王と鳥の作品情報・感想・評価

「王と鳥」に投稿された感想・評価

るる

るるの感想・評価

4.0

このレビューはネタバレを含みます

王様と道化の関係を描いたアニメなのかな…とずっと気になってたやつ。そういうわけじゃないのか。鳥は、侠客というか、紳士なのね?

高畑勲がタイトルあげてなかったっけ、宮崎駿のほうだっけ。やっと。

ディズニーっぽい表現な気がしたけど、ディズニーの恋人たちの描写、あの艶かしい仕草、エロス、やっぱりとんでもなかったなと。

なんだろ、品があるな。2、3周回ってゲームの『カップヘッド』を連想したりした。

この場所ではこういうことが起きます、これが主題の場面です、このドタバタをしばしお楽しみください、このお歌をお楽しみください、場がはっきり決まってるあたり舞台というかオペラを思わせて面白かった。

絵から飛び出す羊飼いの娘、王様、本物の王様を落とし穴に落として成り代わる絵画の王様、見事すぎたな…見事すぎた。これ見られただけで満足。

警官隊、水上を走る舟も面白かった。蝙蝠のように空を、めちゃくちゃいい…秘密警察の概念って感じ、いい…

盲目の音楽家、良いな。世界への憧れに満ち満ちているな。

ロボットまで出てくんの!? と思ってたら、大量生産の王様のクローンが劣化していくあたり、めっちゃSFを感じて良かった。

そして物語は塔の上の姫を助け出す男たち、善良な男を手助けして進む精霊のフェイズに移行、よくできてるなあ。よくできてる。

牢獄で出会ったライオンを説得して王様へ牙を向く準備、王道いいなあ。

良かった。再見したい。
鳥は抑圧から逃れようとする自由意思の象徴だと思う。それを踏まえるとラストは美しく、重い。この物語の続きを僕ら観客はまさに今生きているのだと感じる。
大量生産される王様の像を落書きしてめちゃくちゃにしたり、盲目の男が奏でる音楽に恐ろしいライオン達が癒されて凶暴さを忘れるなど、どんな世界であっても表現や芸術の力は死なないことを教えてくれるようで少し嬉しかった。
Yusuke0523

Yusuke0523の感想・評価

4.3

このレビューはネタバレを含みます

『王と鳥』
(原題:Le Roi Et L'oiseau)

アニメーションの芸術としての可能性を飛躍的に向上させた、金字塔





あらすじ

タキカルディ王国を統べる王のシャルル5+3+8=16世は、国民を嫌い、また国民にも嫌われた、独裁者であった。
家臣もいつも王のご機嫌取りに勤しみ、機嫌を損ねた者は王によって奈落に落とされた。

そんな王を憎む、1羽の鳥がいた。
鳥は王に妻を殺され、次は罠にかかった息子を殺されそうになるが、寸手のところで救い出した。
王にとっても自らに不敬な鳥は目障りで、互いに憎み合っていた。

ある日の夜、王の秘密のアパルトマンに飾られていた絵の中に住み、お互いに愛し合っていた羊飼い娘と煙突掃除人は、城からの脱出を図る。
王が愛してやまないその娘を奪うために、王の肖像画が心を持って動き出した。

暖炉を伝って煙突からアパルトマンを逃げ出した2人は、生まれて初めて見る空に感激し、近くに住んでいた鳥の父子とも親しくなる。

脱出の騒ぎで目を覚ました王は、肖像画から抜け出した自分の姿に錯乱し、肖像画の自分によって奈落に落とされる。
肖像画の王は、まんまと本物の王になりすまし、家臣を欺いた。

手段を選ばずに羊飼い娘を追う王と、鳥の助力を得ながら城を脱出しようとする2人の逃避行が始まろうとしているーーー。










感想

僕自身、オールタイムベストに挙げている1本で、全ての映画ファンやアニメーション好きが観るべき作品だと思ってる

元々は、アンデルセンの『羊飼い娘と煙突掃除人』を下敷きに、詩人のジャック・プレヴェールが脚色を行って、アニメーション映画を作る予定だった
しかし完成が遅れに遅れ、功を急いた共同製作者のアンドレ・サリュは、プレヴェールと監督のポール・グリモーに断りもなく勝手に編集をして、ヴェネチア国際映画祭に出品してしまった
これが、1952年に公開された『やぶにらみの暴君』だ

結果この作品は審査員特別大賞を獲るなど非常に高い評価を得たものの、本国フランスではこれといったヒットもせず、不本意な状態で世に放たれたこの作品を忌み嫌ったグリモーとプレヴェールは、長年の歳月をかけてフィルムの権利を買い戻し、この作品を封印した
そして、この作品の一部のシーンを変更・追加して1980年に公開した作品こそが、この『王と鳥』というわけ

