原題『妻は告白する』 (1961)
監督 : 増村保造
脚本 : 井手雅人
撮影 : 小林節雄
編集 : 中静達治
音楽 : 北村和夫
出演 : 若尾文子、川口浩、小沢栄太郎、馬渕春子、他
円山…
若尾文子は、老人に囲われる役が多い。それでいつもそこから離れたがっている。今回もそうだ。
展開が気になって最後まで一気に観てしまった。
うまく行きかけていた恋が破れた時の若尾文子の演技は鬼気迫るもの…
なんといっても若尾文子演じる彩子の艶めかしさ。
しかし、個人的にはその感情や行動原理にいまいち理解が及ばないのは事実。客観的に捉えても唐突や無理を感ぜざるを得ないところ。
ただ、その“はみ出し具合”…
とうとう増村保造に手を出してしまいました。
まずポスターのビジュアルが秀逸なんです。
全く古びてない。
なるほど本作、弁護士円山雅也さんの著書から、脚本家井手雅人さん脚色経由の法廷劇ですか。
…
序盤から夫に対して嫌悪感を抱いてた証言を普通にしていたので、夫を憎んで殺したというのは容易に考えられるはずなのに、なぜ幸田はそんなことも分からなかったのか。それは理恵のラストのセリフが物語っていたの…
>>続きを読む文字通りサスペンス=宙吊りの映画。ドメンヘラでかまってちゃんの若尾文子が狂えば狂うほどに鬱々とした空気感が画面上に陰影となって表れる。そしてラストショットでは完全に影と化す。
川口浩は誠実な男ではあ…