ビル・エヴァンス タイム・リメンバードの作品情報・感想・評価

上映館(14館)

「ビル・エヴァンス タイム・リメンバード」に投稿された感想・評価

ぽひこ

ぽひこの感想・評価

3.5
なんとなく有名な曲だけ聞いてたビルエヴァンス。関係者の証言から生い立ちを知れて良かった。クラシックの下地ありきだから、シンプルだけど深いし常に上品なんだと思い知らされた。音とちゃんと向き合えてないとあんな優しく弾けない。ジャズだけどジャズに聞こえない時がある。余談だが、晩年の姿を知らなかったので、初めて見て結構衝撃だった。
どうして天才を取り巻く女性たちがこんなに苦しまないといけないんだよ!!!
と腹が立ちつつ、そうした存在があったからこそ今、私もビルの音楽を享受できているわけで、きっと彼女たちも献身することで満たされていたわけで…という何ともやり切れない気持ちになりました。
ビル・エヴァンスの生きた時代を追って、その時々の出来事・思い出を、
彼を知る人物、あるいは彼自身によって語られます。

私がそれまでに知っていたビル・エヴァンスといえば、
『ワルツ・フォー・デビイ』のアルバムのみ。
ライブ録音で、アルバムのタイトルともなっているこの曲は、
客席のざわつきや、食器やグラスの音、
そして何より、ピアノ・ドラム・ベースの響きの美しさに、
どこまでも奥深く聴き入ってしまいます。

彼の代表作とも言えるこのアルバムですが、
それしか知らないような私にとっても、
作中に出てくるようなジャズ演奏者、曲、歴史を知らなくても、
(もちろん、知っていた方がより楽しめるのでしょうが)
彼を語る人物から、彼がいかに偉大で尊敬されていたのかが伝わり、
また、劇中に流れる彼のピアノがなんと美しいものかを、映像を通して聴き感じることができました。

一方で、彼の性格・生活が、波瀾(メンバーとの死別、親愛な兄の自殺、薬物依存など)
を含んだものであったことも知りました。

ただ、それこそが、
彼=(イコール)彼の音楽
たらしめているということをこの映画は教えてくれます。

演奏による自己表現と、その対(あるいは前提)となる自己探求、という、
ジャズに限らず、芸術家として最も目指すべき姿をどこまでも追求し、
また、体現してみせた彼の姿に、感動せずにはいられませんでした。
葛

葛の感想・評価

4.5
インタビューを受けるおじいちゃんになった当時の共演者たちが具体的な音を解説しながら話す時の音楽を理解した揺れ方。当時若手だった共演者やピアノ関係者たちはビル・エヴァンスはこう弾いたとコピーして見せる。スコット・ラファロを一生求め続けたと語るスコットの恋人。3本指でベースを弾いていたスコット・ラファロ。
一ヶ月前、YouTubeを漁っていてたまたま見つけた「Waltz For Debby」。
口ずさめるほどメロディックで、テンポのとり方が天才的で一目惚れした。
音楽経験はあるけどそれまで基本的にジャズは苦手だったし、ピアノも良し悪しがわからなくて聴く趣味はなかった。
それをひっくり返してくれた。
調べたら2015年の映画が日本で公開するらしく、運命を感じて映画を観るに至った。

同名のアルバムだけ聴き込んで、あとは映画のトレーラーを軽く観て鑑賞に臨んだ。
ヤク中だったのは情報として知っていたし想定内だったけど、女性遍歴に少しびっくり。
でも正直、音だけで一目惚れしたから実際にビルに惹かれるのは当然のことなのかもしれない。

たくさんの人がビルの音楽について、うっとりと語るのが好きだ。
繊細で美しくて少し切ない。
美しさは理解できるのに、どうやったらこんな曲を思いつくのか想像できなくて、私たちはただ天才と呼ぶだけ。

音楽は対話というけれど、ようやく初めてその意味がわかった気がする。
息を合わせるとかそんなんじゃなくて、特にアドリブがあるジャズにはその数段階上があるんだなと。
四六時中ピアノを触っているから、話すように思っていることを反射で音に変えられるんだと思う。

元々、音楽のジャンルを問わず速弾きにまったく魅力を感じてなくて、だからビルエヴァンスのピアノは私にとって衝撃的だった。
一音一音すべて制御されていて緩急に富んでいて、どこを切り取っても美しい。

あぁなんでこんな美しいものを生み出せる人ほど、自分の内面と向き合う苦しみを死ぬほど味わわなきゃいけないんだろう!
でもきっと本来は逆なんだろう。
地獄の苦しみを至上の美しさに変えて表現する才能が欲しいような、欲しくないような。
4614

4614の感想・評価

3.5
悲しくてちょっと泣いちゃった。

終演後のいーぐる店主のトークショーもまた良かった。
「ジャズ界で成功している者は大体ジャンキー。瀧が薬物で捕まって出演している映画が公開中止とか大騒ぎでしたが、ジャズの世界に適応されるともう何も聴けなくなる」
みみ

みみの感想・評価

3.5

このレビューはネタバレを含みます

ビルエヴァンス、彼の初期のトリオの音楽ばかり聴いていた学生時代があったので、生涯について興味があった。

関係者のインタビュー、本人のコメントも挟みながらの展開。

音楽は、やはりうっとりするくらいに繊細で美しい。初期のこざっぱりとしたジャケットから、晩年は、かなり雰囲気が変わっていた。とことん極める、のは、男性がゆえ、なのかしら?
女性のサポートには恵まれながら、自分中心で生きた人なんだなぁ、と感じた。

終わりのテロップは、なんとなく、妙なお仕着せとして感じられ、ないほうが良かったな。「彼の音楽聴いてみて」というご案内に関して。
果てしなく美しい 孤高のピアノ
ビル・エヴァンス 秘密の深淵
スクラッチノイズと
想い出が詰まった名盤あれこれ
哀切のフレージング あのタッチ
魔法の時間 青のソノリティ
慎一郎

慎一郎の感想・評価

3.0
久しぶりの映画館。普通に面白かった。70年代、ドラッグやめてる時期のビルがわりとふくよかで、そういえば瀧先生はジャンキーとふくよかと兼任してて偉いなーと思いました。
せっ

せっの感想・評価

4.0

天才はキチガイなんだな。
ジャズ界に多大な影響を与えたと言われるビル・エヴァンスのドキュメンタリー。
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私は全く知らなかったけど、レジェンドみたいな人らしく、彼が引くピアノは全然違うって紹介されてた。まぁ芸術オンチな私は聞いても違いはわからないから、.
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劇中ずっと流れてるジャズの心地よい音にひたすら眠気に襲われてた。劇場がオシャレなバーみたいだったよ。
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そんな天才の私生活はやっぱりぶっ飛んでて、クスリを一日に40分おき(たしか)にうってたり、奥さんが自分の浮気が原因で自殺したのにすぐにその浮気相手と再婚しちゃったり。
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やっぱ天才って人として何か大切なものかけてるわ。
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