勝手にしやがれ!! 逆転計画の作品情報・感想・評価

勝手にしやがれ!! 逆転計画1996年製作の映画)

製作国:

上映時間:80分

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3.6

「勝手にしやがれ!! 逆転計画」に投稿された感想・評価

netfilms

netfilmsの感想・評価

3.9
 冷水の桶に浸かった瓶ビール、七輪の網の上に置かれた松茸、炊きたてのご飯、ちゃぶ台に置いたビールをくいっと飲み干す雄次(哀川翔)を耕作(前田耕陽)がいつものママチャリで迎えに来る。2人乗りのチャリンコは海岸沿いを東へ。鏡の前で衣装合わせをする雄次は、耕作のキャベツは芯の方が好きか、それとも葉っぱの方が好きかの問いかけにも答えようとしない。たばこ屋の看板娘・サツキ(仁藤優子)に一目惚れした雄次は、早速、彼女に接近しようとしたがなかなかうまくいかない。その上、借金のカタに奪った車で事故を起こして、車を廃車にしてしまうわ、テレビは壊れるわ、麻雀をやれば負けるわで、すっかり運にも見放されたようだった。ようやく福引で当てた一等のウォークマンがきっかけとなって、雄次はサツキと仲良くなることができたのだが、ツキを取り戻そうと競馬に挑戦して全財産をスッてしまい、またまた落ち込むことになった。そんな折、ひょんなことから雄次は白い背広を着たヤクザの黒川(下元史朗)の絶命現場を目撃し、彼の手に握られた1000万円の入ったトランクを手に入れた、だが黒川は息をしており、すぐにそのことが黒川にバレたために金を返すことになるが、1000万は雄次が隠しておいた場所から消えていた。上納金を収めなかったことで銀星会から追われることになった黒川とともに、雄次と耕作も逃げ回る羽目になってしまう。

 哀川翔と前田耕陽の凸凹コンビの珍道中を描いたVシネマ『勝手にしやがれ!!』シリーズ第四弾。雄次は住み慣れた部屋を引っ越すが、2人の関係性は変わらない。今作ではツキにツキまくる耕作と、一貫して運に見放された雄次との対比を極端に描いている。「ここではないどこか」への登場人物たちの渇望はここでは語学留学を夢見るヒロインのハワイ行きとなり、天使のように見えた女の化けの皮が剥がれる展開はシリーズ1作目の『勝手にしやがれ!!強奪計画』と同工異曲の様相を呈す。心なしか脇を張る下元史朗扮するヤクザ像は『勝手にしやがれ!!脱出計画』の高部のように情に脆く、仁義に厚い昔気質のヤクザそのものである。たった1人で黒川組を取り仕切る黒川と雄次の一匹狼同士の友情、1作目の國村隼のような銀政界幹部・小笠原(SABU)の快演ぶり、1000万円の行方はいつしか追う者と追われる者の三者三様の追いかけっこに繋がって行く。立教大学の後輩である塩田明彦の脚本は、黒沢の脚本のような大きな破綻は抑えることに成功しているものの、逆にその破綻なき展開がやや物足りないきらいはある。哀川翔と前田耕陽の関係性がシリーズ中、最も不明瞭であり、大杉漣や洞口依子らの出番も必然的に少ない今作は、オリジナリティの面でも黒沢清の単独脚本だったシリーズ1作目を追尾する。
佐藤

佐藤の感想・評価

-
最高。

工場に向かう三人を捉えたショットは、「不穏」「厭」なんて言葉で語られる今の黒沢清に通ずるものを感じる。
黒沢清監督の「勝手にしやがれシリーズ」の第4作目。 

3作目同様のオープニングで始まり、「2人は殺せない、出国するなど2人を居なくすることができない」などの制約の中で作られた連作。 
このシリーズは、黒沢清監督が著書で書いているとおり、「2本ずつまとめて撮っていた作品。1作目&2作目、次は3作目&4作目…というように。」なので、オープニングやセットが2作ずつペアになっている。 

相変わらず、ものすごくいいかげんなチンピラ2人(哀川翔と前田耕陽)が、これまたヘタレなヤクザ達と繰り広げるドタバタ劇が楽しい。 

チンピラ哀川翔が、タバコ屋の娘にホレてしまって、自分が抽選で当たった(当時高価だった)ウォークマンをその娘に貸してあげる。娘は英語を勉強しているとのこと。 
そこに連れのチンピラ前田耕陽は抽選で「ハワイ旅行」が当たって英語の勉強する…という『かなり出来過ぎ』の展開が楽しい。 

チンピラ哀川翔が白服ヤクザ黒川から1千万円を失敬して、それを更にタバコ屋の父に盗まれて娘が競馬で使い込み…と続いていくが、もの凄いことは起きないこのシリーズならではの安定感。(笑) 

個人的には、福田正博のPKシーンが嬉しかった。なおかつ、福田の現役時代の姿をテレビ映像で見られて、懐かしさを感じた。 
ただ、テレビ故障でPKを蹴る場面が見られず、映画の中のチンピラと同様に若干イライラした(笑)。 

楽しい黒沢清監督作品である。
シリーズ化されているとは知らないで、黒沢清監督の「勝手にしやがれ!」だけで借りようとしたら店頭にこれしか見当たらず観てみた。
このシリーズの中では一般の評価は「普通」らしいが、私は幾つものシーンの俳優陣の動線の使い方が本当に流石だと思った。黒沢清監督は相米慎二監督の「セーラー服と機関銃」で助監督として入ったりして映像を学ばれたらしく、何処か似ていると思った。魅力的な長回しが多いのもそのせいなのだろう。ラストに「森のくまさん」の歌を主人公に歌わせたのも相米慎二監督の「お引越し」にそっくりだと思った。
このシリーズの他の作品も是非拝見したい!
ほし

ほしの感想・評価

3.5
冒頭の横→縦→斜め→タイトルの流れから秀逸。

700点を1本撮るより70点を10本撮る方が難しい。
剛

剛の感想・評価

3.5
シリーズの中では確かに普通。
可もなく不可もなく。
ところでたばこ屋って最近見なくなりましたね〜
maya

mayaの感想・評価

3.0
ラッキーストライクが250円だなんて良い時代ですね。
シリーズではいちばん平均的、癖のない作品かもしれない。目立って良いところも無かった。