1981年制作だったのか、とあらためて感慨を深める。
薄く・小さくなった万華鏡を回しても、35年も経とうとしている現在、当時のことが、瞼の裏にも見えてこなくなってしまった。
この年の7月29日、イギリ>>続きを読む
街角からひとりの男が出てきたかと思いきや、小型ロケット銃で狙いをさだめた。その瞬間、ビルの壁に鮮血が吹き飛んだ。
スナイパー:クリス・カイル(ブラッドリー・クーパー)の放った一発の弾丸が、男をつらぬい>>続きを読む
今現在は、どう変化しているか不明だが、何年か前まで、「死」をどのように迎えたいと望むか、というアンケート統計で、日本での1位は、心臓マヒ・脳卒中などでポックリ死にたい、というものだった。苦しみたくない>>続きを読む
今日(2015.3.10)の朝刊テレビ番組表で、放送されるのを知って観てしまった。2年くらい前、有料TVのものと比較すると、けっこう、カットされていて、がっかりした。その時間が、頻繁に流れるCMに当て>>続きを読む
監督ジョナサン・デミは、「刑事コロンボ」シリーズの「美食の報酬」で、メガホンを握っている。このシリーズは、一貫してドストエフスキー「罪と罰」の作風を踏襲し、膨大な作品を残している。
この映画(羊たち・>>続きを読む
制作1965年は、東京オリンピック開催の翌年、これに合わせて開通した東海道新幹線も順調、日本は、経済成長街道を闊歩していた。
オンタイムで見逃したこの映画を、ずっと後になって、奇しくも、北海道ツーリン>>続きを読む
監督・パトリス・ルコントの名は耳にしたことがあっても、映画はこれまで一度も観たことがなかった。さらに、出演者にいたっては、まるで知らない、自分の恥をさらけだすけれど、正直に申し上げる。だが、未知の映画>>続きを読む
初めての経験・年末日曜日の映画館、チケット売り場で見せられた座席表は、前から1・2列の端7,8席ほどしか空席がなかった。2列目の中寄りを指さして、料金を払い、開場のアナウンスを待って、中に入った。
こ>>続きを読む
1967年制作。日本人による女性初のマッターホルン北壁登頂、巨人軍優勝V9のうちの三分の一・V3(この時の対戦は阪急)などがあった年である。
妹から、面白いよ、と言われ、当時珍しいデパートの最上階に>>続きを読む
日本が中国に侵略していた頃の話である。斥候当番のBが、同年兵Aに話しかけた。
B「おまえ、眼がいいんだってな・・・」Aは、眼で頷いて答える。
B「だったら、あそこを歩いてる奴、撃ってみろ」
200㍍以>>続きを読む
1998年の映画、ブルース・ウィリスは、この年の12月「アルマゲドン」にも主演している。油が乗り切っていたが、すでに頭髪は、寂しくなっていた。
17年も経つと、映画って、やっぱりいいなあ、と思う。この>>続きを読む
フィリップ・シーモア・ホフマン・・・初めて観たのが「ミッション・インポッシブル」の何作目か、それから「ダウト」だったか、当作だったか、はっきりしないが、苦悩する心の内を、大きな表情も変えず観る者に、痛>>続きを読む
アナマリア・マリンカは、昨年末に公開された「FURY」に出演していたことを、キャスト表で知って、えー?!そうだったの、と驚かされた。もっとよく観てなくちゃ、と心に残った。
夜は、街灯もなく、野良犬が歩>>続きを読む
「大菩薩峠」に続いて、また観てしまった暗い雷蔵映画である。よく見ると、テニスの錦織圭に似ているな、と、ふと思った。
小学生のころ、朝礼の台に上がった先生が、突如歌い始めた。「粋な黒塀 見越しの松に・>>続きを読む
高倉健歴を「ウィキペディア」で見ると、出演映画の中に、小生が感想を書いた「疑惑の夜」は載っていない。新人時代の健さん映画、できれば、加えていただきたいものである。
本編上映中、得意先の社長から、「ま>>続きを読む
戦後の瓦礫から立ち直りつつあった日本で、いや、立ち直って復興途上だった、これほどの映画が造られたことは、奇跡に等しい、と言っても過言ではない。とにかく、娯楽というものがほとんど無かったから、映画館はど>>続きを読む
たまたま合わせたTVチャンネルで、ちょうど始まるところだった。何の予定もなく、知った俳優もいない、観る気もないままでいたところ、徐々に惹き込まれていった。
静かな田舎暮らしの夫婦の生活が、戦地から舞い>>続きを読む
当時、約一か月後に控えていたNY出張が、このテロ事件で中止になった。もし、このテロがちょっとずれていたら、私も巻き込まれていたのではないか、と思うと、身の毛がよだつ。さらに、本社のひとりは、この一便前>>続きを読む
