東アジアなら今の香港や沖縄、国民党独裁時代の台湾と似た部分もある。

個人的にはフランコ時代のカタルーニャ弾圧とかのことをもっと知りたかった。
Daikon

Daikonの感想・評価

5.0
遠い一国の小さな地域の問題とは思えないほど引き込まれた! カタルーニャ問題を専門家や政治家達がそれぞれの立場での熱い想いを語っているシーン一つ一つは興味深いと感じた。

スペイン語らしいリズミカルな演説シーンとお洒落な映像演出が相まってドキュメンタリーを魅力的なものにしている。

ドキュメンタリーとしては独立支持側にやや傾いている気がするが、興味のない人も惹き込むスタイリッシュなドキュメンタリーを作れるNetflixはさすがだと思う

もし自分の地域がもし異民族の国に支配され155条を押しつけられたら、と想像が膨らむ。香港問題も遠い国の話ではないような気がする。

¿Donde está Barcerona?
バルセロナはどこにあるの?
cp

cpの感想・評価

-
自由というのはYesかNoの二元論ではなく、比較の度合いのことなのだと思った。

極端かもしれないけれど、両手両足を縛られても目を開けるか閉じるかの自由はある。

それを自由と呼べるかどうかは個々の認識によるもので、状態としてはそれでも選べる自由はある。

突き詰めると、生きている時点で、生きるという選択肢があるということなので、状態としては自由があることになる。

こうして日本に生きる人のほとんどは、毎日の暮らし方を自分で選んで生きていると思う。

だから自分には自由がないと思っていても、見方によれば大いに自由なのかもしれない。

自由があるということは、逆に言うと不自由もあるということになり、それは認識としての自由なのか状態としての自由なのか、捉え方を変えるだけでまったく違うものになると思う。

そんな風に考えていると思考迷子なので、何か見えそうでまだ見えない。
KS

KSの感想・評価

4.0
スペインはカタルーニャで起こったいまも続く独立運動のドキュメンタリー。

民主主義国家において力(暴力)による弾圧が、分断を助長する行為であるかを丁寧に取材している。

それだけでなく、この問題がイギリスのEU離脱問題に通じる働いても貧困から抜け出せない格差問題が裏にあるのではないかなど、スペイン国内だけの問題ではない点も指摘されている。
その際に民族や国家という分かりやすい枠組みが、集団として団結や排斥を助長させるものとして機能する事など、民主主義を維持する上で越えてはいけない一線がどこにあるのか、何が重要なのかを問いかけてくる。

私の暮らしている日本と呼ばれる社会でも、米軍基地が沖縄に集中している問題について、日本政府は住民投票の結果を無視。全国的に貧困と格差の問題。癒着や疑惑ばかりが取り沙汰されるだけでなく、それに対して国会で説明せず答弁ではぐらかす内閣の態度。そんな中での法治国家としての基盤である三権分立が揺らぐ検事長定年延長問題が噴出。市民社会として、この問題にどう向き合っていけば良いのだろうか思った。

ヴィッセル神戸にサンペールやイニエスタなどが所属しているから、少し勉強のためにと思ってみたが、簡単には理解できない大きな問題を前にしたが、個人の人権をどう守っていくのかという一つの視点を持つことは問題を解決する上で重要なファクターかなと少し前向きになった。
non

nonの感想・評価

-
カタルーニャは
スペインから独立したい!
という運動があることは
知っている。けど…

もちろん全員が独立に賛成
というわけではないわけで…
では投票を、
となったときに
その是非、結果をスペインが
国として認めるか認めないか…

そもそも独立賛成派と
独立反対派は
どんなひとたちで…

勉強になった。
けどこれ、まだまだ
続いてる問題なんだよね
だからこそ
もう少し勉強しよう…
onoyame

onoyameの感想・評価

-
スペインのカタルーニャ独立運動に関するドキュメンタリー。
興味深く観たが、正直本作を観る前に関連ニュースをいくつか読んでおく必要があると思う。特に主要政党の党首くらいは顔写真を見ておいた方が観やすい。

リアルタイムでニュースは読んでいたけど想像以上に実際は複雑な状況で、独立派が独立運動に突っ走ったというでもなく、全国政党と地域政党との対立や経済の低迷なども背景にあり、まさに混乱という様子だった。

