お葬式の作品情報・感想・評価(ネタバレなし)

「お葬式」に投稿された感想・評価

こもも

こももの感想・評価

5.0
初!伊丹作品

まずテーマが珍しいですよね。お葬式が淡々と順序よく済んでいきます。
きっとお葬式を何年か前にした人は「そうそう!」っと感じると思います。

数珠を買ったり(前日に)なぜかよく分からない人が来たり、不倫したり。とにかく数日の出来事なのに盛りだくさんでした。

故人への失礼な事は全くしません。本当にただお葬式をする映画です。
人間の良いとこ悪いとこ、笑えるところ泣けるところをちょっとずつ組み上げて空気感をつくる。
人間観察としては面白いし出来もめちゃいいんだけど、エンタメではないよなっていう。
nknskoki

nknskokiの感想・評価

3.6
伊丹十三監督のお葬式を題材にしたブラックコメディ

悲壮感に包まれている時に「お通夜みたい」なんて言葉があるけど

葬式だからといって、別に部外者が無理矢理しんみりした雰囲気を創り出さなくてもいいと思う

葬儀にケバケバの派手メイクでやって来たアイドルがいたけど、それはまたこれとは次元の違う別の話でもちろん最低限のマナーは必要

最近は変なマナー講師のせいで過剰な謎マナーも多すぎるし
(上司の印鑑の横に自分の印鑑を押す時はお辞儀をしてるように45度傾けなさい!?とか)

小さい時にお父さんのお父さんが死んだ時お父さんが大声上げて書斎で泣いてたのを初めて見た時とか、(母方の)おじいちゃんが死んだ時だって今度は弟がワンワン引くくらい泣いててあいつのああいうところは初めて見たし悲しい時は自然と感情が溢れるものだし

僕だってそんな作ったような偽物のしんみり感であの世に送り出されても別に嬉しくないだろうし、なんなら久々にみんなが集まったんだから俺の死をきっかけに同窓会代わりにでもして一杯飲んではっちゃけてくれた方が死んだ甲斐があるような気になる

東北大地震の時に少しでもリア充写真を上げようものならすぐにバッシングされ「東北の人が大変な時にお前は一体何しているんだ!」なんて叩かれたけど

なんなら俺は口だけのお前らよりもよっぽど東北のことについて考えてたわ!!

お葬式中みたいに絶対に笑ってはいけない時に笑っちゃうコントとかあるけど、それもこういう偽物の雰囲気だからこそ笑っちゃうからで、別に笑いたいなら笑えばいいんじゃないのかな?

気持ちの全く入っていない体裁だけは完璧な定型文のスピーチ、北枕にやたらとこだわる伯父さん、葬儀中に草むらで青姦する男とかよくできた風刺だなと思った

ちなみにうちのおばあちゃんはおじいちゃんが死んだ時、お腹が減りすぎてなんも考えず隣のコンビニで大好きな”赤飯の”おにぎりを買ってきて食べててそれ見てみんなで爆笑したのはあまりにも有名
あきら

あきらの感想・評価

5.0
これすごいぞ、こんな絶妙な映画があるんだ、すごい

語りたいことがある風にも何も語らない風にもしない、問題があるけれどもその問題をほとんど問題化しない、笑わかせどころだぞという風にこれみよがしに笑かそうとしない風に笑かせてくる

スピッツの曲の歌詞で「驚いて欲しいだけの見え透いた空振り」というのがあって、曲もスピッツもまったく関係はないけれど、その歌詞のようなものっていろんな作品ですごくみるけれど、特別この映画にはそんなのが全くなくて、素晴らしかった

それは全部が自然だから ドラマになりそうな部分でも別にドラマにならなく、泣きどころで泣かせにかかるような野暮な押し付けもしてこない、普通の物語ならハラハラするはずの場面でも一応なんとかなってしまう でもその要素たちは無駄では全くなくてやっぱり何かの節目の最後にしみじみ沁み渡る感情がある

めちゃくちゃにめちゃくちゃにリアルだった、映画でのリアルってこうだなって思った まだ観ている本数はすくないけれどもここまでリアルだと思う映画は他にまだ知らない。出会いたい
dmatuda

dmatudaの感想・評価

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先日、国立映画アーカイブで "再タイミング版" というものを見た。

フィルムの色彩は数値で再現できるため、数値さえわかれば、公開当時と同じ色彩になるらしい。そして色彩調整のことを、通称 "タイミング" と呼ぶなど、国立映画アーカイブの研究員から説明があった。

驚いたのは、現在のシステムでは、当時の数値で色彩は再現できないそうです。えええ?

