篠突く雨の中、茫洋たる面持ちの男が2人映し出される。
その表情は何かを言いたげではあるが、読み取ることはできない。
縫い目なくカットは継がれ、兵士が泥土の中の物体に何らかの液体を注ぐシーンに切り替わ…
黒沢清は、「世界から空間と時間を切り取り、そしてその切り取られた画面から、その外側の世界の広がりを想起させる」機能こそが、映画の本質的な力であると語った(『黒沢清、21世紀の映画を語る』)。この語り…
>>続きを読むアレクセイ・ゲルマンが、父ユーリー・ゲルマンの小説を映画化した71年作品。しかし上映禁止処分を受け、公開は86年。パルチザン小隊の活動を描いたもので、友情、信頼、裏切りが交錯、クライマックスはサスペ…
>>続きを読む1971年 アレクセイ・ゲルマン監督作品 モノクロ 97分。第二次大戦中、独軍占領下のロシア北西部、ロコトコフ隊長(ローラン・ブイコフ)率いるパルチザン隊にラザレフ(ウラジミール・ザマンスキー)が投…
>>続きを読む凄い映画だ。
先づロングショットが抜群に美しい。
其の雪と遠景とには、思はず目を見張る。おゝ、ロシヤよ──。
極め付けは、クライマックスの列車が去ってゆくカット。映画の歴史上、列車が此方へ到着する…