すべてをかけて:民主主義を守る戦いの作品情報・感想・評価・動画配信

「すべてをかけて:民主主義を守る戦い」に投稿された感想・評価

踊る猫

踊る猫の感想・評価

4.3
良質な、優等生的なドキュメンタリーだと思う。私なら私は選挙権/投票権について「天賦の権利」と思ってしまうのだが、その権利は実は先人が(時に命をかけて)勝ち取ってきたものであることを再確認した。それにしてもステイシー・エイブラムスが戦った選挙戦の投票所でのいざこざの様子はどうだろう。不条理な事態が次々と起こり、データベースを頼った簡便さを追求した投票が実現したはずが、実は「不正」の可能性が濃厚なミスが続々と登場する。このドキュメンタリーから一面的に事態を見るのはむろん危険だが、ここまで権力/エスタブリッシュメントの「なりふり構わず」な工作を見ると笑えてしまう。そのような、選挙権が時に政府によって骨抜きにされうる危険性をうまく/手堅くまとめた意味で面白いドキュメンタリーであると思った。個人的にはもっとステイシーの人隣を知りたくなった。彼女のしなやかな知性と立ち居振る舞いがこのドキュメンタリーに独自のユーモアという膨らみを添えている。
党派性が強いと言われようが、こんなにデータで示されて否定はできない。人種差別がここまで巧妙で根強いのがこわい。アジア人も投票抑圧されてるのか〜つら。アメリカは民主主義国家じゃなかったんだなあ。
よしみ

よしみの感想・評価

4.0
One Vote at a Time

米国の
選挙制度の歴史と問題点😠

ジョージア州知事選挙で
僅差で敗れた
ステイシー・エイブラムスの
選挙戦を記録した
ドキュメンタリー🎦

我々にも与えられている
投票という
権利は無駄にできない

みんなが投票することで
何かが変わるかもしれない
アメリカの選挙の歴史がよく理解出来るドキュメンタリー

「自由の国アメリカ」なんて言葉がありますが、これ観ると全然自由でもなんでもない

少なくとも投票権に関しては

しかもそれは現在進行形という現実

黒人問題も含め投票権を操作されている

日本の方がよっぽど平和で民主主義だという事実

なのに日本の投票率の低さ

誰が当選しても「なんだかんだ上手くやってくれるだろう」と思ってしまってるんだろうな、自分も含め

絵に描いたような平和ボケ日本
まえだ

まえだの感想・評価

4.0
2020年のジョージア州知事選での共和党候補ケンプと民主党候補エイブラムスとの戦いを基軸として、アメリカの選挙制度における投票抑圧の実態について歴史を紐解きながら伝える良質なドキュメンタリー。

ジムクロウ法の敷かれる中、理不尽な識字検査や人頭税を取り入れた「ミシシッピ・プラン」によって黒人が間接的に投票権を奪われていた時代から、1965年エドマンドペタス橋での公民権運動の大行進によって起きた「血の日曜日事件」を経て黒人及び女性・先住民族やマイノリティが文字通り命をかけて投票権を勝ち取ってきた歴史を振り返る。

だがこれはすでに終わった栄光のストーリーではなく、冒頭のジョージア州知事選や現代のさまざまな選挙制度においてその抑圧は今でも行われているということを浮き彫りにする。最高裁による投票権法の一部廃止、候補者であるケンプが選挙管理を統括するという異常さ、21世紀のジムクロウ法とも言われる有権者ID法、理不尽な区分け、恣意的な選挙人名簿からの除外、そして投票所の閉鎖等々。

だがそれでも未来を変えようと選挙人登録を呼びかける若者の姿や、草の根の活動を続けるステイシー・エイブラムスの姿に、民主主義を守るための戦いは終わることはないと勇気づけられる。
次郎

