なんて美しい東京なんだろう。
ドキュメンタリーでありながら、一つ一つのショットに狙いがある。電車で始まり電車で終わる。そこには東京の過去と未来が小津の唯一現物で撮るというこだわりがある電車が変わらず…
"小津の東京はもう無かった"
当たり前のことだけれど、時代は過ぎていく。そこにあった風景は消え、人々の営みもやがて無に還る。映画だけが残っても、そこに映された社会や日常は、もうどこにも存在しない。…
「混乱を増す世界に秩序を与える力を持つまなざし、世界を透明にしうるまなざし、それは今やもう不可能な視線なのだろう、小津にとってさえも⋯」
厭世的で悲観的、皮肉に満ちたヴィム・ヴェンダースによる、小…
ヴィム・ヴェンダースの目を通すと小津への解像度が上がる。人生そのものと同時に人間の習性を眺めているようだった。
"描かれるのは日本の家庭の緩慢な崩壊とアイデンティティの衰退だ。だが進歩や西欧文化の…
このレビューはネタバレを含みます
映画の巨匠が映画の巨匠を映画で語るってんだからそりゃ見応えはありますよ。
日本人が話すのに被せた外国語を字幕で追う、リアルタイムの翻訳の往復は新感覚だった笑
似たような構造で我々が住むはずの東京っ…
小津ヲタクのヴィム・ヴェンダースが映画で観たような東京の古き良き風景を求めてカメラを回すが、デジタルに毒された80年代の東京にはそんなの存在しなかった。が、パチンコに興味持ったり、ゴルフの打放しに虚…
>>続きを読む© Wim Wenders Stiftung 2014