ゴン吉

エネミー・ラインのゴン吉のレビュー・感想・評価

エネミー・ライン(2001年製作の映画)
3.9
停戦協定区域で孤立したアメリカ軍航空兵の脱出劇を描いたクライムアクション作品。
オーウェン・ウィルソンが主演、ジーン・ハックマン、ガブリエル・マクトらが共演。

ボスニア紛争に対する停戦協定の締結により、NATO軍が撤退しつつあった。
そんな折、クリスマスにアメリカ海軍艦上戦闘機F18ホーネットが、ボスニア偵察のために航空母艦カール・ビンソンから飛び立つが、好戦的な搭乗員(オーウェン・ウィルソン)の独自判断により指定空路をはずれて飛行が禁止されている非武装地帯を偵察飛行したため、地対空ミサイルで撃墜されてしまう。
二人の搭乗員は戦闘機から落下傘で脱出するが、パイロットは射殺され、残されたもう一人の搭乗員は、航空母艦と連絡を取りながら逃走を試みる。
果たして彼は無事生還できるのか?

アメリカ軍による停戦協定違反や違法行為による赤外線カメラの映像入手などが描かれている。
アメリカの停戦協定違反により、現地の街ハッチで銃撃戦が再開して現地の人たちが犠牲になったり、NATO軍の同盟関係維持に大きな影響を及ぼしかねない汚点に陥っても、自軍の兵士さえ助かれば良しとする展開には疑問を抱かずにはいられない。
もちろん現場の兵士の勝手な判断による命令違反の代償も描かれてはいるが、アメリカファーストの内容には納得感がない。
敵地で孤立した航空兵の孤独と緊張感が伝わってくるが、協定違反を犯した好戦的な自己中の兵士なので感情移入はできなった。
一方、航空母艦カール・ビンソン、F18スーパーホーネット艦上戦闘機、ヘリコプター、戦車、装甲車、地対空ミサイルSAMなどが登場し、特に戦闘機と地対空ミサイルSAMの空中戦をはじめとする戦闘シーンは迫力があり楽しめた。

2023.10 テレ東で鑑賞(午後ロード:吹替:栗原とみ子 訳)
2021.1 テレ東で鑑賞(午後ロード:吹替)
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