次郎の感想・評価

4.0

恥ずかしながら本作を見るまで、アメリカで選挙に投票するには選挙人登録が必要だということを全く知らなかった。2018年にジョージア州で行われた知事選でトランプに忠誠を誓う白人男性と争ったのは、初の黒人女性知事を目指すステイシー・エイブラムス。彼女の最大の障壁は、制度をハックすることで露骨にマイノリティを選挙から追い出そうとする、現代のジム・クロウ法だった。
ドキュメンタリーとしては淡々としているけど、Netflixの『13th-憲法修正第13条』を見た人が次に見るべき作品としては間違いなし。なぜオバマの後にトランプが選ばれたのか、2010年代以降に南部中心で進められる投票権の閉め出しにより、マイノリティが政治の土台から取り除かれていってる状況を嫌というほど理解することができた。マイノリティに不利になるようAIを利用した不平等な選挙区の割り振り、予算を削減して投票所を閉鎖したり意図的に選挙管理人に教育をせずにすることで混乱を生じさせるといった行為の数々には憤りを通り越して呆れすら感じるほど。余りにも露骨なやり方には流石に反発が集まったのか、ジョージア州は知事選後に大統領選と上院選の両方で民主党は勝利している。しかし2021年の3月末には投票規制法が可決され、なんと投票の列に並ぶ有権者に近づいて水や食べ物を与えることが犯罪になってしまうとのこと。なんで?投票するのに3時間も並ばされるのにだよ?
エンドロール間際に出てくる「選挙の公平性ランキングで、アメリカは西洋の民主主義国家で最下位である」という一文にはもはや苦笑いしか浮かばない。BLMの問題の背後で進んでいる、投票権の抑圧という問題に切り込んだ本作は、翻って日本の投票権のシステムについても考えさせられてしまう。学生時代、普通に話していた友人が投票権を持っていなかったことを思い出した。彼女は夢を叶え、弁護士になれることは出来たのだろうか。
Jun55

Jun55の感想・評価

4.0
アメリカ合衆国というのは、本当にユニークな国だ。
自由と機会を標榜しつつ、民主主義のベースにある投票のハードルを意図的に高くしようとしている。(一部の州だが)
ベースにあるのは人種問題。
最近、ベストセラーになったノンフィクションの「Caste(カースト)」を読んだが、アメリカには人種をベースとした社会に深く浸透するカースト制度が存在するのだ。

このドキュメンタリーの中心は2018年のジョージア州知事選でのStacey Abramsの惜敗であるが、2020年の大統領選、2021年初の上院選(2議席共に民主が奪取)における民主党の勝利を考えると、この敗北も無駄にはならなかったといえる。
(誰しもが、Staceyの貢献を讃えた)

一方で、今年に入って、ジョージア州を含めて、投票に関して、より制限的な改正法案が共和党が知事、議会を押さえている複数の州で通過し、批判を浴びている。
国民の良識はどこで問われるだろうか。
予断を許さない。
HM

HMの感想・評価

4.5
アメリカの投票制度の歴史と現状がよく分かる映画。
ステイシー・エイブラムスの草の根の活動を知ることができて、こういう活動が世の中を変えていくのだなと感銘を受けた。
民主主義という名の白人優遇主義。

法律も憲法も制度も全て白人が作り出したもの。公平な制度を作る良心を持つ人はそう多くない。当然、自分たちに有利な制度を作る。

そのやり方に立ち向かい続ける人々の戦い様がよくわかる。

今まで何が起きていたのか、そして今何が起きているのか、それを歴史を追って主張していくスタンス。歴史の中での進歩と後退を弱者の視点から丁寧に説明してくれる。

この問題は、恐らくアメリカ本土でも知らない人も多いと思う。それが例え優遇されてる側でなくても。

ただ差別がだめ、というのでは簡単で、こうゆう風に歴史と現在の知識を踏まえて問題が何か正しい手段で主張するのがいい。

ただ、この反対側の意見やらを自分が聞いてないのは偏りに繋がりそうなので情報は収集しておきたい。
上旬

上旬の感想・評価

4.0
第93回アカデミー賞長編ドキュメンタリー部門のショートリストに残った作品

ジョージア州知事に立候補した黒人女性ステイシー・エイブラムスを中心に据え黒人や女性の選挙権獲得の道を描いた作品でとても面白く見応えのあった。

監督は『ニーナ・シモン 魂の歌』『マリリン・モンロー 瞳の中の秘密』という評価の高いドキュメンタリーを次々に手掛け、『ロスト・ガールズ』という良質なドラマ映画も手掛けた方というだけありドキュメンタリーという形態を最大限に活かしたダイナミックで構成のしっかりした作品になっていた。

選挙権を得るまでこんなに大変なことがあったなんて知らなかった。何度も何度も、諦めないことで世間は動かせる。世界は動かせる。

とにかく政治に興味を持ち選挙に行こう!これに尽きる。民主主義の要はやはり選挙だし、政治を変えるのは国民なのだから。アメリカは投票率が低いというけれど日本なんて何%よ…?
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