結局は州選挙で独立派が大勝したが、その後独立派の主導者の多くが反逆罪で逮捕起訴され、未だ混迷の中にある。
また、2019年4月下旬に行われた総選挙では極右政党が躍進するなど、スペインはなかなか大変な情勢にあるようだ。
ayako

ayakoの感想・評価

4.0
知ってるつもりだったけど如何に無知かを思い知らされた。
初めてバルセロナに来た時にたまたま大規模なデモをやってるところにホテルがあったから、帰ろうとしたらデモのど真ん中で身動きを取れなくなってしまい、初めての土地で一人旅ですごく怖かったのが2年前。でも怖かったと同時に、こんなにも自分たちの「カタルーニャ人」としての民族アイデンティティを強く持ってること、「スペイン人」だと思ってないことを目の当たりにしてすごくびっくりした。

私も日本人であることに誇りを持ってるけれど、じゃあカタルーニャへの郷土愛と同じようにここまで神奈川に対して郷土愛があるかと言われると自信がないし、この人たちみたいにそこまで政治的な発言をすることに活発でもない。し日本人の多くがそこまで政治的な発言をしたがらないと思う。だからこそすごくカタルーニャという地域について、なぜここまで独立したいのかを知りたいと思ったし、バルセロナに来たかった、バルセロナで勉強したかった理由。

実際ここに来てから何回か独立関連のデモを見たし、ストライキで大学のドアや道路が独立派の学生によって大胆に封鎖されるのも当たり前。おじいちゃんおばあちゃんから学生まで黄色いリボンを付けてる光景を街中で見かけるし、学校の中ではありとあらゆる目につく場所に独立を訴える落書きやバナーが溢れてる。寮でも独立の旗がいくつもの部屋から垂れ下がってる。みんなカタルーニャ語を話すし、むしろスペイン語が怪しい人なんかもいる。

最初来る前は、いや、だって独立なんて出来ないでしょって思ってたけど、ここに住み始めてから所謂海外から見た「スペイン」との文化の差や「人」の差を感じる。サラマンカに1ヶ月いた時は、田舎町だけど首都に近くて、たぶんいわゆるスペイン人の感覚に近い人が多かったんだと思う。「カタルーニャ人はおとなしい」ってよく言うらしいけど、たしかに特にアンダルシアとかほかの地域に行ってみてからここに帰って来ると、たしかにおとなしい感じがする気がする。と同時に警戒心が強いというか、少し排他的に感じもする。

映画に関係ないこと書きまくってるけど、改めてこの映画を観て、如何に急速に尋常じゃないことが起こっているかが分かった。2年前に行った時はReferèndumの前。きっと去年留学出来ていたら、ここにいられたらもっとその様子を見れたんだろうなと少し惜しかったなあと思う。映し出された映像は今までニュースで見た以上のかなり激しくて暴力的な光景。生々しく、痛々しく、今自分がいる穏やかなバルセロナでこんなことが起こっていたとは信じがたい映像で溢れていた。ただ投票しに来た一般市民を老若男女問わず無差別に殴り、引っ張り、蹴飛ばす警官たちの姿はあまりにも衝撃的だった。

インタビューされてる独立支持派のリーダーたちの中ではかなりの数が捕らえられて懲役30年がゴロゴロ。政府がこんな対応をしなければここまでカタルーニャが分断されることはなかったっていう言葉がとてもしっくりきた。街中を歩くと隣り合ってはためくスペイン国家とカタルーニャ州旗をよく目にする。それだけ両方の考えの人がいるということだし、きっとまだまだこの問題は続くんだろうなとこれを観て思った。

この映像を作ったネットフリックス天才。最後自分のカガネル人形をもらって大喜びするプッジダモンが可愛すぎてファンになりかけた。あと最近カタルーニャ語リスニングだけはちょっとできるようになった気がしている。オケの練習で小節数必死に聞き取るから数字だけは完璧。あとこれを観て知ってる景色が沢山出てきて、あとちょっとでこの景色は見れなくなるのかと思ったらちょっとだけ帰るのが悲しくなった。

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