バーバラ・ローデン、生涯の代表作。
何者でもない、何者にもなれない。
地位も名誉も、お金も何もない女の、無味無臭な逃避行。
物語のモチーフとして役不足すぎるワンダの姿が、彼女と同じように何者でもな…
映画はスペクタクルであり男のためのもの、の真反対に舵をきったことの現代っぽさはとてもよく分かった。
それだけにラスト手前に比較的分かりやすいメロドラマが入るのは、私はちょっと勿体無い気も。勿論、本作…
ポスターの女性のなんとも不思議な表情に惹かれるのだけど、観るのは勇気がいった。
映像やざらざらした質感はレトロだが、1970年の作品とは思えない時代の先取り感。バーバラローデンの半自伝的映画。
な…
このレビューはネタバレを含みます
死ぬほど面白い。
ありきたりな逃避行だが、説明的描写がないながらも悲哀感や無力感がダイレクトに伝わってくる。
同じようなストーリーのリバーオブグラスとは対照的で、もはやどうすることもできない絶望感…
アイス屋さんの前で男に捨てられたワンダに、ソフトクリームをそっと無料で渡してあげる店員が面白い。
ワンダの存在感がいい。少女ムシェットほどブスッとはしていない程よい諦観と、でも実はすごく繊細なのでは…
「所与」の映画!自分の意思をもたず流れるままに着いていった先で何が起こるか。主人公が知らないことは俺だって知らない。だから映画を観るというよりは、見守るみたいな感覚だなー
演技やら踊りを観てもらうに…
このレビューはネタバレを含みます
多くのアーティストから熱烈に支持された幻の傑作。ほとんど派手な演出もない。最後の酒場の場面が意味深。周囲の喧騒から孤独状態で黙々と何かに食らいつく長回し。刹那的に流されて生きながら、デニスと銀行強盗…
>>続きを読むこの荒涼感こそ、どこで、どの時代に、どのような状況に置かれていようとも、私たちが最終的に向き合わざるを得ないものだ。酔っ払いながらウイスキー瓶を持って車の屋根に上がり、リモコン飛行機に向かって叫ぶデ…
>>続きを読む(C)1970 FOUNDATION FOR FILMMAKERS