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「暖流」に投稿された感想・評価

遠藤

遠藤の感想・評価

4.0
一つのショットの中で、登場人物達はよく動く。座る。座り直す、走る、話しかけるという動作。それを捉えるカメラと必然的に移り変わる構図。。。皆が言う通り、確かに爽やかだった。。
登場人物達の(現代人より比較的)奔放な性格は映画に相応しいと思う。
大天才増村保造監督の第三作目にしてすでに特徴が現れた病院における人間ドラマです。第一作目『くちづけ』も第二作目『青空娘』もかなりベタなドラマでした。これもベタといえばベタなんですが、増村保造監督が描きたかった「日本的で情緒的な関係ではなく、個人の意志」がちゃんと表現できてるんですよ。

放漫経営で倒産の危機に瀕した病院。その医院長の志摩博士。自身も病床にあり立て直す目処が立たない。そんな博士に再建を頼まれた日疋祐三(根上淳)はどんどんと改革を進めていきます。果たして病院は再建できるのか?と言う話です。

なんと言っても左幸子です!改革を進める日疋祐三の目となり耳となり、献身的に尽くす石渡ぎん(左幸子)。しかし、日疋は医院長の娘、志摩啓子(野添ひとみ)が好きになってしまいます。石渡ぎんは「そんなの関係ねえ!!!」と小島よしおのように日疋一筋。一点の曇りもない。いやあ、ここまで一直線にホレられたら、どんな男だって(たぶん)落ちますよ。すごく増村保造監督作品らしいキャラクターです。

そして、放漫経営の原因の一人である長男の志摩泰彦を演じる船越英二も素晴らしい!なんたる浪費家!なんたる楽天家!この人も悪い人じゃない。一点の曇りもなく自分の欲望に素直な人。ただそれだけなんですよ。この人もすごく増村保造監督作品らしいキャラクターだと思います。つまり、他人に忖度などせず、自分らしさを突き抜ける人たち。

この作品にはそんな人たちがたくさん出てくるんですよ。すげえな、すでに増村保造を作っちゃってる。ベタなドラマなのに、アッケラカンと我が道をゆく人たちしか出てこない。そこが新しい。のちの『妻は告白する』とか『清作の妻』みたいな凄みはないけど、その原型はこの作品の中に見出すことができます。
CTB

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5.0
野添ひとみの砂浜ダッシュの足跡👣キレイ。本気なのか、皮肉なのか、えええー、面白い事には違いない。
よ

よの感想・評価

4.5
めちゃくちゃ良かった
扉に始まり扉で終わる
塀を横並びで歩いて会話するところ良すぎた、あとシーツのとこ

ずっとビョーキみたいに笑ってた看護師はブランコで泣いて結果幸せになり、令嬢は結婚を断られて看護師みたいに笑いながら爆走するこの対比
令嬢と婚約者とその浮気相手との対峙も良かった
今日私の誕生日だわ!って年季の入った家で気づくの良すぎる、結局みんな落ち着くとこに落ち着く
てふ

てふの感想・評価

4.5
『巨人と玩具』や『最高殊勲夫人』と同じように、テレビ撮影が行われる場面があり、新たな媒体に対する監督の興味が伺える

201017 新文芸坐「増村保造特集」35mm
すごい!また傑作!
高速台詞回し、男女の三角関係を描いてる点など和式スクリューボールコメディとして成立してるばかりか、構図や移動ショットなど撮影面も決まりまくって、左幸子、船越英二、品川隆三/笹島(なんだあの医学用語を語るように浮気の理屈を述べるシーンは笑)などキャラも立ちまくり!(美輪明宏も出てる!)

タイトルの出方も秀逸で円環構造にもなってるし…

更に更に東京駅やホースでじゃれ合う場面、青空で野添ひとみの疾走など印象的なシーンも多すぎる(可哀想だけど、22なんてまだ若いんだし!)

あと誰も言ってないとこで言うと根上淳がカープの緒方(元監督)にそっくり!
え

えの感想・評価

4.0
テンポいい会話と左幸子の謎なキャラクターでお腹いっぱいになった 謎の満足感
「あたし馬鹿だからわかんないんだわ。あはは!」って笑いながら奥に走り去っていく左幸子、ブランコを全力でこぎながら泣く(ウェットであることの拒否!)左幸子、改札で根上淳を待ち伏せして突進してくる左幸子、スプリンクラーで水を浴びた左幸子が最高オブ最高。野添ひとみも負けるほどの増村による彼女の肯定が清々しい。カットをサクサク割るかと思ったらものすごい縦の構図とキャメラ移動で敢えて割らなかったり、撮影の緩急(村井博!)が素晴らしい
すごかったなぁ。
98分とは思えない密度。それでいて全く無理は感じさせない。
息もつかせぬセリフの応酬。でも間を取るところはちゃんと取っている。絶妙な編集感覚。

ルノワールの映画なんか思い出したり。『ゲームの規則』とか『恋多き女』とか。

左幸子演じる石渡と船越英二演じる泰彦のぶっ飛び方が鮮烈だったな。

画面もやはり全編にわたって隅から隅までキマってて全く隙がない映画だった。

【一番好きなシーン】
美輪明宏の出演シーン。その後の船越英二の青酸カリのくだりも含め。
あとはスプリンクラーの水を飲むシーン。
神田伯山もラジオで触れてた駅のシーンの左幸子も確かにすごかった。
ずっと全部すごかったけど。

このレビューはネタバレを含みます

三角関係?四角関係。。。
言葉できちんと伝わってくる脚本っていいのだろうな。
時代も面白かった。
説得力があってキャラクターの背景がよく分かったし、はじめはぎんを利用していた日疋が彼女のひたむきな愛情に気付いて、気持ちが向かっていく過程が圧巻です。
ぎんは率直で素直なところが結局のところ憎めなくなってしまい可愛い。けれどお嬢さんでプライドも高い啓子が好きです。