そのため、本作品の撮影監督と当時の現像担当者の監修のもと、あらためてタイミングし直したのが今回のフィルム。だから "再タイミング版" と呼ぶらしい。

私が以前BSで見た記憶とちがって、色の濃度が高かった。今回の "濃さ" が好き。

それから上映前の客入れの際、「本日はお葬式にお越しくださいましてありがとうございます」と館内スタッフよりあいさつがあって、まるで本物のお葬式に来たようで可笑しかった。

大滝秀治が素晴らしいです。必見。
655321

655321の感想・評価

3.5
祖母が亡くなった時、両親も妹も泣いてたなあ。

その後、自宅に運ばれた祖母の顔を薄暗い中 妹がひとりでじっと見つめていたから後ろから覗いてみた。
すると祖母の右頬が垂れ下がっていたから「もっと綺麗なのにな。」といってリフトアップするが、手を離すとやっぱり元に戻ってしまう。
妹はクスリと笑って手伝いだした。
余程面白かったのか妹はそれを両親に報告した。
両親は呆れかえって笑っていた。
でも私にとっては病院から自宅まで送るだけでウン万円もとる葬儀という風習の方が呆れてしまう。
「もし父さんと母さんが死んだら丁重に自分が運ぶよ。あ、急ブレーキで落っこちたら悪いからシートベルトはしておくよ。」
バカ野郎、と言って父は笑った。
本気なんだけどな。

さて、足が痺れて動けなくなる前にここらで逃げておこう。
お勉強にもなりますね。

気を使って仕方がないお葬式っていう儀式を、初めて行う親族側から描いた喜劇。親族を集め、どういう手続きが必要で、どういうお金がかかり、誰が音頭をとるか、どのような挨拶返しをするものなのか、様々な問題やわからないことが怒涛のように押し寄せてくるお葬式であります。
お葬式という題材で、これだけコミカルに人間臭い映画を撮る伊丹十三監督の手腕。突飛な濡れ場を盛り込んだりと、一筋縄ではいかないとこも魅力です。人って、絶対笑ってはいけない場面であればあるほど、なんかおかしなことが起きたとき笑いたくなってしまいますよね。そんなとき、笑いをこらえるのって大変!困った機能を搭載されたもんです💦

