警察とヤクザの癒着という深作映画おなじみの相互関係のなかで生きる男達の話。
今回の菅原文太は一味違い、単細胞な汚職警察。冒頭から、殴り込みに行くヤクザ達を止めるわけでもなく蹴るわ殴るわの暴れっぷり。>>続きを読む
アンワル爺さんが65年にインドネシアで起きた、共産党員や華僑に対する過激な大量虐殺を自ら再現していくドキュメンタリー。この虐殺の悪意は根深く、政府や新聞社とも共同で、あくまでも正義として行われた。>>続きを読む
組織や情勢などの状況により対立している人々も、一つの人間としてなら分かり合え、友情や愛を築くことが出来るというのはよく取り上げられるテーマで、この映画もそういった普遍的なテーマと朝鮮半島の南北での争い>>続きを読む
ジャズ大名のタイトルそのままで、大名がジャズをする素晴らしい映画。
時は戊辰戦争真っ只中で西郷どんが江戸をおとす前の話。アメリカきら駿河に黒人達が流れ着く。駿河藩にも映画が少し分かる者はいたが、言葉>>続きを読む
非常に良かった名作の小林聡美版に比べるととても残念な仕上がりになっていて悲しい。それがセルフリメイクというのも何とも言えない物悲しさ。
この映画自体はとても良いし、旧作には無い観点での物語や歌の使い>>続きを読む
福井を中心に繰り広げられる大抗争。何と言っても見所は松方弘樹率いるヤクザ共の丁寧な振る舞い。金庫の金を奪うのに「分からんかっ、強盗じゃあっ!」という懇切丁寧なご挨拶。始末をつける相手はきちんと丁寧に雪>>続きを読む
小説家のおっさんが故郷の小樽で少女と出会い、自らの傷や過去(実体)と向き合い解脱する話。
おっさんの書く小説はどれも小樽が舞台の中年と少女の恋愛物でアイスクリームのように甘ったるい物で、それと同じよ>>続きを読む
20年振りに出稼ぎに行っていたアメリカから故郷に戻った男はメキシコの治安がさらに悪くなり、まるで地獄と化していることに驚き悲しむ。弟は悪魔と恐れられるマフィアになり60発の弾丸を打ち込まれ殺され、親友>>続きを読む
家族や仕事仲間が離れていき、はぐれてしまった中年主人公が死んだはずの両親と出会う。ノスタルジックで感動的な親子の一夏の思い出は淡く優しく、物悲しい。両親の歳を超えてしまった主人公が年下の両親に甘えたり>>続きを読む
余韻の残る映画というのは特別なもので、胸に引っかかる何かがあり、単純な印象だけでは整理がつかずに無駄な考察をつらつら並べたくなるのは、映画の凄みにしてやられているからで、この映画もそんな特別な映画。>>続きを読む
素晴らしすぎる青春映画。尾道三部作のラストにして、最高のノスタルジーと人間愛。切なさと虚しさと可能性をフルに感じる映画。
前半は尾道の高校生のくだらない日常で、後半は謎のピエロ少女に惑わされながら親>>続きを読む
社会の圧力に押されるヤクザが公に縄張り争いを出来なくなり、アメリカナイズされていく社会の中で民主主義的発想で野球で争うというコメディ映画。
冒頭からやけにハイな菅原文太の殴り込みと野球が絡み出す展開>>続きを読む
コンビナートの利権争いで対立するヤクザ達と、建設予定地であるスラム街に住む住人との三つ巴の争い。
役者は菅原文太をはじめに仁義なきメンバーで構成されていて、なんだか同窓会のようなほんわかした気持ちにさ>>続きを読む
続編として、しっかり面白かった。相変わらずアクションはカッコ良くテンポも良い。シリーズ二作目は話が大きくなり過ぎて変な感じになるというシリーズあるあるを踏まえた上での風呂敷の広げかた。これ自体がもうボ>>続きを読む
物の見方によっては全ての事柄はあらゆる解釈が可能で、この映画では暴力という恐怖に横たわる笑いの要素に関してはとても繊細で丁寧に描かれる。暴力の緊張感の中で、正反対とも思える笑いがとても生き生きとしてい>>続きを読む
二つのヤクザを欺き、友のために復讐をする男を描いたハードボイルドアクション。大藪春彦原作なので清順映画らしからぬ意外な結末やそこにいたるまでの展開は緊張感たっぷりで、ヤクザ映画というジャンルをきっちり>>続きを読む
階段を転がり落ちた男女が入れ替わってしまうという定番の展開から始まる青春映画。
ジェンダー差別とも言えるほどに男女差を強調させた入れ替わった二人の言動の違いが面白い。尾身としのりと小林聡美の演技は素晴>>続きを読む
アニメ版の時をかける少女しか観たことがなかったので、淡い青春時代を描いたジュブナイルファンタジーだと思っていたが、映画版は全く趣が違った。時空を超えた純愛なんて発想はなく、未来から来たストーカーが可憐>>続きを読む
つける薬も無いくらいの馬鹿家族のハイテンション大喧嘩。
