天国への階段の作品情報・感想・評価・動画配信

「天国への階段」に投稿された感想・評価

このレビューはネタバレを含みます

ああ天国への階段って、エスカレーターだったんだな(笑)

1945年5月2日に死ぬはずだった英国空軍爆撃機部隊所属のピーター・D・カーター少佐(詩人でもある)。
天国の使者71号の不手際で現世に留まったまま...つまり生きている!

なぜ自分が生きているのか分からないピーターは、パラシュート無しで飛び降りる直前まで会話していた米国軍のジューンと偶然に再会し、二人は愛し合うようになる。

オニオンフライの匂いと共に現れた天国の使者71号から事情を聞かされたピーターは、ジューンと一緒に居たいと主張し、何とか方法はないかと尋ね求める。

かくして、ピーターの"現世における期間延長と再考"の訴えは、天国の法廷へと持ち込まれる。

検察官は、アメリカ独立戦争の時に英国人に撃たれて死んだ米国人第1号のエイブラハム・ファーラン(故人)。
ピーターの弁護人は、フランク・リーブ医師(故人)。
そして証人は、ピーターの戦友ボブ・トラブジョー(故人)。
「ジューンの涙」Over rose petals.が証拠。

ジューンの真実の愛が実証されて、はい🙋勝訴(*’ω’ノノ゙☆パチパチ...

奇抜な着想とストーリー展開と撮影の遊び心が楽しい。
現世は色鮮やかで、天国はモノクロ。
モノクロから徐々に色がついていく、現世の時間が止まる、ドアをすり抜ける。

天国の法廷の場面。
裁判を見ているのは、人類史が始まって以来の紛争や戦争で犠牲になったおびただしい数の人々の集団な訳だけど、その全体像をグーっと引きで見ると一つの銀河系を形成していると分かる瞬間にゾッとした。
ストーリーの安っぽさは否めないが、まさに、愛は勝つ、勝ってほしい。
No.191[天国で堅苦しい裁判をやったら、パウエル=プレスバーガー映画祭④] 40点

説教臭くて敵わない。出直してこい。

という発言が尤もであることを以下に記そう。
まず、第二次大戦中のヨーロッパ上空、墜落する飛行機で万策尽き果てた主人公ピーターが近くで無線を拾ったアメリカ人娘ジューンと会話する内に恋に落ちる無茶な冒頭を飲み込む必要がある。その後、天国のミスでカーターは死ぬはずなのに生き延びてしまったという「ファイナル・デスティネーション」と見紛うような物語は、ピーターの"そっちのミスで死ななかったんだから俺は悪くない"という一言によって裁判沙汰となり、摩訶不思議な裁判が開始される。

弁護士選びに苦戦するピーターの姿が何とも笑いを誘う。陪審員も世界中の死者から選出され、傍聴席もアホみたいに人がいるくせに裁判官はバッハみたいなカツラを被っていて英国そのままだったのは残念ポイント。んで肝心の裁判だけど、検察側が米独立戦争で英国兵に射殺された米国人だったせいでアメリカとイギリスのどっちが優れているかみたいな話になっていってどんどん退屈になっていく。結局、"最後に愛は勝つ!"という安いメッセージに着地をするのだが、前輪も後輪も出ない状態での胴体着陸な上に爆発炎上している。私を含めた観客の頭の上には夥しい数の"?"が浮かび、煮え切らない物語に頭を抱えていることだろう。
個人的には"この涙が証拠だ"とかキザなこと言わせといて証拠として一切使わなかったことに腹を立てている。

天国をモノクロ、現実世界をカラーで描いている。カラーパートは中々宜しいのだが、モノクロパートが画というより物語に終始していたのに加えて、その物語すら退屈を通り越して悟りを開きそうだった。しかし、悟りを開くには…(以下略)。カラーパートの映像的美しさを見た後だと尚の事残念である。時間止めてるとことか好きだったのに。

死んで間もない兵士たちが"天国の事務仕事は天国だ"とか言いながら新品の翼を渡されてるシーンは爆笑した。でもそこだけだったわ。やっぱりパウエル=プレスバーガーは面白いんだか退屈なんだかよく分からんが、本作品は退屈である(ったく、あと幾つ残ってんだよ)。

追記
ニーヴン好きにとって陰惨たる結果だ。裁判シーンで彼は殆ど出てこないし。でもチョイ役で出てくるアッテンボローを見つけて笑った。
天国へ行くシーンがAC/DCのPVであります!てかそこからきた!
yadakor

yadakorの感想・評価

4.0
宇宙から見た地球の描写が興味深い
英軍のアーヴィンジャケット良い
カラー映像が「驚きの最新技術」として効果的に使われていて、アバターを見たときのことを思い出す
話の設定もシンプルだが個性的で現代でも楽しめる
マイケルパウエルでは唯一にして最高にハマり
ぐう

ぐうの感想・評価

5.0
テクニカラー映画の中でこれが一番の名作😍✨
マイケル・パウエル大好きです

天国を白黒、地上をカラーで分けている映画ですが、当時は高度な技術であったのです
テクニカラー会社に感謝

私のお気に入りシーンは白黒のバラに少しずつ色がついていくところ
淡い色で儚いけれど愛がつまっている

結論:愛は勝つ!

1つ1つのカット、シーンが丁寧に作られているんだなあと感じられる
衣装やセットも手作り感満載

ブッ飛んだシナリオでも紳士な映画
けい

けいの感想・評価

3.5
デビッド・ニーブンが出てるという理由だけで鑑賞したら予想以上に面白かった。アイデア勝ちの作品
色鮮やかな地上と、単色で描かれた天国。その対比の美しさに見惚れる一本。
昨今、いくらでも非現実的な映像をつくることはできるだろう。
しかしそれは、カメラによって映し出されたものじゃない。
モノの組み合わせ。
そこには確かな重さが宿る。存在していないのに、存在しているという矛盾。
そう、配色、素材、陰影、すべてを考慮して、作り出された非現実には、特有の不気味さが現れ出ることを、私はパウエルの『赤い靴』を見たときに知ったのだった。
しかし『血を吸うカメラ』から流れてきた者としては、やや物足りなさを感じざるを得なかった作品でもあった。
誰にでも愛される古典(と言ってもテクニカルカラー作と評するのが無難かもしれない。
KICCO

KICCOの感想・評価

3.5
モノクロとカラーの使い分けがすごく効果的。(これを見たらピンクとグレーの残念さを痛感した)
ストーリーもいいなぁ……こういう映画をもっともっと作ろうとしてほしい。
「黒水仙」「赤い靴」のような幻想的な映像美で観る者を圧倒してきたパウエル&プレスバーガーだが、ストーリーの面白さでいえば、本作の方に軍配があがる(勿論、本作も映像的に凝っている)

70年前のファンタジー映画だから仕方ないかもしれないが、ラストはもう少し一捻りが欲しいような物足りなさも感じた。
>|