小津の暗い部分を感じた。基本的に人間をドライに描くが、それが極端に出ていた。いつもより暗い場面が多く、ノワール調なのが新鮮で良かった。
廊下で赤ちゃんを写すショットのヤバさ。ただこっち向かってくる…
人間の猜疑心が暮色を夜へと染め上げる。
小津の完璧なまでの構図の隅から隅までを悲劇と葛藤、裏切り者たちへの憎悪が支配する。
冷たい東京の街。
寒空の下、屋根の下、どこを見渡しても自分の居場所は存在…
フィルモグラフィの中では異色だが好き。
濃度の深い沈んだ画の中で美少女(!)有馬稲子が沈鬱だ。つられるように笠智衆と原節子もいつもの快活さが無く沈鬱なのだ。
窓の外に見える雪や路地のネオンサインもジ…
ちょっとでも歯車が噛み合わなくなるだけで、崩壊してしまう家族の関係の難しさを痛烈に感じる映画でした。
母親の代わりを努めようとする原節子さんと悲嘆にくれて笑わない有馬稲子さんの演技と表情が素晴…
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