白い肌の異常な夜の作品情報・感想・評価

「白い肌の異常な夜」に投稿された感想・評価

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Rの感想・評価

3.8
南北戦争を背景に、負傷した北軍兵士が少女に助けられて連れて行かれたのが女性だらけの学園、そしてそこでは女性たちの欲望と嫉妬、憎しみが渦巻く…というドン・シーゲル監督のサスペンス的エロティックな映画。

北軍兵士マクビー(クリント・イーストウッド)は南軍兵士(敵)を助けるために撃たれて右脚を負傷して、森で少女エミーに助けられる。

連れて行かれたのは女性だらけの学園。
そこには女園長1人と女性生徒6人、そして黒人女性の「おんなの館」。

搬入されたマクビーの逞しい身体を先生が拭いているのを見た女生徒は、「男の身体の感触を楽しんでいるみたい…」とつぶやくあたりから、生々しいエロティックな世界が始まる。

この映画、女性の裸などを露わにすること無く、物語の語り口で「エロい世界」を描くあたりはドン・シーゲル監督の見事な演出だと思う。

園長のミス・ファーンズワース(ジェラルディン・ペイジ)も最初は「敵兵なんだから味方の兵士に突き出そう」と思っていたものの、マクビーとキスするに至る。

先生も同様。

キャロルという生徒も同様。

…といったかたちで、次々と女性たちを自分の虜にさせるだけの魅力がイーストウッドにはある。

その後、物語が急展開する凄い映画であった。

何でもかんでも描こうとせずに、こうした奥ゆかしさを保ちながら、サスペンス要素を盛り込みながら「眼が離せない映画」はなかなか無いだろう。

ドン・シーゲル監督、さすがである。

このレビューはネタバレを含みます

『白い肌の異常な夜』('71)
The Bequiled / アメリカ合衆国 / 英語

南北戦争末期。
深い森の中に、女性だけが生活する学院があり、そこに一人の北軍の伍長が運び込まれる。
学院は南軍側ではあるが、伍長が負傷していたこともあり、仕方なく南軍には内緒で彼の治療をする。
徐々に回復する伍長だったが、魅力的な女性たちに囲まれ、翻弄されていく。
学院は学長と、年上の生徒が先生となって運営していたが、学長の兄以外に男がいたことはなく、その兄も既に他界していた。
普段男性と関わることのない学院の少女たちも、大人の男の魅力の虜になっていく。
やがて、嫉妬と狂気にかられた女性たちによって、伍長に恐怖が襲い掛かる。


女の嫉妬が非常に怖い作品でした。

学院には生徒含め女性が9名いるのだが、主要メンバーは5名だであり、残りの4名はガヤ扱い。
しかし、その4名も怖いのだ。
主要メンバーは、「校長」「先生であり、いずれ学院を受け継ぐ生徒の一人」「主人公を学院に連れてきた少女」「色仕掛けで主人公に迫る思春期盛りの少女」「黒人女性」。
「校長の兄」という存在も、常々どこかに影があり、重要な存在。

本作はその物語展開が面白く、カメラワークも良かったのだが、何よりキャストの演技が素晴らしかった。
幼いエミーでさえ圧巻の演技を披露するのだが、年上の女性たちも良かったし、クリント・イーストウッドも最高だ。

2017年に『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』のタイトルでリメイクされたが、その作品で伍長役は、コリン・ファースが演じているらしい。
鑑賞したことがないためわからないが、クリント・イーストウッドよりも迫力が物足りない印象を受けるし、脇を固める女優陣たちや、監督がソフィア・コッポラであることを考慮すると、伍長の描き方が原作と変わっている可能性があるので、鑑賞してから確認したいと思う。

階段から転がり落ちるシーンから怖いのだが、最後のシーンは本当に恐怖だ。
女性陣たちによって担ぎ込まれた主人公は、同様に担ぎ出されて終わる。
その時の彼女たちの会話が何でもない普通の会話で、全くシーンと内容とそぐわない。
そこがまた、女性の嫉妬や狂気を超えたサイコ的恐怖を感じる。

学長の兄の話があまり掘り下げられないのだが、それが想像力を掻き立てられて、上手い作りなのだ。
彼は本当に亡くなっただけなのか。
彼女たちの沈黙ぶりを見るに、最初の犠牲者はお兄さんだったのではないかと考えると、更に恐怖だ。
クリントイーストウッドを観ようシリーズ⑥

森の中。
負傷し、瀕死の状態の兵士マクバニーを少女エミーが救い出す。
エミーに連れられて身を寄せたのが女学院。
女の園。
精悍なマクバニーを見て、女たちは色めき出す。

