クラッシュの作品情報・感想・評価

クラッシュ2004年製作の映画)

Crash

上映日:2006年02月11日

製作国:

上映時間:112分

ジャンル:

3.8

「クラッシュ」に投稿された感想・評価

どどどどどうしよう!
「これは好きだー!!」という映画に巡り会ってしまった!

クリスマス間近のLAを舞台にした群像劇。

テーマは人種差別。一つのcar crash(交通事故)を起点に前後の丸一日を描く。接点のない多様な人種の7組のキャラクターが互いにcrashする(ぶつかる、触れ合う)事で、それぞれの物語に変化が現れる。

一見無関係に思われる人々が相互に影響を与え合い、思いもしない方向へ物語は展開する。素晴らしい脚本力!
それぞれの物語が同時進行で交差していく様は見事。

この映画はcar crashで始まり、中盤に大きなcar crashが起き、最後にcar crashで幕を閉じる。その構成がまた緻密で美しい!

キャストも豪華!それぞれが確かな演技力でキャラクターにリアリティを与えている。

特に印象に残るのは、中盤のcar crashとマイケル・ペーニャ(大好き!)演じるキャラクターによる「透明マント」のエピソード。この二つは泣ける!

この映画の面白い所は一見悪い奴等が、ふとしたきっかけで善い人になったり、逆に善人に見えていた人達がひょんな事で悪へと転じてしまう事。

特徴的なのは、マット・ディロン演じる差別主義的なセクハラ警官と彼を嫌悪するライアン・フィリップ(久し振り!)演じる正義感の強い後輩警官。彼等の印象が物語の初めと終わりで全く逆転するあたりがこの映画の真骨頂。

無造作に配置された白と黒のオセロが、互いにぶつかり合うと反転する様な印象を覚えた。

結局白人でも黒人でもヒスパニックでもメキシコ系でもアジア人でも「根っからの善人もいなければ、根っからの悪人もいない」という事。◯◯人だから悪いなんて事は絶対になくて、僕等は互いにぶつかり、触れ合う事で良くも悪くも影響を与え合いながら生きているんだと気付く。

朝のラッシュに揉まれながら、今日1日ぶつかる誰かに、出来れば良い影響を与えられる様な人になりたいな、と素直に思わせてくれる映画。

きっとこの映画にハマる人もいればハマらない人もいる。
それでも僕は大好きな映画だと大声で言いたい。
きっとそれでいい。
それが多様性なのだから。
とも

ともの感想・評価

4.0
この世界の単なるひとつの出来事でも、関係する人にそれぞれドラマがあり、どこかで繋がっている。
さまざまなアメリカの社会問題を取り上げてるが、特に「銃」は何もかもを無にする根深い問題だと思う。
2回目なのに 感動でかい🍷
不思議な映画と言えばフシギで、作品そのものに魔法染みた特別なオーラが掛かってる。 それを説明すれば、
クローネンバーグ監督、ロザンナ・アークエット主演の「クラッシュ」と間違えて借りたのに、いま 観るべきものは 「こっち」と、映画の神から啓示を受けたなどと、アホなことを考る始末(笑)
●「バベル」「マグノリア」のように、複数のドラマが同時進行し、クラッシュしてつながる、よくあるパターン なのに
善と悪が両方内在してバランスを取っていることを正面からぶつけてくる。

●ネタバレ
父「弾も何も通さない 透明マントさ」
―鍵屋が自宅で、5歳の娘に着せてあげる 振りをする――――――――――――――
父「アゴを上げて きつくない? きてる感じは?」
父「娘ができて 5つになったら あげるんだよ」
――――時が経ち 修理を頼んだファハドは 鍵の修理の際 ドアを直さないと無意味いう鍵屋のアドバイスを無視、その後 強盗に合い保険が効かなく無一文。激情したファハドは鍵屋に逆恨み、帰宅を待ち 銃を向ける―――
ファハド「ないなら 車をよこせ!」
鍵屋「落ち着けよ 50ドルある」
ファハド「すべて失ったんだぞ」
出されたサイフを 払い落とす――――――
娘「パパは透明マントを 着てない」
ドア越しから観てた娘が 慌てて外に―――
妻「でちゃだめ!」
娘「大丈夫 私が守ったげる」
――――銃声!――――――――――――
娘「パパは 平気だよ すごいマントだね」
・・・・・ファハド 銃を持ったまま、呆然と 立ち尽くす・・・・そして・・・・・・
――――ファハド 帰宅、ファハドの娘が異変に気付く――――――――――――――
ファハド「女の子を撃った その子は無事だ フェレシュテ(天使)だ」
ファハドの娘「何を 言ってるの」
ファハド「持っててくれ 何も心配ない
大丈夫だ」
―――――銃を娘に渡す――――――――
ファハドの娘「ええ パパ」
ファハドの娘が弾薬を買った赤い箱、
見ると"38Special BLANKS(空砲)"と書いてある
人と人との多重事故こそ、人間が共に生きていくための糧である。
あやか

あやかの感想・評価

5.0

このレビューはネタバレを含みます

 正直全く期待してなくて人に薦められなかったら巡り会わなかったと思う。けど個人的大ヒットして、ゼミの勉強のためとかじゃなくて普通に鑑賞したかったからもう一回見ようと思う。
 人種差別の根本にある部分をあらゆる視点から描いていてかなり勉強になった。こんなに色々な角度から描けるのは人種のサラダボールって言われてるアメリカを舞台にしたからこそだよね。これを見ると間違いなく人種差別問題の根深さと解決の難しさを感じると思う。世代を超えて継承されていく根底にある価値観が無意識に体の中に入ってるから、人種差別主義者に不快感があっても実は自分も悪気なく関わっているかもしれない。だからこそこのぶつかり合いはかなり複雑。だけど見た目じゃ正確に判断つかないくらいの人種にこんなにこだわってるけど、誰もが色々な悩みがあったり思いやりがあったり結局は同じ人間。エンディングを見ていて人種的な色は違うし、ぶつかり合うけど同じ社会で生きていくっていうことが不思議で感動的だった。
yu

yuの感想・評価

4.1
"人はぶつかりあう。人は人を傷つける。
それでも人は、人を愛していく。"

クリスマスを間近に控えたロサンゼルスで発生した1つの交通事故を起点に、様々な人々を取り巻く差別、偏見、憎悪、そして繋がりを描く


あらすじも読まずに鑑賞したから、勝手に想像していた物語と全く違ったけど、、好きなタイプの映画でした◎

複数のエピソードが同時進行していき、ストーリーが進むにつれて登場人物たちがいろんな形で交わっていく

派手な演出も少なくて地味と言えば地味なのかもしれないし、差別や偏見が大きなテーマとなっているので結構重ためでしたが、また観たいと思えるような深い映画だった

ジャケットにもなっているシーンが一番印象的だったなあ
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