密告者の作品情報・感想・評価

密告者1965年製作の映画)

製作国:

4.0

「密告者」に投稿された感想・評価

産業スパイものと思わせておいて、実は計画殺人ものにスイッチする筋運びがスリリング。そして、殺人事件勃発早々、登場人物の誰もが怪しく見える。しかも、終幕直前まで真犯人がわからない。だから一気に見てしまう。見終わった後、湯に浸かりながら内容をリフレイン。その段になってはじめて疑問が生じる。だが、もう一度見るか原作を読めば解消されるに違いないレベル。つまり、とても面白いということ。加えて、女優は悪女を演るときが一番美人だなと痛感する。
isopie

isopieの感想・評価

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2015年3月4日(金)、神保町シアター。

はじめは撮影の森田富士郎を大映東京撮影所へ呼んだのかと思ったが、これはしたり、京都撮影所作品だった。直前に京撮で『悪名無敵』を撮っていた田宮二郎のスケジュールの都合だろうか、逆に監督の田中重雄だけを東京から呼んだのだった。

その田中の演出は森田のすばらしい撮影を得て、別人のように冴えている。産業スパイの田宮が機密書類を盗み撮りする場面は手持ちキャメラの揺れや震えが緊迫感を高める。クロースアップの構図もいちいちキマっている。

監督や撮影の充実ぶりが伝染したか、役者陣もいい演技をみせる。なかでも東撮から来た夏木章や早川雄三が馴れない京都での緊張もあってか、ふだん以上の好演。先の場面で盗み撮りしていた田宮の前に現れて「君は人間の屑だ!」と叱責する夏木の演技は気合いが入っていた。