「お葬式」ではなく「お通夜」の話なのですが…ボクが30代半ばくらいの頃、配属されていた病棟にI さんという看護師さんがいて、当時主任をしていました。このI さんはボクが18歳で初めて働いた病院のときからの先輩で、その病院を一緒に辞めて今の病院にやって来ました。ボクが22歳、I さんが32歳のときでした。その病棟には、もう一人Aさんというボクより2つ年上の先輩もいました。その人も前の病院のときからの先輩です。だから、3人はいわゆるくされ縁トリオとでも言っておきましょう。ある日、新しく入職してきたSさんの父親が亡くなったということで、主任でもあるI さんはお通夜に行くことになったのです。しかし、このI さん。もう、とんでもないくらいの「あがり症」で、ボクの結婚式の乾杯の音頭のときなんて…手の甲に書いていたセリフが汗で消えたことで舞い上がってしまい、コップのビールは手が震えて半分以上こぼれるわ、「カンパーイ」の声は頭頂部からウィーン少年合唱団みたく甲高い声で言っちゃうわ、どんだけあがり症やねん!みたいな人なんです💦
その日、仕事終わり間近にIさんはボクとAさんに「一緒についてきて」と言いました。ボクもAさんも、たまたまおとなしめの白いTシャツで来てはいましたが、これでお通夜大丈夫かな〜なんて思いながらもIさんの悲痛な顔を無視できなくて…結局3人で行くことになりました。
お通夜はSさんの実家で、おこなわれており….遠目から見た限り、やっぱりTシャツで行ける雰囲気ではありませんでした。不思議なことにI さんは黒いポロシャツに黒いズボンといういでたちで「お通夜があること知ってたの?」と言いたいくらいでした。(笑)そういうわけでボクとAさんは話し合い「Iさんだけ行ってきてよ。ここで待っとくから」という結論に達しました。
I さんはボクより10歳年上、Aさんより8歳年上。だけどボクらは普段からタメ口で話しており、それはI さんのふところの深さだと思っています。さあ、Iさん。すでに世界中の緊張感をひとりで背負ったみたいな顔で、お通夜に向かいます。ボクらは「がんばれ〜」と心の中でエールを送りました。
15分くらいして、I さんが出てきました。遠目から見てもなんだか真っ青な顔をしてなにやら口元がブツブツひとり言を言ってるのです。ボクは視力が悪い分、聴力が5.0くらいあるのでI さんが5メートル手前に来たとき、そのブツブツの内訳がわかりました。「ポクって、ゆったっちゃんね!
ポクって、ゆったっちゃんね!」…なに言ってんだろう、この人は?と思ったのですが、すぐにピンときました!
ボクはすかさずI さんにたずねました。「ねぇ!まさか、木魚叩いてないよね?」
….少しの間があり、I さんが口を開きました。「叩いた…木魚」
ボクとAさんはひっくり返りそうになるのを我慢して、呆れかえってました。
「いや、I さん。なんで木魚叩くかなぁ〜。向こうの家族ビックリしとるよ。ん?新種のお坊さんかな?なんて思われとるよ!ポクって…鐘ならまだしも、木魚はないわ〜!」とボクが言うと、I さんの顔色がどんどんグランブルーに変化していきました。あがり症もここまでいけば、もはや芸術なのかもしれません。でも、やっちゃったことは仕方ないということで、3人はSさんの家をあとにしました。帰りの車内でI さんが、ボクら2人に「今日のことは誰にも言うなよ。こんなことが広まったらSさんに失礼になるけん…よかね?わかった?」と言ってきました。ボクらは了解し解散しました。
翌日、面白いことを1人で抱えておけないおもしろがり屋さんのボクとAさんは、すぐに馴染みのスタッフたちに木魚のくだりを話しました。そしたら、どこで聞きつけたのか…すごい剣幕でボクのところにI さんがやって来て「おまえ、喋ったろうが!あんだけ、Sさんに失礼になるけん、喋るな言うたのに!」と言いました。ボクは「て言うかさぁ〜…そもそも木魚叩いたI さんがすでに失礼やない?」と、返しました。
すると、またIさんの顔色がみるみるグランブルーに…。

あがり症エピソードまだまだたくさんあるのですが、今回はこのへんで💦(笑)

現在も、IさんとAさんとは先輩後輩として
タメ口で仲良くしております😊

またまた映画のレビューから、はずれた感じになってしまい…ごめんなさい🙇‍♂️
ERI

ERIの感想・評価

3.5
ずっとずっと観たかったんだ。

菅井きんさん、大滝秀治さんだぁ、と名優のことを思い出せるのも映画をみる良さだなぁなんて思いながら伊丹十三監督の「お葬式」を。

行き届いた粋な家、粋なセリフ。肉迫する構図。51歳で映画監督をして初めて撮った作品は、濃厚だ。

1シーンも無駄な場面がないんじゃないかとさえ思えるほど、伊丹十三さんの美意識がぎゅうぎゅうだ。山崎努さんと宮本信子さんが並んでるだけで芳醇。脇役の演者さんの撮り方もめちゃくちゃ好き。

お葬式っておかしなものだと言わんばかりの、あるあるが散りばめられていて、最期だから見える人間関係や風習のおかしみ、その中にキラリと残る本質みたいなものが表現されていて面白い。
erk

erkの感想・評価

3.8
観たかった伊丹十三作品!人の死とお葬式に突然直面することになった家族って、こんなに滑稽で可笑しいのか…
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