女の本性がむき出しになる映画です。
嫉妬、引け目、劣等感。
妬み、やっかみ、最後は修羅場。
冷酷過ぎるその結末。

ああ、怖い。
これはホントに異常な夜。
女を怒らせるとこうなります。

とりあえず映画観終わって思ったことは、結局一番しょーもないのは、ここぞとばかりにあちこち手をつけまくる男である!ということですね。笑
舞台は南北戦争中の南部アメリカ。瀕死の怪我を負った北軍兵士が、女性ばかりの寄宿舎に閉じ込められるお話。男を知らずに育ったキリスト教徒の女性陣が、イケメンの北軍兵士にわれ先にと群がり一夜を共にしようとし、その結果、皆が狂っていくという展開。

なんだかあらすじだけ書くとポルノ映画(あるいはマガジンあたりの恋愛漫画)みたいですが、実際に前半はポルノ映画みたいな話でした。監督はドン・シーゲル、主演はクリント・イーストウッド。硬派な2人が揃って一体何をやってるんだか...と思いながら見てましたが終盤に行くにつれスリラー要素がいや増してなかなか楽しめた。

まあそりゃ異性に飢えている年頃の女性の元にクリントイーストウッドみたいは色男が手負の状態で転がり込んできたら、そりゃハーレムになるわな、と思えなくもない笑。でもこのクリントの役柄が嘘つきで女たらしという、男からも女からも嫌われるようなキャラクター。他人のハーレムを見て何が楽しいんだ!という人は見ないほうがいいかも笑

粉砕骨折した主人公の脚を、看護師が医学書を見ながら切断するシーンは思わず叫びたくなった。痛い痛い痛い痛い!って。まだ70年代前半の動画だからか、画面には直接映らないけど、ノコギリでギコギコする音がほんとにつらい。朝起きて足がなくなってることを知った時のクリントの顔も含めて完璧なトラウマシーンです。

脚を切断されたのを機に怒りから主人公が狂っていくのですが、その怒りはわかる気がする。素人判断で「壊疽を避けるために脚を切るしかない」みたいに決めつけて、自分の意志とは関係なしに脚を切り落とされたらそりゃ怒るよ、、しかもその理由が助けようとしたならたとえ死んでも良心は痛まない、みたいな自分本位な理由ならなおのこと。これは切った側が悪い。どこに感情移入してるんだって感じですが笑。

園長が最低すぎて笑ってしまった。善人の皮をかぶっていても中身は醜いアヒルの子。自分で手を下すのを避けて12歳の女の子にやらせるとかどんだけ鬼畜なの!と思った。これは人間の汚さが際立った作品でした。いやあ気味が悪い!もちろん良い意味ですが。
wong

wongの感想・評価

3.8
ドンシーゲル作品。コッポラのやつがリメイクだったんだ。シーゲルが割と時代に無視されてる人故に、ビガイルドがリメイクとは気がつかず。

2回目でも凄く楽しめた。逆はキツかったろうな。やっぱりドンシーゲルのは観てられる。凄いやこの人は。
若いクリントイーストウッドも好き!!ヤりチン男も自業自得だが、女たちがまぢ怖い。毒キノコ!!!
YOSHIEMON

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3.3
嫉妬で荒れる展開なのは読めてたけどこんな結末かよ笑 怖すぎ!
黒人のハリーが1番好きでした😆
ルパンも女には気をつけないとね‼️
ペイン

ペインの感想・評価

5.0
S・クレイグ・ザラーのお気に入り映画。

イーストウッド×ドン・シーゲール監督のタッグといえばやはり『ダーティ・ハリー』が真っ先に思い浮かぶ人が多いと思うし、実際ヒットもした作品だけれど、当の作り手であるイーストウッドとシーゲルは公開後すぐに打ち切られた本作『白い肌の異常な夜』が最もお気に入りらしい。

たしかに内容はダークで、登場人物は皆性欲異常者と言って差し支えないような人たちばかりで、最早ホラー映画とも言えるカオスな展開を繰り広げる本作は一般受けするとは思えないが、B級映画時代に鍛え上げた職人的手腕を持つシーゲル監督の的確な演出力でもってグイグイき込まれる。これ見よがしな映像美!という感じではないが、画作りがとにかく端正。

いつもはカッチョイイイーストウッドも本作では本当にみすぼらしくだらしないが、彼本人が最も本作を気に入っているということは一番彼の本質に近いのかもしれない。私は傑作と思う。
イーストウッドのまたまた若い女とイチャイチャラブシーン自分得映画かと思ったけど、途中から恐怖に。。。

よくわからないけど、人間怖いわーって思って終わった。
監督は「真昼の死闘」「ダーティー・ハリー」のドン・シーゲル。
主演は「夕陽のガンマン」「グラン・トリノ」などのクリント・イーストウッド。
原作はトーマス・カリナンの小説「The Beguiled」。