30年以上前のこと、原作全巻を取り寄せて、読み始めたことがある。3巻目くらいで見事挫折した。「である調」「でます調」がごっちゃになっていて、それがなんとも我慢できなくて、先読みを諦めた。全集は、屑屋に>>続きを読む
入院・手術で、1か月以上、病院という名の監獄生活でした。そんなわけで、小生の書き込みはまったくのご無沙汰でしたが、皆さんの精力的な評論は、楽しく拝見していました。
ようやく退院して観たのが、「ストック>>続きを読む
介護保険料を二重に徴収されている私のような老人には、難解な映画である。何が、というと、名前と顔や、人間関係が途中でわからなくなってしまうのだ。ある時は、姉、妹、叔父、甥、そして、またある時は、名前その>>続きを読む
役者の方なら、「007(ゼロゼロセブン)」というシアターゲームを、少なくとも一回はやられたことがあるでしょう。
映画としては、新開発秘密武器など、陳腐なシーンも少なくないが、本編は、シリーズ中最高峰だ>>続きを読む
埼玉県本庄市町おこしのために、予算500万円程度で創られた映画。
劇場公開が、2011年10月の終わり、ちょうど3年前、日本列島は、東日本大震災による悲惨のどん底にあえいでいた。
そんな中でのこの映画>>続きを読む
原題「sweet vengeance」を、「スウィート・エンジェル」という邦題に変えたのは、なぜだろうか。
辞書を引くと、「sweet」には、「甘い」のほかにも様々な意味がある。「エンジェル」に、天使>>続きを読む
クリスティン・スコット・トーマスが、初めてスクリーンに登場した時、さしたる美人に見えなくて、がっかりした。眼のくぼみと顎骨ばかりが気になった。
やがて、レイフ・ファインズと出会い、パーティーでのダンス>>続きを読む
ライターと思えない野獣:ニコルソン、世間知らずな長身の妻:シェリー・デュヴァル、霊感少年:ダニー・ロイド、この3人が私には、どうしても家族として映らない。妻は、学校卒業間もないふうで、どうやって小説家>>続きを読む
「北北西」という方角は、私が見損なっているかもしれないが、映画の中には一切出てこないと思う。
「北」に向かって一直線ではない、「西」だと、左直角90度、その中間で、ちょっとばかり北の方角、これが「北北>>続きを読む
たまたま通りかかった映画館の大きなポスターが眼に入った。なんとなく惹きつけられて、時計を見ると、上映時間に適度な待ちで、ぴったんこ、懐具合は、ぎりちょん、だった。昼飯代がチケットに変身した。
前知識も>>続きを読む
タイトルの後、マシントラブルかと思えるほど長い無映像、いきなり薄汚い塀や壁に迷路のような路地裏か、薄っすらと雪・みぞれが降っている。錆びついた換気扇、四角の穴の中にカメラが入っていく。
およそ店とも思>>続きを読む
黒澤作品を訪ね歩く時、避けて通れないマイルストーンが、この映画である。彼は、撮影の季節を、映画の中とは逆にすることが多かったことでも、よく知られている。「七人の侍」も、冬だった。粗末なボロ着物で雨に濡>>続きを読む
このタイトルに、私は、今更ながら、心が和む。歳をとったせいだろう。ギターを爪弾きながら、気の向くままに世間を渡り歩くなんて、こんな贅沢な楽しみは、今となっては、夢の世界に等しい。
ガキの頃、親からもら>>続きを読む
秋刀魚が豊漁で安く買えるようになった。昨日も、大根おろしをいっぱいかけて食べた。美味い。はらわたと骨までしゃぶって、残ったのは、頭と背骨だけ。(2014.10.9)
この映画に、秋刀魚は、出てこない>>続きを読む
この第一作目は、ゴッドファーザーを中心とした家族・ファミリーの血縁結束継承を、マフィアの抗争の中で描いた復讐劇である。
家族の絆は強い。冒頭の結婚パーティーで、その面々が紹介される。俳優陣での親戚関係>>続きを読む
うっそうと生い茂る森の木々、見え隠れする眩しい陽の光、それを遮る枝葉、誰の目にも明らかな部分と、灰色と暗黒の見えない混沌の部分とが入り混じる空間、これが、まさしく「藪の中」であろう。
黒澤は、この映像>>続きを読む
夫である劇作家アーサー・ミラーと、この映画の後に、モンローは離婚している。
映画も、離婚OKの町にモンローがやってきて、離婚届を出す、という筋書きになっている。何か因縁めいたものも感じるが、実生活のた>>続きを読む
ラッシュを観ながら、アドリブ演奏したという逸話が残るマイルスのラッパは、当然のことながら、映画だからこそ心に浸みてくるもので、LP・CDだけ聴いても、さっぱりわからない、という人も多いのではないだろう>>続きを読む