#107 返還映画大会
谷中の五重塔跡は、何度か行っているので、感慨無量だった。
ミニチュアや、往年の特撮技術もふくめて、美術がすごい。
嵐のシーンも、見事だった。
『残菊』コンビの主役2人もさるこ…
現在は谷中霊園の跡地に基礎部分が残るのみの感応寺五重塔。
1644年に建立、それをモデルに1892年に幸田露伴が小説を発表。1944年に映画化。しかし1957年に心中事件(として処理された)で消失…
面白かった。五重塔の模型に対して何処に座るのか。画面向かって右向き/左向きによる演出。神に祈るシーンにおける正面からの顔アップと見事に無声映画的演出。今の日本映画では絶対見ることがない、料亭や塔の豪…
>>続きを読む幸田露伴の原作に接近できたことがなによりもよかった。しかし原作のモデルとなった谷中の五重塔は、江戸の建立から二十世紀も関東大震災と東京大空襲という災厄を奇蹟的に無傷で乗り越えたにもかかわらず、195…
>>続きを読む原作に忠実だが、塔の着工までと完成後の暴風雨に尺を割いており、建設中の棟梁と十兵衛のやり取りはほとんどないので、あっけなく塔が完成したような印象を受ける。棟梁,十兵衛の心理はあまり深く踏み込んでいな…
>>続きを読む空襲下の京都で撮ったという70分にも満たないコンパクトな小品だがすごく好き。五重塔建立の話を聞くや、その大仕事を請け負うことに強迫的に囚われる宮大工・花柳章太郎。競合する親方・ヤング柳永二郎もその熱…
>>続きを読む腕は超一流だが口下手でぶっきらぼうな大工の主人公(花柳)と彼の師匠で主人公の父親から教えを受けた大工(柳)が、谷中の由緒ある寺の五重塔建設をめぐっての葛藤から協力に至るまでを描いたドラマ。
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妄執にとりつかれた男の愚かさと崇高さ、師弟関係の確執と和解。劇的な展開の連続が60分の短尺に凝縮された濃厚さに痺れた。奥行きを巧みに活用した空間設計、パンによる的確なカメラワークと、五所平之助の演出…
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