声優夫婦の甘くない生活の作品情報・感想・評価

上映館(28館)

「声優夫婦の甘くない生活」に投稿された感想・評価

珍しいイスラエル映画。ソ連からイスラエルに移民してきた話で日本に住んでいたら知らない世界を垣間見れて勉強になりました。面白切ない気分にじわっと味わい深く楽しめます。あのスイッチなんだったんだろう。

このレビューはネタバレを含みます

ソ連からイスラエルに移り住んだ声優夫婦だったが、新天地での声優の仕事に需要がなくいきなり窮地。
妻は高給なテレフォンセックスの仕事を得ることで、それまでの夫の庇護の下から経済的に自立。
2人のパワーバランスが崩れ始め、関係がギクシャクに。
プライドの高い夫も負けじと新たな職を探そうとするも辛酸を舐め続ける。

「テルアビブ・オン・ファイア」と同様、イスラエル映画独特の空気感が味わい深い。
すったもんだがあってのあのラストの余韻も良かった。
好きすぎて泣いた。
最高!!!!!
イスラエル映画やっぱり好きだわ!!
なんかもう甘く切ないんだけど結局は甘々なわけでそりゃもう胸をわしづかみにされちゃうわけです。
不器用夫婦のほろ苦甘々な関係が堪らんのです…。

アキ・カウリスマキっぽい雰囲気に惹かれて鑑賞したんだけど、主役の奥さんがそれこそアキ・カウリスマキ作品常連のカティ・オウティネンに似てたのは監督の狙いなのかな。

映画泥棒してるシーンもあり、「これは映画館で見るのはなんか気まずいぞ」って思ったり。この監督さん、絶対にお茶目な人だね。

設定も面白かったし、途中脱線するお話の流れも本当に良かった。
つまり、めちゃめちゃ好き。めちゃめちゃめちゃめちゃめちゃめちゃ最高。
終わり方も好き好き好き。
あの流れのエンドロール、この監督さん絶対にお茶目な人だね(2回目)
映画館鑑賞。

やっと海外に行く許可が出て、ロシアからイスラエルに移住できたユダヤ人夫婦。
ユダヤ人だから、きっと歓迎され、お金に困ることもないのだろうな、と思ったが、そこは、自分たちで頑張ってね、ということをこの人たちと同様初めて知った私。
無料でくれたのがガスマスクという怖さ。

夫婦で仕事を見つけようとして、妻は、あっさり、食べるためならと時給のいい仕事に。
夫は、なかなか見つけられない。
そうしているうちに、今まで、イスラエルにさえ行ければ、という同じ考えにボロが出て、妻が出て行ってしまう。
こういうときの夫って、どこの国も同じだ。

本当に爆弾が落ちてくるってあるんだ。
イスラエルは怖いよ。

でも、生きていくためには頑張っていかないと、と思う2人。
良くなっていくといいな。

映画好きはすごい楽しめると思う。実際私はそんな好きな映画のタイトルや話が出てくるだけで少し興奮しておりました。逆にあんまり映画詳しくない人はよくわからない部分が結構出てきてしまうんじゃないかなと思う。イスラエルの映画と言う事ですが、イスラエルの近代史的なことに詳しくないとちょっとわからないというか私はもっと勉強しなきゃいけないなと思った。ユダヤ人の1990年位のイスラエルのソ連からの移住は相当な規模のものだったようです。ユダヤ人であると言うことにこだわると言うことや夫婦の間での温度差がドラマを生み出していました。

フェリーニって誰、って感じの人だとちょっと難しいかもしれないです。8 1/2の話をしても全然ピンと来てないとか、波止場という反労働組合みたいな映画の代表の芝居をするとか、クレイマークレイマー流して夫婦がうまくいかなくなるの暗示するとか、いろいろわかると楽しいかもしれません。

その辺なしに単純にストーリーだけ見ると少し物足りないかもしれません。
警報が発令されて、一目散に妻のとこへ走り出す姿におもわず涙した。

また、みたい。

終わり方がオシャレすぎる!(笑)
Minori

Minoriの感想・評価

4.8
ラストの映画館のシーンが良かった。
2人のお互いへの愛と、映画への愛が感じられた。
MissY

MissYの感想・評価

4.0
福岡まで見に行かなきゃかなーと思っていたら、地元でひっそりと上映されていた!早起き(9:50からの上映)して、見に行きました。ペレストロイカの頃のソ連からイスラエルへ移民した老夫婦の話。ソ連ではスター声優(映画の吹き替えの)だったようだけど、イスラエルでは仕事がなく。生活力のある奥さんに比べて旦那さんの不甲斐ない感じが、見ていてもどかしく思うけど(しかもプライドばかり高い!)周りの人達が優しくて、なんとかなるところが素敵でした。監督も移民で、これは親の世代の話の様子。とにかく奥さんがチャーミング!旦那さんがなぁーって思っちゃうけど、まぁ、割れ鍋にとじぶた的な感じで仲直りするあたりが、夫婦ってこんなもんなのかなー。劇中に出たフェリーニの映画、公開当時に見たはずだけど、中身すっかり忘れているので再見しようっと!
あと、あのスイッチ!謎のまま終わるのね!気になるやんかー!(笑)
Nikiyy

Nikiyyの感想・評価

3.2
乾いていてくすんだ世界の中に、シンプルなドラマが浮き彫りになる。
好きな人にはたまらない、異国の日常がユーモラスにドライにリアルに香る、クセになる作品。

思ったよりまったりとしたテンポで進むので、中盤なんとなく暇を持て余すような感じもあるし、良くも悪くも期待を裏切るような展開はないが、ある意味それも心地良さかも。

老年を迎えて、はいリスタート!っとなった時、自分ならキャリアを活かして何ができるのか?

この声優夫婦は、至極真っ当なやり方で求職した挙句、面白人生に転がっていく。
何にも間違ってないけど間違いだらけで、「アホやな~」的生ぬるい目線で私たちはニヤニヤしながら眺めて楽しむ訳だが…
自分の場合…と考えて見ると途端に笑えない(笑)

でもこうやって必死に生きてみて、変な方向に転がってみるのも有りなのかもねと。
だって、最後はちょっとキュンとして映画館を出たから。
木蘭

木蘭の感想・評価

4.0
 ソ連崩壊直前、湾岸戦争のさなかにイスラエルに移民してきた熟年声優夫婦の物語。
 新天地に降り立ったものの、築いたキャリアを失った悲しみや不安、ヘブライ語の壁に突き当たる苦しみ、社会に居場所を見つけられない旧ソ連移民の寂しさを、ほろ苦いコメディとして描いていく。

 画面の色彩といい、主人公の2人も決して美男美女では無いのも相まって、総てが錆び付きすえた臭いすら感じさせるのだが、それがやがて豊かな色彩に見えてくる展開が素敵だ。

 将来の展望どころか明日の生活もままならず、底辺の仕事に甘んじ、夫婦関係もギクシャクし、老齢の悲しみも感じさせ、しまいにはスカッドミサイルまで飛んでくるのに、ビターだけどエグ味を感じさせずに観られて、時にはホロリとさせてくれる。
 それは出てくるキャラクターに悪人がいないからなんだな(犯罪者は出てきても)。出てくる人々の多くが、主人公たちに敬意を忘れないのが、とても良い。困難な時でも希望が持てるのは、そういう事なんだよな・・・と教えてくれる。もちろん夫婦の間にも。
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