海は見ていたの作品情報・感想・評価

海は見ていた2002年製作の映画)

THE SEA WATCHES

製作国:

上映時間:119分

ジャンル:

3.3

「海は見ていた」に投稿された感想・評価

日活90周年記念作品にして、黒澤明の脚本。

江戸時代、深川の遊廓の一軒のお店のお話。

そこには、四人の遊女がいて。ある夜に若い侍が転がり込んで来る。

相手をしたのは「お新」。
実は、侍はケンカから逃れて来ていて、お新の機転の行動で難を逃れる。
それに感激した侍は、毎日お店に現れるようになり・・。

で、話しは変り、お新に違う客が着く。「良介」という客で、身の上話を聞くお新は、情が湧いて・・。
そんな時に、お新の先輩の「菊乃」に、ヒルのようについてるヒモが、菊乃を別の店に売り飛ばそうと来る。

やがて、深川に台風が来て河は増水、海は高潮で危険な状態に!

そこで、お新の二人と、菊乃の二人が鉢合せに・・。

遊廓を題材にしてますが、純粋なラブストーリーとして出来ています。
この頃の主役の遠野凪子は、まだヤサグレてなく(笑)イイ感じの遊女を演じてます。先輩の菊乃役の清水美砂も、落ち着いた感じの遊女で、凛々しさもあります。
最初の侍役は、吉岡秀隆で。やはり、上手いですね。良介役の永瀬正敏も、存在感のあるイイ役者だと思います。

特撮好きな私としては、「花のあすか組」の映画版での主役、つみきみほが遊女役でインパクトありました。
脚本:黒澤明、監督:熊井啓。

黒澤明の脚本、江戸の深川の岡場所を舞台にした恋愛ドラマであるが、そもそも黒澤明が描くのは苦手な分野ではないだろうか?

おしんという女郎が2人の男を好きになるが、1人目が勘当された侍。これを演じる吉岡秀隆の演技が大根すぎる。(寅さんの甥っ子で止めときゃよかったのに、という感じ。)
二人目の永瀬正敏は結構頑張っていた。

熊井啓監督の捉えた大雨と荒海のシーンは良いのだが…。

<映倫No.116198>
nori007

nori007の感想・評価

3.5
先日、深川を観光めぐりして来たので数十年ぶりに鑑賞。
冒頭の永代橋から深川の町並みを俯瞰視点で見せるのはこの地域をよく知っている人にとってはとってもグッとくる映像。当時はまだ埋め立て地域も少なく富岡八幡のちょっと先は海だったのだ。
黒澤明監督が脚本を書いたのだが自身が監督することなく終わってしまった作品を蘇らせた今作。物語は2つのエピソードをくっつけた話で遊女屋の人情話が基本になっている。

この辺りの地域は海抜ゼロメートル地帯なので、大雨や台風が来ると途端に水害の被害が出てしまうのは容易に想像がつく。その水害をめぐっても人間ドラマが展開される。ダメ男だった永瀬正敏がある事をきっかけに濱マイクが憑依したようになるのが面白い。
ちろる

ちろるの感想・評価

3.5
日本の美をきれいに映像にしています。今までの黒澤明の作品とは違ってただ純粋に、遊郭で働く少女のはかない恋を描いています。後味がいいかんじの切なくてきれいな作品
kaori

kaoriの感想・評価

4.2
セットだなあってわかるところとか、季節の移り変わりもややとってつけた感あるんだけど、言葉づかいとか立ち居振る舞いが丁寧に演じられてて好きだし、何より人と人との関わり方がいい。
onono

ononoの感想・評価

3.5
元の題材のエネルギーがうまく昇華されていればとおもう。
前半と後半の話の繋がりが弱いのと、洪水がセット撮影のためにスケール感に乏しいのも惜しい。
ただ、最後、こんばんはと書かれた提灯と2人の女が屋根の上で語り合う場面はとても美しいし、胸を打たれた。
熊井監督にはもっと長生きしてほしかったな。
ニシ

ニシの感想・評価

2.7
切ないが最後は心温まる作品。
清水美沙の姐さんがとても良かった。
予定通り黒澤明×宮沢りえだったらと思う。遠藤凪子は熱演だが地味、原田美枝子で当て書きしたのだろう清水美沙の役は彼女独特のやさしさがでてていいねえ。大洪水の場面は絶望感が足りないし、音楽は青春もののようでチトこまる。
岡場所の遊女たちが現代とあまり変わってなくて安心した。
あっそれから河合美智子・つみきみほ・土屋久美子が出てるのもうれしい。

このレビューはネタバレを含みます

わりと新しい映画だけど古く見える。本当に昔の人を役者に使っているかのよう。
それは、美術監督の木村威夫さんによる試行錯誤の元に生まれた、細部までこだわった江戸の街のセットがあるから成せたものだと思う。
『私のセックスを笑うな』では木村さんは「黄色はキチガイの象徴だ」と決めつけたようなことを言って作品の所々に黄色い風船やら何やら出していて、何言ってるのこの人?と思ったが、『上を向いて歩こう』や『海は見ていた』では特に、その映画の時代背景や状況をリアルに伝えるために、非常に細かい装飾やセット、装置などを追求していたのが感じられた。それが効果的に、物語をより面白い映像で伝える手助けになっていた。
細かい描写の一例を挙げると、ヤクザの男の蛇の刺青が、女を抱くシーンでは、まるで刺青の蛇が女に襲いかかるかのようにフレームにおさめられていたのが、これから起こることの予兆のようで面白かった。熊井監督の演出と木村さんは相性が良い。気になるのは、この刺青の描写までも、黒澤さんの脚本に描かれていたのかどうかだ。

キャスティングも良かった。
「あの人には、惚れちゃ駄目よ」と言われる前と後でのおしんの変わる表情が宜しい。

ただ、吉岡秀隆あれだけかよ、とは思った。吉岡秀隆が斬っちゃった男というのが永瀬正敏で、おしんのところに客として現れて、って感じで面白いことになるのかと期待した。