そのために、一部シーンに明らかにデザインの異なるキャラクターがいたりするのだけど、そこもまた一興で、ドラマを感じる

世界的に数多くのアニメーターに影響を及ぼした作品で、あのスタジオジブリもこの作品抜きには語れないほど強く影響を受けている
(ちなみに、『王と鳥』日本初公開の配給はジブリが行い、仏語翻訳は高畑勲氏が行った)

監督のグリモーは、実写の広告映画から入った方で、当時は珍しかった社会風刺が込められた短編アニメーションを早くから製作していたものの、長編はこの『やぶにらみの暴君』と『王と鳥』が唯一の作品となった
(これは、『やぶにらみの暴君』の版権に関する問題が長引いたためと言われている)

高く高くそびえ立つタキカルディ王国は、城自体が1つの国であり、さながら社会の構造の写し鏡だ
支配する層・される層を極端な表現でわかりやすく描いており、現代社会に通ずる皮肉も随所に込められてて、古さを感じるどころか今観ても恐ろしく新鮮な輝きを放った作品

話は終始暗いのだけど、それ以上に活劇として非常に観応えがあり心が躍る

人は誰もが檻に囚われず、自由に生きる権利がある
永久不変のメッセージが込められたエンディングが胸に刺さる
隠れた大傑作。

高畑勲に大きな影響を与えた作品。

独裁者による格差社会を、ユーモアを交えつつ描いたストーリー。

王様、側近たち、動物たち、ロボットの活き活きしたアニメーション。

最後のシーンも余韻が残り、観客の属する社会の見方を変えてくれるのだろう。

普遍的なテーマが内包された映画。今の日本に疑問を持っているなら、見るべき作品。
もも

ももの感想・評価

4.3
宮崎駿と高畑勲が影響受けた映画
アニメは現実の世界が大きく影響してるてことと
アニメだけど、理想主義と写実主義について明確に描かれてたり
宗教的な部分が反映されてたり
ジブリだけじゃなくてメリーポピンズとかいろんな作品に影響してるってのがわかって面白い
誰が観てもおもしろいと思う
二度目の鑑賞。閉店セールで格安ゲット。

もっと昔のアニメーションだと思っていたら1979年の作品だった。ロケットみたいなエレベーターとか他のハイテクが不思議に思えたが…1979年なら、なんら不思議はない。
飾られた絵から出てきた煙突掃除の少年と羊飼いの少女と肖像画の王様…本物の王様を奈落に落とし入れ替わったりして面白い。
城全体が階級式の町になっているのか構造が分かりにくいけど、はにわロボでか過ぎる…

最後、ロボの意思シーンはこの作品を捧げた相手に対してなのかな…そこだけ異質。

骨がない様なぬるっとした人物の動作がいい。昔の日本人女性もぬるっとした所作でそれがすき。たおやかと言うのかな…ただセル画でそういう動作を描くのはかなり大変だろうな。

少年が最後の方は色白になっているのとデジタルリマスターなのが気になった。
めっちゃ良かった。さすが、ジブリが影響受けた作品なだけあるね。

久々だわこんなに殴られたような感じになったの。未来世紀ブラジルとか、大友さんのメトロポリスみたいな、めっちゃ色使いポップで絵はめちゃくちゃ明るいディストピアもの。

背景画の下から撮るようなデザインも、建物の下層へ行くほど困窮する感じも、愚かな王様も、音楽もすべてが私の好きなものだった。

キャラデザもポップで可愛いんだよね。手塚治虫の作品とディズニーの昔の暗いアニメ足して割った感じ。

その上、音楽も素敵でずっと同じ主題を大切な場面で流すところも。ディストピアものはポップな方が心にくるよね。現代社会の縮図ってかんじ。

あとね、フランス映画っぽい皮肉味が所々にちりばめられているところもよかった。悲しくて寂しいのになんか笑えるみたいな、道化みたいな。

私の大好きな作品になった。何回だって観れる。
ama

amaの感想・評価

3.8
大学の映画の授業でアニメの部分で鑑賞して以来、なんとなくまた見たくなる作品。
ヒトラーの時代?のような歴史の教科書を見て漠然と感じる怖さがあったり。地上と地下の世界の描写は、現代人にも訴えかけてくる格差のようなもの(と習ったはず)とかが、なんとなく心がゾワゾワっとするし、わたしには少し理解しにくい部分もあったので少し調べてから見ると、なるほどーと思ったりできると思います。
adeleblue

adeleblueの感想・評価

4.0
フランスのアニメーションいいなぁ。ピアノ音楽も良かった。『やぶにらみの暴君』のラストも観てみたい。

独裁政治/格差社会/上下の支配構造
Aki

Akiの感想・評価

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ジブリ美術館ライブラリーからこの映画を鑑賞。
この映画、すごい世界だなぁと思う。
動物が人間(と言って良いのか‥この世界の住人を)労ってるところで優しい気持ちになる。

レビューにも書いてる方がいてますが私もこの映画怖く感じたなぁ、最後は自由を想像して怖くなかったけど、王が絵画の王と変わるところなど訳わからないところが所々怖かった。
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