
敵とは、自らが否定するものを根底的には肯定してしまっている不安定な「自己」である。
めーちゃくちゃ面白かった。日常と非日常を意図を持って対比させて見せている部分があり、言語外で仄めかす力、映像と…
預貯金が何年もつか計算し、収入に見合わない長生きを潔しとしない
設定はモームの短編『ロータスイーター』を思い出す。
それにしても、『異邦人』や『赤と黒』を挫折するのに
『失われた時を求めて』に出てく…
大前提、「水の合う映画」というものは存在し、今作においては私にとってそういう映画ということだ。
どの瞬間を切り取っても「いいねえ、こういうのが好きなんだよ」と訳知り顔で言いたくなってしまうシンデレラ…
『敵』Aホプキンス「ファーザー」の長塚京三版。自分一人の為に尽くす丁寧な衣食住で暮らす安寧な生活サイクルが段々と綻びを見せる。その原因は己の内側から蝕む〝老〟という抗えない障害であり題名は本症状の比…
>>続きを読むフランス文学教授、インテリでスマート、将来設計を軸に生活する主人公が長塚京三にピッタリだった。
後半は夢?妄想?が入り乱れるけれど、敵が何なのか抽象的に感じ取れる。
自分もこれから向き合う「老い」を…
料理シーンや食事シーンなど日常のシニアの生活を心和むように作られた前半から、妄想や夢で不安に包まれる後半への展開。大学教授のあるあるも取り入れながら、笑えるシーンも多々あったが、笑うに笑えない身につ…
>>続きを読む北から来る「敵」とは??
自身の人生の終わりを緻密に計算し、それまでを丁寧に過ごす老人。その人生が謎の敵にじわりと侵食されていく。
誰しも多少ある、人生にモヤがかる不安感。それは老いとか孤独とか…
このレビューはネタバレを含みます
白黒映画だということもあり、途中から全て夢だったのでは?とか、だんだん見ている側も夢と現実、死んでる世界と生きてる世界、自分と他者の区別がだんだんつかなくなって怖かった。
妻に、教え子に、自分の性欲…
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