リスボン物語の作品情報・感想・評価

「リスボン物語」に投稿された感想・評価

一人旅

一人旅の感想・評価

5.0
ヴィム・ヴェンダース監督作。

撮影中の映画監督の所在を突き止めるべくリスボンの街をさまよう音響技師の姿を描いたロードムービー。
ヴェンダースが生みだす独特の空気に不思議な至福感を覚える。青空から降り注ぐ陽光に明るく照らされたリスボンの街並みの美しさ。街角で騒ぐ子どもたち。狭い街路を移動する路面電車とそれぞれ目的地を目指す乗客たち。日中の明るさと日没後の薄暗さ。夏が近いのだろうか、青々とした緑に半袖で過ごす人々の姿。本作の魅力は物語ではない。飾らない自然体のリスボンの日常をそのまま切り取って作品の中に投影しているようで、映画を観ている、というよりは休暇で実際にリスボンの街なかを歩いているような感覚を覚えてしまうのだ。ジャームッシュの生み出す空気にどこか似ている気もするが、流れる空気の軽やかさと心地よさはやはりヴェンダース特有のもの。
リスボンの日常が奏でる様々な“音”を録音する音響技師を通じて、リスボンの景観に生きた音をプラスする。子どもたちの声。船の警笛。教会の鐘の音。風、海の音。街中の雑音、ざわめき。鑑賞者の視覚と聴覚を最大限に駆使させ、大西洋に面する港湾都市であり世界有数の観光都市であるリスボンの日常全てを浮き彫りにしている。ロードムービーは元々観光映画的要素を含んでいるが、本作はリスボンの何気ない日常の風景を違和感なく溶け込ませていて、観光とはまた少し違うのだ。
文玧

文玧の感想・評価

5.0
主人公とヒロインの関係が好きだった。
SOME。帰ってきたらどうなるの~っていう余韻がよかった。
◎ 明るい日光の下では音さえも輝く
音響技師が手紙をくれた映画監督に会いに行くロードムービーということでゆっくりと時間が経過するが、なかなか目的の監督に会うことができない。フェリーニの’8 1/2’っぽさを感じたり、ファドという音楽や途中に何度も挟まれるフェルナンド•ペソアの詩を楽しむことはできたが、他のヴェンダーズ監督のロードロードムービーほど夢中になることはできませんでした。後から作家の滝口悠生さんのweb上のエッセーを読んでふむふむとなれたのでURLを以下に紹介しておきます。
https://www.pintscope.com/column/takiguchi-yusho-01/

◉イメージソング
Can - She Brings The Rain (from 'Soundtracks')
https://youtu.be/xiuuSoPphxI
かの有名なダモ鈴木がボーカルではないのですが、アルバムのラスト曲でとてつもなく締まりがいいので、よく聴いてしまいます。映画の冒頭でもコラージュ的にYou do rightとともに使われていてハッとなりました。
木子

木子の感想・評価

3.1
リスボン市からの依頼を受けてつくられた映画というには、きっとリスボンに行きたくなるような美しい風景がたくさん収められているんだろうなと思ったが、今城純の『Pastel Wind』という写真集を眺めているほうが、ずっとポルトガルに行きたくなる。

レンタルDVDの画質のせいかはわからないが、画面からは地中海の陽光が特に感じられないし、街並みも魅力的に撮られているとは思えない。
オリヴェイラやペソア(主に詩)も出てくるが、ポルトガルだからというご愛嬌程度で、記号的に感じてしまって、なんだかなあ。
あと、マドレデウスの音楽は確かに美しく、加えて、本作は「音」についての映画だからというのは分かる、それでもあえて言いたい。普通に歌に時間を割きすぎだと思う。

なんだか文句ばかりを連ねているけど、決して嫌いではありません。104分中、心からいいな、と思えた場面はちゃんとあります。
ラストの三分間です。
椙山

椙山の感想・評価

4.2
親友の撮影した映像に合わせて街から音を集める、ストーリーが素晴らしい。扉を開けた瞬間に広がるマドレデウスの豊かなサウンドが大変印象に残る。
harema25

harema25の感想・評価

4.6
リスボンへ行きたい方…

メチャクチャおすすめです❣️

何故かというと…

♫マドレデウス 

が聴けるから✨

ファド…

哀愁がたまらない…

ポルトガルの詩人ペソアの詩も…

ヴェンダース監督作品。

ポルトガルのお菓子🥮は
やさしい味…
焼き魚🐟も食べれて
ホッとする…
Tyga

Tygaの感想・評価

4.4
4輪がペースを同じにして動き続ける(しかもそれぞれの車輪には空気が張り詰めている)車のように、誰かとの阿吽の呼吸がなければ映画を作ることは難しいように思える。
特に製作費がおいくら万円だとか、1日あたりのギャラがいくらだとか、金がペースになってしまえば自分ひとりで立ち止まり悩んでしまえばパンクしてしまう。

