物寂しい音楽と風景が流れ、静かに淡々と進む、おじさんと少女のふたり旅。
大好きな『パリ、テキサス』のヴィム・ヴェンダース監督の初期作。
派手さがなく、詩的で美しいロードムービーは大好きなので今作も最…
シンプルだけど、これがいいんだよね。ヌーベルヴァーグのような広大なロケーション撮影と即興演出は、映像のドキュメンタリー性を高めている。「写真や日記は自分の存在を残すため」という台詞に込められたヴィム…
>>続きを読む盟友リュディガー・フォーグラーがポラロイドカメラで撮影する場面が反復される。「何も写ってないじゃないか」「少し待つと見えてくるよ」道ゆく人とのやりとりも反復される。
漸く見えてきた写真に「何も写って…
「"夢" なんてないからダメ
ある物だけにして」
というこの現実主義的で悲しい、寂しい言葉がアリスという少女の人間性を物語っている。
退廃的で寂しくも美しいロードムービー。
ヴィム・ヴェンダー…
陰画としてのビルドゥングスロマーン(Bildungsroman, 成長物語)について、ヴィム・ヴェンダースの作品を観ると、いつも考えさせられることになる。
主に19世紀のドイツで、ゲーテによる『ヴ…