夢のマイホームにやってきたおじいちゃんという異分子によって、家族が乱され、夢の地は戦場に変わってしまう。
最も狂っているのは、自分だけが正しいと>>続きを読む
あっちゃん可愛い。やる気のないパグを見てるような可愛さ。
まず服装が良い。家でだらだらしてるときのリアルな色合い。大掃除の日にジャージを着て、形だけはやる気を出している感じが良い。ジャージにコートを着>>続きを読む
悪い男が一目惚れしたそこそこかわいい女の子を監禁し、純愛に目覚めていくという話みたいだが、この映画で表現される愛よりも女の子の生き方のほうがとても印象的だった。
生きる理由や目的なんて曖昧で、普段意>>続きを読む
認知症の母を介護するハゲ息子と孫、そして周りの人達の話。認知症になった母はすぐに物を忘れるようになり、突拍子もない行動をしたり、今のことはなおざりで過去のことを思い出すばかり。母の過去を通して、その人>>続きを読む
シリアスな顔持ちの面々の後ろに流れるチープでムーディーなBGMが笑いを誘う刑事物。香港警察だが派手なアクションは無く、淡々と進み、様々な思惑のもと結末へ向かっていく。クールで暴力的な血なまぐさい映画だ>>続きを読む
大林映画とはこうあるべきといったシュールな映像ではじまり、デンデケデケデケとベンチャーズのパイプラインの例のフレーズが開始5分で飽きてしまうほど執拗に繰り返される。ここでニヤッと出来たらこの映画に乗れ>>続きを読む
メタ目線のホラーからクトゥルフ神話方面に突き進む足腰の強さにはとても感動した。ホラー特有のベタ展開の秘密がオマージュまみれで明らかにされる。もちろんこの映画にとってのだけど。
そして核心に迫っていく主>>続きを読む
余命わずかと宣告された母と支える父。そして、母親のいない寂しさに耐えながら、母親の帰りを待つ息子達。来たるその日を前に母がしたかったこと、支える家族ができたこと。
そんな号泣間違いなしの感動作も大林>>続きを読む
シュールな映像で彩られたイケメンの苦悩。部屋や物のセンスがとても良くて、画面に映る物一つ一つを目で追うことに忙しくなるがそれはそれで楽しい。時々挿入されるイメージ映像は物語の暗さを和らげてくれるし、笑>>続きを読む
オープニングで運転する男が左にゲロを吐きながら左折するというゲロで舵を取る姿勢に洗練された何かを感じて、これがジョニー・トー映画なのかと興奮しながら童貞を散らした。
共感や感情移入をさせないくらいド>>続きを読む
アメリカのヒーロー物は大体がアメコミ原作なのであたりまえだが、アメコミ感ドバドバで好き。ざっくりとした展開や共感のできない悪役、アメリカ人のノリの面倒臭さとか一つ一つがアメコミ感を垂れ流してて良い。特>>続きを読む
素晴らしい映画のかっこいいオープニングカットを繋げて一本の映画にしたような美しい大自然ドキュメンタリー。自然と人、宗教と人、文化と人、そして仕事と人が次々と映し出される。圧倒的な自然の力強さや文化遺産>>続きを読む
言葉なんて覚えなければ良かったという詩の一節と言語と肉体の関連性をキーワードに女性が性の渦に巻き込まれていく姿を刺激的に描いた作品。女性達は「城」に辿り着くために身体を重ねていく。城とはカフカの城がモ>>続きを読む
悪魔に魂を売り渡した男と知り合ったばかりに、はずみで人をバッタバタ殺してしまう可哀想な主人公とその周囲の関係ある人もなさそうな人達ももろとも地獄へ落ちるファンタジーホラー映画。
監督の中川信夫はAT>>続きを読む
産まれたくもなかったオスカルは産後の父母の会話を聞いて3歳の誕生日にブリキの太鼓を買って貰えると知り、それまではと生きてみる。しかし、3歳になり、大人の嫌な部分を見てしまったオスカルは3歳で成長を自ら>>続きを読む
家族に起きる一つの亀裂。それは原子爆弾や水爆の被害から逃れようとする父親が家族を連れてブラジルに移住しようとすることからはじまる。家族を放射能から守りたい一心でその決断をするが家族には受け入れられない>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
23年間という月日はあまりにも長かった気がする。カルトの帝王の手法ももはやスタンダードとなっているのか既視感もあるし、あまり刺激的ではない。フリークスやボディペイントなどいわゆるホドロフスキー節もエル>>続きを読む
どう生きていくかという問題は誰にでもあって、きっと答えにはありつけない。そこに悩めば自ら命を絶つ人もいるし、悩みはあっても自分の仕事などに没頭してなんとかやり過ごして月に一度あるかないかの宴会があれば>>続きを読む