僕たちは希望という名の列車に乗ったの作品情報・感想・評価

「僕たちは希望という名の列車に乗った」に投稿された感想・評価

ー 始まりは、小さな好奇心からだった ー


第二次世界大戦(1945年)敗退後ドイツはベルリンを境に西と東に分断され、
西をアメリカ、東をソ連の影響下に置かれていました。

これは、まだベルリンの壁 (1961年)が作られる前、
1956年、東西冷戦の頃に起きたある学生達の苦悩と希望、そして感動の実話ベースの物語です。


東ドイツの高校に通う親友のテオとクルトは、
西ベルリンの祖父の墓参りを口実に列車に乗ります。

墓参りを済ました二人は、
西側の自由な雰囲気の中、映画館へ忍び込み、
ソ連の影響下にあるハンガリーの解放運動のニュース映像を偶然目にしてしまいます。

あまりの衝撃と興奮で、クラスに戻るとその様子を意気揚々と語るテオとクルト。

そして更に西の情報を知りたくなった二人は、
ラジオの聞ける"パウルの叔父さんの家に皆で行かないか?"と提案をします。

気乗りのしないクラスメイトを省いたクルト達は、目的の場所へと向かうのでした。
森の奥にひっそりと戦争の爪跡を残した姿のまま佇む、パウルの叔父さんの棲むその家へと。

ラジオから流れるアナウンサーの声。
思い掛けずも衝撃的なニュースを聞かされてしまうテオ達。

翌日、ラジオから流れた哀しいニュース、
ハンガリー民衆蜂起で数百人の命が失われ、
またサッカー代表選手⚽️プスカシュも亡くなった事をクラスメイトに告げるクルト。

"亡き同士の為、2分間の黙祷を捧げよう!"
と呼び掛けます。

そして運命の2分間を、遂に彼らは実行してしまうのです。
その決断が、彼等の運命を大きく変えてしまうと思いもせずに…。


最初は"小さな好奇心と大きな正義感"から黙祷をするのですが、
その行為が実は、社会主義国家への反革命行為だなんて思いもしなかったのでしょう。

どんどん歯車が⚙回転し、
気が付けば後戻りの出来ない場所に立たされていると知った時、
テオやクルト、パウルやエリック達は其々、人生の重大な選択を余儀なくされます。
まだ成人していない彼らの、
重く苦しい現実を受け止めなければならない姿が痛ましく、観ていて辛い気持ちになります。

自分の人生は自分だけのもの。
どんなに人を恨んだり頼ったりしても、
最終的には全て自分が決める事。
例えそれがどんな結果に成ろうとも。


そんな中、テオとクルトの友情とか、クラスメイト達との友情、レナを挟んだ恋愛模様とか、
学生時代のキラキラとした青春も描かれています。

その光と影の対比が、2分間の黙祷から始まる問題の大きさをより際立たせている様で切なくなります。


テオ役の"レオナルド・シャイヒャー"や、
クルト役の"トム・グラメンツ"がかなりのイケメンで、今後の活躍に期待したくなりました😍

若かりし頃のブラピを思わせる顔立ちのトムは、今作が映画での初大役だったそうで、伸び代のある素敵な俳優さんになりそうな予感を感じさせます。✨

眼鏡効果なのか、パウルがどうしてもハリー・ポッターにしか見えなくて😁笑

エリックの複雑な心境や境遇、苦悩が手に取るように伝わる名演技を見せてくれた、
"ヨナス・ダスラー"は過去に"ババリア映画賞新人俳優賞"を取る程の実力派若手俳優さん。

登場人物全てがキャラ立ちしていて、
きっちりと家族背景なども描かれ、
ストーリーも歴史をしっかり反映しつつ、
其々の心情も丁寧に織り込まれた一本筋の通った骨太の秀作だと思いました。
pansy820

pansy820の感想・評価

4.2
邦題がいい。
ポスターも好き。鑑賞後にポスター見るとより泣けます。確かにあの時代、彼らは存在して決断したんだという尊さ。

温もりの感じられない東ドイツの灰色の街並みと対照的に、一瞬一瞬が勝負のように熱を持って生きる若者たちの姿がじんときました。

ただ嘘をつかず、今この時を生きたいという衝動と、家族や故郷の狭間でもがく姿を見て、こんな選択をしなければいけない時代が再びきませんようにただ思う。
アサミ

アサミの感想・評価

3.9
ベルリンの壁ができる以前のベルリン、自由が当たり前じゃない時代
高校生の自分はこんなにも政治に関心があっただろうか、。
彼らが危険なことに立ち向かうのはその時代を生きるのがやっとだから
世界情勢を知ることで、今何不自由なく日本で生活できてることの有り難みをすごく感じる…
私の悩みなんてちっぽけだなって思う
NatsMiz

NatsMizの感想・評価

4.0
自由がないのが当たり前の時代。
刷り込まれた価値観によって、家族とも分かり合えないなんて悲しすぎる。

高校生でこの勇気にあっぱれ。
これが実話ベースだなんて胸熱…!
ベルリンの壁建設前の東ドイツ。優秀な若者達の実話に基づいた話。この窮屈さや悩みは私達にはわからないけれど、どの年代にも窮屈さや悩みはある。仲間とぶつかり、壊れかけてからの絆の強さに感動した。彼らはどうなったのだろう。
手に汗握りまくり〜
Marie

Marieの感想・評価

4.5
重いけれど、真っ直ぐで清々しい。
青春期の風は時代に関係なく吹いている。
どうしようもない事柄を抱えながら、未来に体当たりするしか道はなかった。
Tom Gramentzかっけえ。
庶と遮。


庶民の姿がある。
庶の成り立ちは、屋内を燻して害虫を除去するのさまともいわれている。しかしここで除去されようとするのは庶民である。庶民には大きく広い道が残されている。選択の自由のようにも見える。でもそれは歩めという道かもしれない。その先に庶幾う(こいねがう)ものはないかもしれない。

遮るものはない。
遮の成り立ちは道を行くとき多くのものがいて、進むのをさえぎるさまである。遮るものは見えない。駅には木枯らしが吹きこんで、背中を丸めて列車に乗り込む人々が、ちらほらと見えるだけである。しかし、進むことは難しい。緊張した線を伝い、細い道を行く。先は見えない。肩を寄せ合って歩いていく。手探りのなか振り上げた手の先が、足元を照らす琴線に触れた。
上達部

上達部の感想・評価

4.7
激動の時代の中で必死に自分達の正義を貫いた少年達のノンフィクション
2時間の映画の中に少年らしからぬ正義を見据える強さや10代の少年らしさのある揺れ動く恋愛感情、家族と自分の信念を天秤にかける葛藤、それぞれの少年達の複雑な親子関係などが薄まることなく濃い密度のまま収まっている映画
テサとクルトの友情関係やテサと家族との絆や決断で涙が止まらなかった
おげん

おげんの感想・評価

4.3
たとえほかの国で起こっていることでも、自分になにかできることはないかと立ち上がり行動する学生たち。そしてその行動は、彼らの人生すら左右するほどの大きな影響を及ぼす。自分の人生や家族の未来について真剣に悩み、考え、そして自らの信念を持ち、行動する。素晴らしい映画だった!
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