きのう、ママンが死んだ。しかし私は死んだ母の顔を見なかった。翌日にはマリーと海に行き、太陽の光を浴びてまどろみながら、彼女の腹を枕に寝そべった。結局何も変わりはしない。太陽の熱い視線を浴びながら私の…
>>続きを読むあのアルベール・カミュの不条理を描いた文学小説『異邦人』を、あのルキノ・ヴィスコンティが映画化した1967年の作品。
カミュの『異邦人』は数年前に読んでいますが、ヴィスコンティによる映画は原作をほ…
YouTubeにて「木曜洋画劇場」での放送と思われる吹き替え版鑑賞。
原作を読んだのが5年くらい前なので確かなことは言えないが、僕の思うムルソーのイメージは若さ以上に疲れや諦念を持つ男であり、それ…
ムルソーが個人的に原作とイメージが違ったのだけどまあそれはどうでもいい。
映画は小説と比べて歴史が浅くて、科学技術の発展と共に歩んでいるような媒体だからそれが作られた当時の現在性を後世になって受け取…
権利問題とヴィスコンティ自身の失敗作との評価により世間一般でもそれほど評価も高くない本作も、原作を生かした堅実な作りはより評価されるべき一作。
カミュの原作を生かしながら、より分かりやすく、す…
ご存知カミュの小説をビスコンティが、原作を忠実に映画化した作品。難解な原作をわかりやすく映像化されておりDVD化が望まれている作品だが、カミュ本人の意向や遺族の了承など得られないためその後の公開や映…
>>続きを読む文学作品を映像化すると、どうしても心理描写を独白に頼らざる得ないのだなと感じた。どこかイメージしにくかった部分が映像になり、わかりやすくなっているのは助かる。しかし、わかりやすくとも、文学として楽し…
>>続きを読む一方的な価値の押し付け。その偽善的判断の結末。あるいは、当人ですらうまく掴めない感情の不可解さ。
ヴィスコンティは、アルベール・カミュの原作が持つ、人間の曖昧な本質とその暴走の恐ろしさを巧みに捉えて…
罪人が罪悪そのものではなく人間性や側面ばかりがあげつらわれ極悪人に仕立て上げられてしまう恐ろしさ。一つの事象を、私情を挟まず客観視する者と、疑惑の穿った目で見る者。それぞれが見たものは同じなのに違っ…
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