にっぽん戦後史 マダムおんぼろの生活の作品情報・感想・評価

にっぽん戦後史 マダムおんぼろの生活1970年製作の映画)

製作国:

上映時間:105分

3.9

「にっぽん戦後史 マダムおんぼろの生活」に投稿された感想・評価

冒頭の出演交渉シーン、今村昌平のしゃべり方が演技っぽかったのは気のせいかな。

『赤い殺意』とか『にっぽん昆虫記』とか、今村昌平の好きそうな女性像がこのドキュメンタリー作品でも前面に出てる。
芯が太そうな中年の女性というか何というか。オーラとか(笑)。

個人史と社会史が同じ「戦後史」として語られる。

米兵がベトナムの非戦闘員を虐殺したニュースに関して、主人公(マダム)は「実際にこの目で見たこと以外は信じない。アメリカ人は良い人」とコメントするあたり、何ともアッサリと自分を貫き通すマダムその人の魅力が表れている。
イマイチ。途中差し挟まる当時のドキュメンタリーフィルムをそのまま観せて欲しい……!
営みは社会とそりゃまあ密接に関わっているのだろうけど、じゃあ世界とはどうだろう。直接まぐわうことは殆どない。でも。毛穴の一つ一つに湿気みたいな存在感でまとわりついたりはすることはあるのだろう。拭き取ることはできるけど、湿度が高いとまたじわりと現れる。また拭き取る。どう対処していくかはそれぞれで湿度のない世界を!と言い出すかもしれんしずっと我慢し続けるのも別に構わない。でも無視してはいけない。その気配をどう感じているのか。良い感じ?不快?匂いは?自分の尺度でちゃんと気づいてないと。
たみさん、すごい。最強。成り行きではあるけれど世界に対して真っ向から突っ込んでる。
ニュース映像とマダムの私生活を対比させ、ドキュメンタリーとフィクションへの問題提起をする意図があったように思えるが、見事に破綻している。マダムの個性に振り回され女三代記の様相を呈する。被差別部落問題や屠畜業への差別が影を落とす。
神

神の感想・評価

4.5
あっけらかんとした語り具合も、したたかな生き様も全てが強烈。面白かった。
tonkara

tonkaraの感想・評価

4.0
渋谷シネマヴェーラにて。この作品は高校生のときに京都文化博物館の視聴覚ブースのビデオ素材を観た、という記憶がある。ひさびさに観て圧倒された。今村昌平という特級人でなしが撮るドキュメンタリー、関係した全員(スタッフならびに観客)がすべて下衆の極みになっちまう、なっちまう。今村昌平のあざとさを原一男は否定した、と判る。
TeT

TeTの感想・評価

3.3
2016.2.24 シネマヴェーラ

インタビュアー(今村監督?)の質問の仕方がたいへん小気味よかったです。
buccimane

buccimaneの感想・評価

3.5
マダム以外の人の生活にも思い至る作り。
男みんなイケメンでやる〜と思った。
アケミさんもいけてた。
戦後の逞しき女性の獅子奮迅。
あまり好ましいと思えなかったメインキャラクターだが、彼女のポジティブさやへこたれない精神に次第に励まされる。
歴史的事実を挟みつつ彼女の話を聞くと、不思議にそこにハマる感じがあるのね…。
ALABAMA

ALABAMAの感想・評価

3.5

このレビューはネタバレを含みます

東宝作品。今村昌平監督のドキュメンタリー映画。この作品は取材対象への出演交渉の段階からカメラを回し始めている。この映画に出る事が被写体にとって何を意味するかが窺えるシーンだが、音声が中々聞き取りづらかった。終戦から戦後の歴史を日本史、そして赤座家史を交互に織り交ぜながら辿っている。大きな集団である国家の歴史と、小さな集団である家族の歴史を併記してみることによって様々な角度から戦後を見つめることができる。玉音放送、講和条約、闇市、朝鮮動乱、皇太子御成婚、安保闘争、ベトナム戦争、原子力空母の入港など様々な事件を庶民の目線でも垣間みる。例えば玉音放送を聞いた印象はやれやれと思っただととか、皇太子御成婚はあんなに派手にしなくていいんじゃないかとか、デモには興味がなくてデモを横目に『風と共に去りぬ』を観に行ってただとか。他人の家族の昔話など他人である我々にとっては本来的にはどうでもよいことだと思いがちだが、そこから見える真実が存在するということにこの映画を観て気付かされた。戦争という大きな暴力が落とした影が渦巻く戦後。その戦後という時代に決して裕福ではない、むしろ世間的に観て卑しいとされる水商売で生計を立てる一家がどう生きるために立ち回ってきたか。家族にとっては戦争のことよりも家族がどう生きたかが大事でそればかりを語りたがる。国家の争いである戦争は庶民には厄介ごとに他ならないのだなといった印象。
冒頭や終盤に意図的に差し込まれた牛を屠殺する様子は一体何を意味していたのか。制作者の主張は語られない。ただ流れる映像には強烈な意志が感じられる。いろんな人に観てもらって話し合いたい作品。