しかし、元来映画というのはそれぞれのいいと思うものの詰め合わせだ。楽しいと思うこと、いいなと思った街角の発見、そんなのを詰め合わせればきっと素敵な映画ができるはず。もちろん、ひとりよりもふたりで、同じ素敵を共有できる仲間と。

そして何より映画はありのままの現実ではない。現実よりも感情を揺さぶられる物語、それが映画だ。

国境がなくなると、より人が居なくなって国境の孤独が深まるみたいなのも感じた。
旅してえ。
taaaaaaa

taaaaaaaの感想・評価

4.6
Blu-rayを入手したので視聴。
美しいリスボンの街並みや幻想的なマドレデウスの演奏シーンが好きすぎる。
リスボンを旅行してるような気分になれるハッピー映画。
Jeffrey

Jeffreyの感想・評価

3.5
「リスボン物語」(4Kレストア版)

本作はリスボン市の依頼を受けたヴェンダース監督が、映画百年にあたって世界最高齢のオリベイラ監督を迎えて軽やかに綴った映画への愛の賛歌であり、このたび国内で初のBD 化され購入し、初鑑賞したが素晴らしかった。そもそもヴェンダースは70年代に「都会のアリス」「まわり道」「さすらい」を連打して、ニュー・ジャーマン・シネマの代表格としての地位を確立した。後にコッポラと関わり米国にも進出してあのパルムドールを受賞した「パリ、テキサス」を手がけてヒットしたのは周知の通りだろう。その後には路線変更したかと思わせるSF感満載の「夢の涯てまでも」を作っている。そんな彼の手がけた本作は方向性を戻したと言える一本である。映画は実際に撮影途中で方向性を見失って失踪した映画監督を主人公にしているようだ。

さて、物語は録音技師のフィリップは親友の映画監督フリッツから絵はがきを受け取る。そこには"SOS!今すぐ録音機材を持ってリスボンに来てくれ!"と記されていた。いざフィリップは車を走らせリスボンへ。しかし到着してフリッツの家を訪ねるがそこに彼の姿はなく、編集機には撮影済みのフィルムが残されたままだった。フィリップは町のざわめきを録音しながら、フリッツを探してリスボンの街をさまよう…と簡単に説明するとこんな感じで、ポルトガル、リスボンを舞台にこの白く輝く街には夢がある、映画がある、そして何より愛があると言わんばかりにヴェンダースが軽やかに綴る映画愛の作品である。やはり監督自らが監修した最新レストレーションによる美しい映像で作られる名作はたまらない。音楽も素晴らしいし彼の常連の役者が主演って言うところもたまらないファンにとっては。

映画とは何かを探るメタ作品とも言える。そんなアンチ的にも見えるヴェンダースの観る映像が映され、決して売る映像では無いことが窺える。ハリウッド的な作品は世界的にあるし、そのようなタイプと違うヨーロッパ的な作品を好む人はもちろん、娯楽以外の映像の醍醐味を味わいたい方にもお勧め出来る。と言ってもハリウッド的映画を否定している作風なので、嫌悪する人も中にはいるのかと…。やはりヴェンダースはヨーロッパ的イデオロギーとアートに深い敬愛があり、リュミエール兄弟が撮った本来あるべき姿の映像に回避し、それを受け継ぐ意思をこの90年代のヨーロッパで作り出したのである。大陸を移動するファースト・シーンの映像からくいるように観てしまう素晴らしい一本である。吉田広明氏のヨーロッパ語りは参考になった。
ミリ

ミリの感想・評価

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なんとリスボン物語がヴィム監修で4kリストアBD化されるらしい、、、ここなんだ。アメリカ、家族と並ぶ眩しすぎる極彩色はどう進化するのか!
さすらいで映写技師兼フィルム運び屋だったヴィンターが録音技師となり「カメラを持った男」ならぬ、「マイクを持った男」を永遠と見つめる。リスボンで出会う子供たちとかマドレデウス御一行、それから団地のめちゃくちゃ良い画が散りばめられていてわたしは好きなんだけど、それはたぶん「さすらい」と「ことの次第」の懐古補正なんだよなあ。
パトリックボーショーは今こんな部屋に住んでいてこんな変なおじさんになっている!!!という面白さ。
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