湾岸道路の作品情報・感想・評価

湾岸道路1984年製作の映画)

製作国:

上映時間:100分

3.6

「湾岸道路」に投稿された感想・評価

草刈正雄が去っても映画は終わらず、ひとり残された樋口可南子がそれまで依存してきた男性(世界)との関係を断ち切るかのように大型バイクに乗りはじめる終盤、もちろんそれは草刈正雄を追いかけるという目的があることにはあるが、独り立ちした女性の凛とした強さもはっきりと描かれていてなんだかグッときてしまった。もしかしたら自由を得るために放浪したアメリカンニューシネマの男たちの物語を女性に置き換え描いてみせた革新的な映画なのかもしれない。砂浜を散歩中に穴を掘り続けてハーモニカを探す奇妙なおっさんとの謎の会話。ガソリンスタンド店員の高橋ひとみ。黒光りしてるDV野郎に清水健太郎。病的な浪費家の女性を描いたドラマとして『トニー滝谷』(傑作)との二本立て希望。
何だか不味そうなパスタ食って、「苦い飲み物が好きなんだ」っつって何かをゴクゴク飲んで、
最終的に夕焼けのシャンプーライダー?
tristana

tristanaの感想・評価

5.0
樋口可南子は並べられた31枚のクレジットカードを見て「きれい」とうそぶく、それならと始めた副業は一晩15万。胸騒ぎを抑え込もうと筋トレに励む草刈正雄のベランダにはカラス。手製のパスタを旨そうにズルズルと啜る草刈正雄、氷水の氷の量が多いしグラスがやたらとデカい、樋口可南子の商売道具の黒の下着とガーターストッキングに「セクシーだ!」と無邪気に喜ぶフリもするのだが、どこまでもだらだらと続きそうな爛れた空気の中で呆気なく出ていってしまう。この朝の別れるって本当に別れるってことなの?という雰囲気はぐっと沁み入るものがある。「なんていう飲み物なの?」「ダイキリ」「この曲はなに?」「ベルリオーズ」だった関係は数ヶ月後、置き去りにされた湾岸道路の入口でイーブンというよりももはや単なる独立した二つの人格という以外のものではなくなっている。だからこそ余裕の納豆定食ぅー、ください?。阿部知代のぶらいあん飯野さんへの偏愛具合がすごいしバブルへの思い入れも半端じゃない。草刈正雄の厳しい筋トレ指導に喘ぐマダムたちとベッドで喘ぐ樋口可南子を交互に映す場面、こんなに頭の悪い演出はじめて見た。しばらくは頭を洗うときに思い出して笑ってしまうかもしれない。
csm

csmの感想・評価

5.0
田中真理さんが「お姉さま」と呼びかけるだけで映画になったように、樋口可南子の「ケンスケさん」で成り立っている。黒ビキニ一丁でダイキリ作る草刈正雄に樋口さん、形がはっきりわかるわ…だって。2人のビジュアルの素晴らしさでセリフいらないくらいかー?と思わせといて夕日のシャンプーライダーになっちゃうの最高。リクエストしたぶらいあん飯野さん、阿部知代の解説、ありがとうございます!
度肝を抜くシーンしかない。全員IQ低いのかな?と不安にさせるシンプルかつ片言?なセリフだらけのお楽しみ映画と思いきや、後半から女の自立モノにシフトしていく。結局やっぱり度肝抜かれる。レモンスカッシュ→ダイキリ→シンプルなパスタ(エキストラバージンオイル)から行き着く納豆定食。草刈正雄とシミケンのビキニ、小林薫のサスペンダー、絶倫の松橋登さん…樋口可南子はもちろん最高だけれどマリアンのパートもサイコウダヨ〜。シャブロル作品を思わせる素晴らしいスコアは一柳慧。
片岡義男の原作を東陽一が描く。
やっぱり嫉妬がテーマか…。

浪費癖のある妻、芙美子(樋口可南子)。ジムのインストラクターである夫、健介(草刈正雄)。
男女には様々な関係があり、夫婦にも様々あるのだろう。
様々な人間模様があるわけで…。
とにかく草刈正雄がひたすらCool、Dry。
樋口可南子、キレイですね。
脇には、清水健太郎、風祭ゆき、高橋ひとみ、池波志乃、長門裕之、…くせ者揃い。
小林薫、いい人だ。

「優しさは繁盛してる…」
ハーレーで旅に出るという健介、
「どこへ行くの?」「ひとりで彷徨うんだ」
「別れ話をしてから一度も泣かなかった…素敵な女だ君は」
etc.数々の名言を遺す健介。
時は経ち、バイクでライディングを始める芙美子。

奇妙な映画です。
正直おもしろいというわけではないのですがBGMや二人のやり取り…雰囲気…かな。
やはり時代感は否めません。

あそこで納豆定食とは…やるなぁ。

[再観賞・VHSにて]
Minors

Minorsの感想・評価

5.0
この映画のテーマは嫉妬だぞと監督の東陽一は言ったそうで。

監督はある射撃競技の話でスタッフに説明する。
一番目の選手は見えないカーテン越しに10発の弾を
見事全て的のど真ん中に命中させるが
二番目の選手はカーテンに丸い円を描くように弾を撃つ。
カーテンを上げてみると的には命中しておらず
的の周囲を10発の弾の痕が囲んでいた。

原作にだってどこにも決して書かれていない感情、
その感情だけは決して映画の中に描くことなく
代わりにその周りを様々なシーンで埋め尽くす
映画を観終わった者の心にジンワリと浮かび上がるのは
その描かなかったはずの嫉妬という感情。

監督は言う。
競技で勝ったのは最初の選手だが
自分は断然、二人目の選手が好きだ。と。
ニシ

ニシの感想・評価

2.5
現実はこんなに理解ある人たちばかりじゃないと思うけど、そういう描写がないのがいいかも。
日差しがギラギラしてるのに、夏の湿度を感じない映像表現が素敵。
nancyy

nancyyの感想・評価

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絶妙な空気感がすごくいい。
こんなかっこいい人間模様を映像にできるのは才能。
渇いた都会人のフワフワした関係、分かりたいけど、分かることのできない時代です。彼女がバイクにまたがるのは男を追いかけるためではなく、都会の舗装された道路を、湾岸道路を自分で走るため。カッコイイ男と、それ以上にカッコイイ女。今よりもそれに憧れる時代だったのならば、30年前に少し嫉妬しちゃう。
“風と共に去りぬ・前編 完‼︎”のようなごてごてのオープニングとラストの静かで哀しい湾岸道路、渋くてシビれました。欲ばりなのでスポーツジムに通ってバイクに跨りたいです。
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