不良少年の作品情報・感想・評価

不良少年1961年製作の映画)

製作国:

上映時間:90分

3.7

「不良少年」に投稿された感想・評価

このレビューはネタバレを含みます

強盗を働いた18歳の少年 浅井(山田幸男さん)が東京少年鑑別所〜明治少年院に収容され退院するまでを描いた作品。
昭和30年代にこのような映画が有ったのですね‥‥
護送車の中で「俺は銀座を歩いたことがねぇ。護送車の中から見ただけだ‥‥」との浅井の呟きから始まる。ドキュメンタリー風に描かれている。しかし全体的に皆さん、極端に言うとどんな感情の場合でも物言いが基本 棒読み(笑)に聞こえた。(でも昔の映画ってそんな感じが多いので「ああ、昔の映画だからだよねー」って感じるし「昔の人はこんな話し方なのかもね」なんて勝手に思ったり‥‥ )
浅井はその後、少年院に収容される。
そこではさまざまなドラマがあり浅井は全てにおいて常に反抗的だったため程なくリンチのターゲットにされたりのトラブルが絶えることがなかったため当初 配属されていた「クリーニング科」から「木工科」に編入される。そこはこれまでのクリーニング科と違って比較的 穏やかな雰囲気で人柄も温厚寄りの男子が多く、そこで浅井は少しずつ良い方向に変化してゆく様子が見られ、それは著しいものがあった。時おり笑顔も見られるように。気付くとこちらも嬉しくなり笑顔になってしまう程に、ああ、良くなってる‥‥!って伝わる。
退院の日が近づいた頃、丁度 恒例の運動会が開催され、この日だけはある程度 羽目を外してもオッケーな空気で皆はじけていた。「俺たちに豚を喰わせろ!」という横断幕を掲げてパレードみたいなものを行ったり、奇妙な被り物を用いて戯ける者がいたり、女装する者もいたりなど、かなりシュールでアングラチックな運動会に驚いた笑
そして退院の日が来た‥‥ この日の出来事は色んな意味で心に残るシーンだった。「終」の文字が出てくるまで、この日を描いた全てが素晴らしかった。

印象深かったのは少年たちは相手をディスる時に(そうでない場合もあったかも?) 語尾に必ず「この野郎!」と付ける。(「バカ野郎」も有ったかな?? 笑) この言葉を何十回聞いたことか‥‥! 百まではいってない事は確かだけど‥‥というレベル!笑 そのやり取りはまるでラッパーのようにテンポよくリズミカル〜♪ に聞こえる。(しかも韻を踏んでる形なわけで‥‥笑)
彼らのシャバ時代の回想シーンも深い。
少年院というよりフツーに学校モノのような雰囲気なので気軽に見れる‥‥と言ったら語弊があるかもしれないけど決して暗い印象のものではなかった。
画面がブレ気味だったり全体的にインディーズ映画ぽく見え、そこがよりリアルに感じるものはあったけど浅井の呟きが所々に入るので結果的にドキュメンタリーのそれとは違った類いの印象だったのがちょっと新鮮。羽仁進監督の他の作品も観てみたくなった。
堊

堊の感想・評価

3.5
「おらぁ銀座を歩いたことがない。護送車の窓から見ただけだ」
モノローグからはじまる冒頭と武満徹の音楽にブチ上がって見ていたが、少年たちの「この野郎」以外何喋ってるかマジでわからん。
『長距離走者の孤独』みたいな映画やった。繁華街の夜景とナンパとタバコ、クソみたいな先輩のシゴキ、過ぎ去りし日の憧憬、ちょいちょいエモい。
t

tの感想・評価

3.8
fuckという単語が頻出する映画がwikipediaでリスティングされてるが、「この野郎」という言葉の登場回数においては本作が最多なのでは、と思ってしまう。
舞台は少年院、ドキュメンタリータッチの割に心の声が聞こえ回想シーン(このシークエンスがまたとりとめなく淡くて良いのだが)まで出るので変な気分になる。
浅井少年の顔が良い。一番好きなのはバー?で2人の少年が煙草で遊ぶシーン。彼らの青春は陽光の下でなか闇の中でもって光り輝く。
菩薩

菩薩の感想・評価

4.1
社会を構成する巨大な三角形のど底辺、彼らが送り込まれる塀の中でも再構築される三角形、縦社会の厳しさ、アウトサイダーの生きづらさ、そして彼らがふと振り返る安らぎの日々。予科から本科へ、むしろそこからが実刑の開始、社会の搾取・被搾取の構図はここでも繰り返され、歯向かう者には私刑と言う名の制裁。罪は悔いても消えぬ、罰を受けても消えぬ、だが彼らは罪の意識を持つ事には成功した。運動会と言う名の狂騒、腹一杯飯が食いたい、ボロボロの軍服を纏った池田勇人、もはや戦後ではない、所得倍増計画の隅で忘れ去られた子供達、それでも前を向き進む確たる意思のもと、踏み出す一歩の力強さ、背中の大きさが胸を打つラスト。にしてもタバコ巻くシーンが本当に素晴らしすぎる。あと水分を含ませて布団で押しつぶしたぺしゃんこのパンw人は誰しも居場所があるって信じたいね。
buccimane

buccimaneの感想・評価

3.5
主人公のフケ顔だけど時折幼くも見えるのとか周りの連中もいい顔でナイスキャスティングだしよく演出つけたなー。
ドキュメンタリー風なのは代々木忠っぽいなと思ってしまった...。
洗濯班の班長ムカついたわ〜。
年少ジャケットはなかなか渋いな。
作業する様子のバックとか武満サウンドもナイス。
序盤の罪状書いてあるハンコのカット印象的。
終盤のもうすぐ出ますって叫んだときのフロウにもグッときた。
Marrison

Marrisonの感想・評価

4.7
少年院の中で主役の友人でいる役の男の子がイケメンだった。(「煙草」場面撮影のために三日間禁煙したという“高倉級意識”の彼がいてこその、文句なし映画。)
でも、彼に恐喝された被害者さんたちがとても可哀相だった。
milagros

milagrosの感想・評価

4.0
クローズアップされる表情の豊かさにびっくり。優しくも厳しくも、彼らに寄り添う。
タバコにしても、喧嘩にしても、妙にカメラがしつこく回っているので、徐々に体に染みてくる。
生きている人をきちんと見た印象。みんなの顔を覚えてる。
ほし

ほしの感想・評価

3.0
「俺は銀座を歩いたことがねえ。護送車の中から見ただけだ……」

良いのだけれど、方法が先走ってそこまで乗れず。この手は寺山の方が上手い。
不良の世界は、今も昔も変わらないなぁ…と思いながら眺めてました。
非行少年の少年院とシャバでの姿を描いた映画。
登場人物は全員素人で、本物の不良も起用したそう。
そのため、たどたどしい演技だが、少年たちの不器用さが伝わる。
羽仁進が天才だとわかる映画。
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