午前中の時間割りの作品情報・感想・評価

「午前中の時間割り」に投稿された感想・評価

旅の途中で友人(国木田アコ)を亡くした女子高生(シャウ・スーメイ)が、自分たちで撮影していた8ミリフィルムを映写していく。1972年、シラケ突入時の若者の内面的葛藤をメランコリックに描いていく、ATGの実験的作品。主演の国木田アコは国木田独歩の曾孫。

いわゆるひとつの「生き甲斐を見失った少女が、自分探しの旅に出る」系統の作品。現実世界(束縛された世界)をモノクロ、8ミリの世界(開放された世界)をカラーで描写しており、ふたつの世界を行き来しながら物語が展開する。

まるで、1972年の空気をそのまま閉じ込めている、真空パックのような作品。台詞演技が上手にできる演者がいないため、多分に苦笑が漏れてしまいがちだが、ふたつの世界の温度差を伝えてくる手法と荒木一郎監修の楽曲により、雰囲気作りは満点。

フランスのヌーヴェルヴァーグやチェコ映画「ひなぎく」が好きな人、70年代初頭の世相・風俗に興味がある人、フィルムに興味を示しているデジタル世代の若者にオススメ。
こづ堂

こづ堂の感想・評価

3.6
ある人たちの貴重な記録を覗き見したような感覚。
自分も気の置けない人たちとカメラで動画を撮って記録したくなった。

シャウスーメイが美しい。
音楽も含めて、とても「日本的」で外国人にウケそう。
菊池2018

菊池2018の感想・評価

4.0
良いか悪いか、好きか嫌いかもよく分からないが、とにかく国木田アコが凄い
BiSってアイドルグループがあって、彼女たちの曲のプロモで『全裸で森を駆け抜ける』シーンがあるやつがありました。「MY Lxxx」って曲だったかな?

それに凄い似てるな、ってシーンが作品内にありました。まさかこの映画の影響ではないでしょうけど(^_^;)

羽仁進監督作品は多分初鑑賞。どんな作風の作家かも知らないで観ました。

物語的には高校生の男女の現在の生活。
それと女の子の方が友達二人で旅に出た時に撮影した8ミリ映像。

この二つの物語が交互に展開します。

女の子の友達は冒頭、死んでしまったことが明かされます。

現在視点の高校生男女の話は、友達を亡くして失意の日々を送る女の子とその子に恋する男の子の話。

旅のフィルムを観るうち、女の子二人が全裸で戯れる姿が写し出されます。撮影者は誰なのか。そして、なんで女の子の友達は死んだのか。

最後まで旅のフィルム観終えたときにわかる真相とは。。。

ってお話。

かわいい女の子が写ってる8ミリフィルムって、それだけで雰囲気ありますね(*^^*)

70年代のATG作品ってことで、アングラ臭プンプンだし、出演者も素人演技だし、アテレコも全然あってないし。

でも、町の風景なんかも含め時代の空気を感じられる作品でした。
otom

otomの感想・評価

3.4
素直に認めちゃイカン気もしなくはないが、なかなか見所もあるにはある。生前の主人公が生き生きとカラーの8mmで映された画とその後の残された者たちのモノクロの棒演技ドラマが交互に進んで行く。音楽監督•荒木一郎のアシッド•フォーク、サイケな音楽はかなり好き。エンドレス•サマーはなかったって一本。まずまず。
1972年のぼくに訊きたい。――君は、この映画に出ていた二人のどちらの女の子が好きだった?

国木田アコと蕭淑美(シャオスーメイ)。全く対象的なタイプの美少女二人。高校3年生の夏休み。8ミリ映写機を持っての、あてのない女の子の二人旅。

ショートカットでくるくると変わる豊かな表情が魅力的な国木田アコ。目鼻立ちはっきりのエキセントリックな彼女は、若い頃の石川セリにも似ている。

真ん中分けのセミロングの蕭淑美は、あの頃どこにでもいた女の子。感情を露わにしない落ち着いた雰囲気で、控えめな優等生タイプ。

公開当時の1972年、ぼくも二人と同じ、都内の高校に通う高校3年生だった。新聞広告でこの映画を知ったとき、たまらなく観に行きたい思いに駆られたことを覚えている。しかし、その機会がないまま45年が過ぎ、今回、ようやくスクリーンで観ることができたのだけれど、退色し、色あせた画面は、残酷なまでに過ぎ去った時間の長さを教えてくれた。

躍動する二人の美少女を、1972年の公開当時に観たかったとつくづくそう思う。当時のぼくは、二人のどちらに恋をしていたのだろうか?
70年代、ATG、青春、それだけで満足できる僕。羽仁進監督のスタイルはとてもユニークで今時は考えられない。
2018年の追加:はい、今5点にした。忘れられない映像だから。天才的な作品だ。ブルーレイが欲しい!!
断片的なイメージの繋ぎ合わせが岩井っぽい。雰囲気も80年代後半〜90年代前半のPFF系の自主映画みたい。だけどこれ72年の映画なんですね。自主映画は20年近く何も変わってないことになる。国木田アコがよい。
t

tの感想・評価

3.9
8mmフィルムを通してのぞく70s高校生の青春。荒木一郎監修の音楽も失われたかけがえのない時間を盛り上げる。
国木田アコのキャラはたまらないものがあり、あの沖至も役柄ハマっており、とにかくあの時代に興味があれば必見の作品なのでは。
雰囲気映画っぽい所はあるがこれは好き。そのままlampのPVとかに転用できそう(適当)
ぜんぶ持っていって勝手に死んじまう役の子がやっぱぜんぶ持っていった
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