不毛地帯の作品情報・感想・評価

「不毛地帯」に投稿された感想・評価

ノリオ

ノリオの感想・評価

3.8
山崎豊子の同名小説を映画化して社会派ドラマ。

壱岐正(仲代達矢)良くも悪くも軍人の手本のような人物で、誠実で堅物だが非常に優秀である。
シベリアに抑留され、国家の戦争責任ではなく、大本営参謀である自分自身の戦争責任を考えされるようになった壱岐だが、彼の行き着いた答えは「戦うからには勝たなければならない」ということだったと思う。

第二の人生の歩み方を模索していた壱岐だったが、徐々にその闘争心に火が点いていく。
仲代達矢はこの壱岐という男の変化を、実に丁寧にかつ繊細に演じている。

181分という長尺だが、壱岐は劇的には変化しない。
緩やかに静かに変わっていく。
淡々と自らの任務(仕事)をこなしていく様はやはり軍人だ。そこに自らの感情を悪戯に折り込むことはない。


仲代達矢の以外のキャストも好演が光る名作。
大滝秀治が33年前からほぼ変わっていないという点にも驚愕させられる。
監督が山本薩夫なので安保反対、戦争反対をいれてくるんだが壱岐正の生きざまに圧倒されどうでもよくなる。あらためて今の状況を感じると安保を真面目に考える時だと思う。でもこの当時は、反対すればいい感じもありどうかなあと改めて感じ入りました。長い原作をここまでまとめたのは、脚本家の腕だと思う。
昭和30年代、2次防予算に絡む次期戦闘機種を巡るアメリカ航空会社、日本商社の暗躍と政治家の利権争いを描いた山崎豊子原作の映画化。フィクションですと言いながら殆どロッキード事件を彷彿させる内容。ほぼライバル商社に決定しかかっている劣勢を挽回する為に陸軍参謀部将校で11年間のシベリア抑留をした男(仲代)を会社に迎え入れる。男はもう2度と戦争に加担するような仕事に就くことは固辞するが、戦時中命を助け戦後抑留中には家族を助けられた陸士同期で現在自衛隊幕僚将官の男(丹波)との絆からこの利権争いに巻き込まれ、いつしか率先して策略を巡らし機密文書盗用や賄賂攻勢で形勢を逆転していく。国のため、同志のため、家族のため、会社のためを思いながらも犠牲者を出し泥沼に嵌まり込んでいく。敗れた相手方にも同じ思いがあるはずで正に不毛の構図。本件に限らず世界を股にかけて知略を尽くす日本商社の物語として観る分には面白い。
『華麗なる一族』『金環蝕』に比べていまいち落ちるのは、物語が実質未完なこともあるが、全2作に比べてキャストを持て余し気味なのも大きい。

複雑な物語と登場人物の多さを高いレベルで整理してはいるものの、「登場してるだけの人物」の割合が多い。
特に、円熟しているはずの田宮二郎の使い方がいかにも過ぎてつまらない。
女性陣の使い方ももったいない。
男性陣の血の通った描写に比べて、八千草薫、藤村志保、秋吉久美子の扱いは悪い意味で贅沢。
2年位前に原作を読了し、立て続けにドラマ版(2009年版)をレンタル鑑賞。

最近、仲代達矢氏の主演作にこの作品があったのを知ったので本作をレンタル鑑賞。

昭和30年前半が舞台。
建前正義の民間商事会社と国防を隠れ蓑に 利権第一主義の政治屋との リベート当然 賄賂上等な次期主力戦闘機トライアルを軸に、牛鬼蛇心、魑魅魍魎が闊歩する政財界を描く、濃厚蒸し々々な企業ドラマ。


原作者の山崎先生はお気に召さないらしいが、個人的にはあの長編を3時間で適切に要所良くまとめていて、まぁ 及第点かなぁ……と偉そうな感想😅

特撮やら、セットやら色々気になる点は多々あったケド、まだドラマ版の記憶があったので なかなか楽しめました~!


近代日本映画史の歴々たる名優達の演技見るだけでも価値有り!👍️
自衛隊新型戦闘機選定を巡る策謀の嵐。

『椿三十郎』以来の仲代達矢で嬉しい。
Itasin

Itasinの感想・評価

3.9
昭和の社会派作品。少し前までこのような作品はテレビでもやってたのに。今でも通用すると思うが、時代ではないか…。
自衛隊の次期戦闘機をめぐる商社と財政界の権謀術数。ラッキード社やらグラント社やらの社名が出てくるが、時代背景は昭和30年代中頃。なので総理は田中角栄ではなく岸信介そっくり。さらに久米明、神田隆が演じる池田勇人と佐藤栄作にそっくりな大臣が登場。

前半はゆっくり進むが、貝塚官房長(小沢栄太郎)が登場してから映画の熱が上がる。登場人物たちの化かし合いにどうしても目が行くが、映画の真ん中にあるのは、主人公・壱岐正(仲代達矢)と川又(丹波哲郎)の友情だった。
再鑑賞。
初見は高校生の頃にレンタルで。

山崎豊子による同名小説の初映像化作。
原作既読。

自衛隊の戦闘機選定を巡る、商社と政財界のどす黒い人間模様をスリリングに描いている。仲代達矢、丹波哲郎ら、豪華実力俳優陣が繰り広げる白熱の演技合戦も見もの。これぞ社会派映画!

原作のファンでもあるけれど、それと同じ位本作も好き。気づくと前のめりになって観ている。この面子で生々しいストーリー(現実はこれ以上だろうが…)。何度観ても飽きるわけがない。
みっき

みっきの感想・評価

3.2
主人公の壹岐正は11年のシベリア抑留後、陸軍中佐で参謀としての経歴を買われ、近畿商事に入社し航空自衛隊の次期戦闘機選定争いの仕事で辣腕を振るうことになる。

初、山崎豊子作品〜

なんつーか…、政治とか経済の裏側ってどろどろしてるんだろうな〜という感想(軽い)
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