演技ではなく動作のみを写すブレッソンの映画に、脱獄というのは最もぴったりな題材だと思う。ナチスへの政治的な怒りすら削ぎ落とされて、生への渇望というか、単に「外に出たい」というベクトルだけがある。
他…
ブレッソンらしい「余分を削ぎ落とした」純度の高い映画。
脱獄映画といえばサスペンスやアクションを思い浮かべがちだが、この作品では派手な盛り上げは一切なく、囚人のわずかな所作、木片を削る音、縄を結ぶ指…
道具が集まったり、仲間が増えたり親密になっていく事であったり、段々と面白くなっていく。常にバレてはならず、ゾクゾクする。
というのもあり、最後は解放感によるハッピーエンドなのか…と想像していたが、そ…