南北戦争末期のアメリカ南部。
瀕死の怪我を負って一人戦地に取り残された北軍の兵士ジョン・マグバニー(イーストウッド)は、少女に助けられ、森の中の女学院で看病を受けることになる。
学院には院長と若い教師、女学生たちが寄宿しており、信仰の下貞淑とした秩序を保っていたが、ハンサムで魅力的なマグバニーの存在は、女性たちを惑わせる。
義務に従い、南軍に突き出すべきか、それとも。
やがてマグバニーを中心に、女たちの欲望と嫉妬が絡まり合い、院内の秩序は揺らいでいく…。

マカロニ・ウエスタン「ドル箱三部作」での成功後、アメリカでアクションスターとしてのキャリアを積んでいたイーストウッド。
B級アクションの職人監督ドン・シーゲルと組んだ「真昼の死闘」の撮影中、今作の原作小説と出会い、衝撃を受ける。
イーストウッドはシーゲルと相談し、アクションスターとしてのイメージを壊すことを承知の上で今作の撮影を決定。
配給の理解を得られず、興行的には失敗。
しかし、ドン・シーゲル監督は自らの最高傑作として今作を挙げている。
イーストウッドにとっても、初監督作「恐怖のメロディ」直前の作品であり、テーマ的にも似た部分があるため、俳優としても映画人としても、強い刺激を受けた作品と推測される。
現在では批評的には、マイナーな佳作、といったそこそこ高い評価を得ていると思われる。
いずれにせよ、イーストウッド作品を追いかけるなら、一度は観ておきたい作品の一つである。

ジャンルは、男女のドロドロした愛憎ドラマといったところか。
サスペンスやスリラーの要素も大いにある。
南北戦争の敗戦間際という時代背景は、作中の人間関係の不安定さに影響を及ぼしており、戦争映画、歴史映画の要素もなくはない。
イーストウッド主演だがアクション要素はほぼない。
またタイトルが示唆するような露骨な性描写はほぼなく、ベッドシーンはあってもあくまでアート的である。

今作の見どころは、男の色気ムンムンのイケメンが女の園に放り込まれ、これはハーレムでは!?とウハウハしていたら、いつのまにか底無し沼のような恐るべき事態に陥っていく過程にある。

男としては、外の南軍に突き出されたら終わりなので、女学院の中に匿われることに必死である。色目だろうが誘惑だろうが、手段は選ばない。
イーストウッドは魅力的だが下衆い役を嬉々として演じる。
何しろイーストウッドなので、魅力に関する説得力は大きい。
ほぼベットの上か松葉杖、というイーストウッドは珍しい。

他方、女性たちはバラエティに富んでいる。
厳粛だが隠された過去のある年嵩の院長。
若く献身的だが恋愛にロマンチックな憧れをもつ教師。
性に興味が尽きず禁欲生活に飽き飽きした奔放な学生。
純粋無垢に助けた男を慕う少女。
その他、俯瞰的に冷めた目で状況を見つめるアフリカ系の召使いや南部人としての義務を主張する学生など、学院内の面々は各自の欲求や思惑に基づき独自に行動する。
各々の行動が、当人が予想していなかった結果を生じさせる。
表面上は平静を装った物語は、徐々に緊迫した様相を見せ始める。

戦時下、閉ざされた女学院、という舞台設定もサスペンスに一役買っている。
社会からの隔絶は、人の思考と行動を飛躍させるのか。

終盤から印象的なラストに至るスリリングな展開はなかなかのもの。
ある食事の場面で見られるキャラクターたちの表情は特に印象に残る。

今作のテーマはどのように捉えるべきか。
まずは男の愚かさと女の情の深さ、そして憎しみに転嫁した時の怖さという見方か可能だろう。
また、抑圧された欲望が歪な形で噴出する様を描いた作品とも言える。
原題そのままに、惑わされること、騙されること、そして魅了され、異性に狂うことを描いた作品でもある。
いずれにせよ男性視点からは、女性に対する無節操、不貞、暴力的態度には代償が伴う、という痛烈な教訓を読み取ることができる。

製作に至った経緯に照らすと、プレイボーイとして知られるイーストウッドが感じていた潜在的な恐怖心が、原作小説に感応したのかもしれない。
この恐怖心は、イーストウッドの初監督作、「恐怖のメロディ」で再び形になる。

ところで女性視点からは、今作はどのようなテーマで描かれるのか?
ソフィア・コッポラが2017年、今作のリメイクを手がけているので、参照したい。

イーストウッドが監督としてデビューする直前に作られた、男女の愛憎劇の佳作。
シーゲルとイーストウッドの黄金コンビは、今作の後、2人にとって最大のヒット作を上梓する。
「ダーティー・ハリー」である。
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